ザ・ワン
<THE ONE>
01年 アメリカ映画 87分

(あらすじ)
宇宙には、多次元宇宙と呼ばれる125の別の次元が存在していた。そして、それぞれの次元にいる“自分”を殺せば、宇宙で唯一の全能の存在“ザ・ワン”になれると言うのだ。
多次元宇宙捜査局(MVA)の捜査官だったユーロウは、自分が“ザ・ワン”になろうと、次元の移動を繰り返し、ついに123人の自分を殺す事に成功。ユーロウは最後の一人、ゲイブを殺しに向かうのだった。だが、MVAの捜査官ローデッカーとファンチもユーロウの後を追い、ゲイブのいる次元に向かう。
一方、ゲイブの方も、ユーロウが他の自分を殺す毎に精神力・身体能力の向上という現象が起こっているのだった。

(感想)
ビッグなスターの主演&A級映画の製作資金で作り上げた、B級精神満載の近未来SF刑事アクションの傑作。この映画と、「デモリションマン」「タイムコップ」「バーチュオシティ」で、“近未来SF刑事アクション四天王”と呼ばれる(ウソ)。

“多次元宇宙論”というのは実際にあるらしくて、その人それぞれの選択によって、次々と別の次元が作られていくらしいです。それが、この映画では“125”と限定。その根拠など別にどうでもいいかのように、ジェット・リーの超絶特撮アクションが展開されて行きます。ちなみに、“近未来SF刑事アクション四天王”に、世界設定の矛盾や粗を本気で指摘するのは禁止事項となっています(笑)。

とにかくこの映画、ジェット・リーが文字通り大暴れします。123人分のパワーを吸収した超人という設定なので、車以上に早く走るは、塀をひとっ飛びするほどの大ジャンプを見せるは、弾丸を避けるはの大騒ぎ。終いには、白バイ2台を両手に持って武器にしてしまいます。
しかも、パワーの制御も出来るらしく、精密機械を壊さずに扱ったり、元相棒のローデッカーとの殴り合いでは、相手は普通の人間なので、手を抜いて互角の戦いをしてあげたりします。
しかも、そんなジェット・リーが2人もいるんですから凄い。善のジェット、悪のジェットが闘うなんて、善のヴァン・ダム、悪のヴァン・ダムが闘う「レプリカント」みたいです。
ただ、「レプリカント」と違って“超人”の設定なので、SFX使いまくりなバトルシーンになってるんですが。そのせいで、ジェット・リーの凄さがいまいち伝わりづらいかな、という感もあったりします。
ゲイブとユーロウ、それぞれ格闘の型が違い、ゲイブの“円”の動きは滑らかで本当に凄いんですが、何か特撮に邪魔されてる感じがしてしまうんですよね・・・。まあ、一人二役のバトルシーンなんですから仕方無いんですけどね。
ただ、ラストに一対一のカンフーアクションが用意されてるというのは、ジャッキー世代の私にとっては嬉しい展開ですけどね。やっぱり、ラストは格闘戦か大爆破で締めてこそアクション映画です。

アクション以外でも、ストーリーも割と面白いですね。ユーロウは、別の次元からやってきた暗殺者という訳なので、「ターミネーター」みたいです。あちらは警官が銃で撃っても効かなかったですが、こちらは警官の撃った銃の弾を避けるという違いがあります(笑)。
ただ、ゲイブの妻、TKの扱いはちょっと可哀相過ぎる気はしますけどね。ラストは一見ハッピーエンドですが、ちょっと素直に喜べないものがありました。むしろ、ゲイブよりユーロウの方がハッピーエンドだったような(笑)。

ところで、序盤で出てきた、他の次元のジェット・リーの映像は、何だか凄い事になってましたね。あれは、もう「ジャッカル」のブルース・ウィリスを超越してますね(笑)。

監督・共同脚本:ジェームズ・ウォン
アクション・スーパーバイザー:コーリー・ユエン
音楽:トレバー・ラビン
出演:ジェット・リー(ゲイブ/ユーロウ)
    ジェイソン・ステイサム(ファンチ)
    カーラ・グジーノ(TK/マシー)
    デルロイ・リンド(ローデッカー)

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