(あらすじ)
麻薬密売の潜入捜査をしていたATU(国家安全保障局)のエージェント、クレイ。だが、現場で取引されていたのは麻薬ではなく、核爆弾だったのだ!
仲間のサイモンからの「作戦中止」の指令を聞き、クレイはその場にいた連中を射殺。起爆装置の入ったケースを奪うのだった。だが、クレイもその銃撃戦で負傷。アパートに帰り、仲間のゲインズにケースを渡したところで気を失ってしまった。
数日後、局の医務室で目を覚ましたクレイだが、自分が奪ったはずのケースの事を局長のラ・ノバは知らないと言うのだ。しかも、現場で作戦中止の指示を出したはずのサイモンも、数週間前に死んでいると言われる。
訳の分からないまま家に帰ったクレイだが、家にいた妻から、なぜここ帰ってきたのかを不思議がられる。何と、妻とは随分前に離婚していたというのだ。かつてメモをとった事が無いほどの抜群の記憶力の持ち主であるはずの自分が、妻と離婚していた事を忘れていたのだ。
謎の健忘症にかかったクレイは、行方不明となったケースの捜索と、なぜ、自分がこうなったのかを探るべく行動を開始する。
(感想)
主人公の記憶がある時を境にあやふやになっていく。多分、「メメント」の設定を少し頂いてるんでしょうが、話の展開は普通のサスペンス・アクションのそれです。ただ、無駄の無い作りではあるので、B級映画の中でも完成度の高い部類の映画です。と言うか、小から中ヒットクラスのA級映画並とも言えるかもしれません。
なぜ、主人公の記憶が消えているのかというと、脳内の記憶を司る部分をシャットアウトしてしまう薬を盛られているからなんです。その薬が、もともとはトラウマの治療薬として開発されたものの失敗作というのが面白いです。何だか、実際にもこういう薬がありそうな気がしてしまいます。
クレジットのトップはロイ・シャイダーですが、主人公はウィリアム・マクナマラです。ロイは主人公クレイの上司を演じてるんですが、実はこいつが全ての元凶だったりします(この事は冒頭で示されます)。
そして、クレイの元妻、ケイト役は「スターシップ・トゥルーパーズ」「D−TOX」のディナ・メイヤーですが、その2作と髪の色と髪型が違うので、まるで別人のように見えます。ちなみに、私はこの「レッド・ブラスト」版が好みです(そんな事は誰も聞いてない)。
アクションシーンでは、いきなりジョン・ウーチックな描写(スローモーションで振り向きながら銃を撃つ)が出てきたり、主人公が2階建て分ぐらいの高さから飛び降りても、その後すぐに元気に走り回ったりと、B級魂に溢れています。もちろん、逃げる主人公のすぐ後ろで発砲されてるのに、主人公にはかすりもしません。さらに、ラストには「ロング・キス・グッドナイト」の映像が流用されてます(笑)。でも、この映画を見てない人にとっては、流用シーンだとは気付かないぐらい自然に入ってます。
アメリカでは、劇場用ではなくビデオ用の映画らしいです。もともとは劇場用で作られたのがビデオスルーになったものなのかは不明ですが。もしそうなら、「D−TOX」に続き、ディナ・メイヤー出演作二連続です(笑)。
もしもオリジナルビデオ映画なのだとしたら、このレベルの映画がビデオ用とは、さすが娯楽映画の本場、アメリカだけの事はあると、思わず唸ってしまいます。
監督:デビッド・ワース
出演:ウィリアム・マクナマラ(クレイ・ピアース)
ディナ・メイヤー(ケイト)
ロイ・シャイダー(ラ・ノバ)
ヘンリー・ロリンズ(スティーブ・ゲインズ)
バリー・リンチ(サイモン)