監督・脚本・製作:ピーター・ジャクソン
製作総指揮:ロバート・ゼメキス
脚本:フラン・ウォルシュ
音楽:ダニー・エルフマン
出演:マイケル・J・フォックス(フランク・バニスター)
トリニ・アルヴァラード(ルーシー)
ジェフリー・コムズ(ミルトン捜査官)
ピーター・ドブソン(レイ)
ジョン・アスティン(判事)
ディー・ウォレス・ストーン(パトリシア・ブラッドレイ)
ジェイク・ビジー(ジョニー・バートレット)
チ・マクブイド(サイラス)
ジム・ファイフェ(スチュアート)
トロイ・エヴァンス(ペリー保安官)
ジュリアナ・マッカーシー(ブラッドレイ夫人)
R.リー・アーメイ(ゴースト保安官)
ある日、仕事で入った家の住人の額に数字が浮き出ているのにフランクは気付いた。もちろん、他の人には見えないのにフランクには見えるという、霊的な力で浮き出ている数字である。そして、フランクが額の数字を見た人は、後に必ず謎の死を遂げるのだ。
町ではこのところ、連続突然死事件が相次いで起こっていたが、この数字と関係があるのだろうか?
そんな折、フランクは額に数字を浮かび上がらせた人が、死神のような姿の謎の存在によって殺害されている現場を目撃してしまう。唯一人、この連続突然死事件の真相を知ったフランクは、死神の後を追い、何とかしてやろうとする。
一方、死神によって謎の死を遂げた人の近辺に必ずフランクがいた事から、警察はフランクが何か関わっているのではと考える。さらに、オカルト事件に詳しい、怪しげなFBI捜査官もやってきて、フランクを追うのだった。
(感想)
あの『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督&フラン・ウォルシュ脚本!ロバート・ゼメキス製作総指揮!音楽担当ダニー・エルフマン!ILMのCG!そして、マイケル・J主演!!さらにジェフリー・コムズ共演!
と揃った、まさに一分の隙も無い、完璧な布陣の映画ですね(コムズ共演というのも含め・笑)。そしてその内容も素晴らしいときているのに、なぜか世間から無視されてるような立場にいる映画でもありますね。何故なんでしょう?(笑)。やっぱり、ヒットしなかったせいでしょうか(DVDのメイキング見たら、CGはILMじゃなくてWETAが担当してるじゃないですか。誰だ私にウソを教えた奴!)。
マイケルJ演じる主人公のフランクは、『シックス・センス』のコール少年のように幽霊を見る事が出来る能力を持っています。その能力を使って霊媒詐欺を働いていたりと、序盤はホラーコメディのような展開を見せます。
と言うか、宣伝を見る限りは全般ホラーコメディ調の映画だと思ってました。何しろ公開時は、マイケル・J+ロバート・ゼメキスという『バック・トゥ・ザ・フューチャー』コンビの映画というのを全面に出した宣伝でしたからね。
監督のピーター・ジャクソンも、この時は基本的にはホラー系の監督でしたが、『バッド・テイスト』にしろ『ブレイン・デッド』にしろ、コメディ調のホラーを撮ってた人でしたからね。
ですが、この『さまよう〜』がコメディ調なのは序盤だけです。フランクが、一連の連続突然死事件の犯人である死神の姿を見た辺りから、この死神が敵として襲ってくる事となります。もちろん、おふざけ無しで襲って来て、友達の幽霊もこいつの鎌で切り殺されてしまいます(もともと死んでる人達ですが)。
ですが、大きな展開の変化を見せたものの、映画のカラーと言うか雰囲気には変化は無いので、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』の前半と後半みたいな、「もはや違う映画」的な変化はしないんです。
で、後半はこの死神との対決というストーリー展開になっていくのかと思いきや、死神の正体は中盤辺りであっさり割れ、後半はまた違った展開を見せていくんです。
この捻った、先の読めないストーリー展開にはただ脱帽といった感じです。最初にこの映画を見た時は、このあまりのストーリーの面白さに度肝を抜イかれたものでした。
さらに、ここも重要な点ですが、終盤の展開が怖いんです。何しろ、ゴーストの映画かと思ったら、最終的に襲ってくるのが・・・・・・ですからね。これは確かに、死神みたいな得体の知れないものより怖いかもしれない(笑)。
この映画は、どんなストーリー展開になるのか知らないで見た方が絶対に面白いと思うので、まだ見てない人の為に、ここで詳しく書く事は出来ないんですが、私は何回か「この後はこういう展開になっていくんだろう」という読みを気持ちよく外されましたね。そして、その予想外の展開の方が、予想していた展開よりも確実に面白そうだというのが凄いです。
ただ、これはあくまでも、「私が予想した展開と違った」という事なので、他の人が見た場合、「概ね、予想通りの展開を見せた」という感想が出る可能性は充分にあったりするんですけどね。
主演のマイケル・Jですが、例の病気(パーキンソン病)の為、この映画が最後の主演作となってしまいましたね。でも、ヒットはしなかったですが、ここまで上質の映画がトリというのは、まさに不幸中の幸いでしょうか。
この撮影当時はすでに病気もかなり進行していた頃だと思うんですが、見てて「動くのがやっと」なんて印象が無いんですよね。むしろ、かなり身軽です。序盤の方では「車に轢かれそうになる」なんてスタントまがいのシーンまで演じてましたし。
本来なら、コメディ映画で力を発揮する人ですが、こういったVFXホラーでも存在感を存分に発揮していましたね。まあ、それもこの映画が純然たるホラーとは一味違った映画なせいかもしれないですが。この映画全体的な雰囲気、コメディともホラーともどっちともとれるような感じに、完全に溶け込んでましたね。
一方、怪しいFBI捜査官役のジェフリー・コムズは完全に笑いをとりにきてるキャラでしたね(笑)。もう、コムズ演じるミルトン捜査官、あまりに怪しすぎです。こういう悪趣味なキャラが堂々と出てきてる所もまたこの映画の魅力の一つでしょうかね(“痔”を患ってるなんて、とても必要とは思えない設定を持ってたりしますし・笑)。
ところで、ロバート・ゼメキス製作のVFXホラーと言えば、後のダーク・キャッスル製作の映画群を思い出します。この映画がまさに、ダーク・キャッスルの先駆けとなる映画だったのかもしれませんね。
でも、その面白さ、怖さはダーク・キャッスル映画の比ではありませんね。やはり、ゼメキス以外の製作者が、ピーター・ジャクソンからジョエル・シルバーに変わってるのがマズいんでしょうか(マズい?・笑)。
でも、確かに、ダーク・キャッスルの映画の方がスピード感はありましたからね。今の若者達にはああいう映画の方がウケるんでしょうね。