監督・脚本:アラン・スミシー(ディーン・チェッター)
特殊メイク:トム・サビーニ
出演:ジェイク・デンジェル(スウィニー・ハードウェル)
ジョー・シャーキー(ジョー・ブロッカー)
スーザン・フレッチャー(ディーディ・テイラー)
ビバリー・ベンバーシー(アーナ・ハードウェル)
ショーン・エリオット(ジャッキー・カイロ)
ジェーン・エスター・ハミルトン(グレース)
ドン・ブロケット(署長)
ジョーは、今回の事件が数年前にベガスで担当した、エジプト人サメット・カイロによる連続殺人と似ている事から、当時の相棒だったテイラーに協力を要請するが、なんとテイラーは行方不明となっているのだ。そして、代わりに交通課勤務のテイラーの娘、ディーディがやってきた。
ディーディの協力により捜査は順調に進み、サメットの弟のジャッキーが事件の起こる数日前にベガスからこちらに来ている事が判明する。3人はジャッキーがオーナーをしているエジプト人街にあるカフェに向かうのだった。
(感想)
刑事コンビがスプラッターな事件の捜査に当たるというホラー・コメディです。
特殊メイクがあのトム・サビーニという事で、気持ちの悪いシーンが多々登場します。気持ち悪いと言っても、損壊した死体がいっぱい出てきたりするわけではなく、もっぱら“血糊”に力を入れているようで、死体そのものよりも、その周囲に散らばる大量の血の跡が気持ち悪い、といった感じです。
ですが、直接の描写は無いものの、殺害方法はどれもかなり強烈なものです。電気ノコギリからチェーンソー、業務用掃除機など、イヤな凶器が次々使用されていきます(ちなみに掃除機は、犠牲者の口に入れて、そのまま中身を吸い出す、という使い方です)。
こんなスプラッターな殺人事件が描かれる映画ですが、全体的にコメディ風味の味付けがなされています。で、この“凄惨な事件”+“おふざけ”の組み合わせがまた何とも言えない品の無さを出してるんですよね。
事件を追う主役の刑事コンビ、ジョーとスウィニーは、どう見ても有能な刑事には見えない二人です。捜査は常に後手後手で、犠牲者が全員ジョーの知り合いという点にも特に突っ込んできません。その事実を見てもジョーは「また俺の知ってる女が殺された・・・」と落ち込むだけです。
ですが、数年前にベガスで起こった同じ手口の連続殺人事件を担当したが現在行方不明という刑事がいるんですが、その娘のディーディがやってきて、捜査に協力をする事となります。で、これがまた、主役のコンビよりも全然出来た刑事なんです(殺人課ではなく、交通課なんですが・笑)。
終盤、ディーディは勝手に潜入捜査をおっ始めるんですが、これに失敗して敵に捕らえられてしまいます。そして、ここで明かされる驚愕の真犯人の正体!何と、容疑者として追っていた男の経営するカフェの新人ウェイトレスが犯人だったんです!
正体が分かった瞬間は「ええっ!」と驚いたものですが、きっと辻褄は合って無いような気がします(笑)。動機はしっかり語られるものの、出来の悪いウエイトレスとして働いていた点は、「後で観客を驚かせる為」の設定としか思えません(でも、この映画で最も驚いたのは、91年に日本で劇場公開されてたのを後に知った時でした・笑)。
まあ、『スプラッター殺人事件』なんてタイトルの映画にしっかりした脚本なんぞ最初から求めてないので、こういうハッタリの利いた展開が出てきた方が嬉しいですけどね(笑)。
ところで、重要登場人物のうち、味方側と敵側それぞれに女性がいる場合、アクション映画なんかでは終盤に“この2人が一対一で戦うシーン”というのが出る場合があります。もちろん、大抵はヘナチョコなへっぽこバトルになるんですが。
で、この映画はアクションでもないのにそんなシーンが出て来るんですが、やれもしないカンフーを無理に使わせたりしてないせいか、かなり迫力のある、荒々しい殴り合いシーンになってましたね。
今後、もっとこういうシーンの出るアクション映画が増えてくると思いますが、そういう映画の製作者に、参考として見て欲しいぐらいでしたね。