監督:アラン・メツガー
原作:パトリック・リンチ
出演:ジュディス・ライト(カルメン・トラヴィス少佐)
ビル・ナン(デビッド・アレンズ)
パメラ・リード(ホーリー・パーカー)
フィリップ・ボスコ(ベイリー大佐)
ビル・ロバートソン(レノックス軍曹)
ニコラス・プライアー(フランク・サンボーン)
ジョー・インスコー(ラリモ博士)
タッカー・スミス(トム・トラヴィス)
コリン・ウィルコックス・パクストン(マーサ・コリン)
一方、カルメンの元に送られて来た謎の文書に書いてあった一文「ウィラード」という言葉を追って調査をしていた同僚のアレンズは、背後に何かの陰謀があるらしい事をつきとめる。
また、アメリカではサルから広まったウイルスが、デラウェアの他、ボストン、テキサスと次々と感染が拡大してきているのだった。
(感想)
数ある細菌パニック物の未公開映画やテレビ映画の中でも、ウイルスの被害の規模がかなりデカいです。ただ、やはり低予算のテレビ映画な為、各地での被害者はせいぜい二人ぐらいまでしか描写されないので、あんまり「爆発的に広がっている」という実感が見てて沸かないです。
菌は、まずサルに引っ掻かれた男と、サルにツバを吐きかけられた男の二人から広まり、後はこの二人に咳をかけられた人がさらに感染をしていきます。
困った事に、この菌に感染すると、「人に向けて咳をしたくなる」という症状が出るらしく、感染者はわざわざ回りにいる人の方向を向いて咳をしていました(注・実際はウイルスの症状ではなく、演出上の問題です・笑)。
「サルが原因でウイルスが広まる」というのは、まんま『アウトブレイク』と同じ設定ですが、どうもこの映画の元は(あるいは、原作の元)『アウトブレイク』よりも、『ホットゾーン』に近い感じがしますね。
ちなみに『ホットゾーン』とは、トリート・ウィリアムズ主演のB級ウイルスパニック映画の事ではなく、『アウトブレイク』の元ネタとなった全米ベストセラーのノンフィクション小説の方です。
特に、主人公の設定なんか、まさに『ホットゾーン』そのままという感じです(私の記憶が確かなら)。ただ、それ以外のストーリー自体はオリジナルなものですけどね。
実はこの映画、中盤まではそんなに面白くありません。謎がかなり小出しにされてるうえに、場面もコロコロ変わって訳が分からないですし、肝心のウイルスパニックも、大きくなりそうでいてならないという感じで、今一つ映画の目的がはっきりしないんです。
ですが、背後に何かの陰謀があるらしいという展開になってから、ようやく目的がハッキリしだして来ます。あとは主人公がウイルスの謎を探ると同時に、この陰謀を暴くいていくという展開になり、今までの謎も次々と解き明かされていきます。
ただ、ウイルスパニックの方は、やっぱりデカい規模の話になりそうでならないままなんですけどね。感染者は町中で思いっきり咳をして、回りの人にその咳を思いっきりかけてたんですが、あそこで咳をかけられてた人がどうなったのかは最後まで分からずじまいでした(まあ、感染はしたんでしょうけどね)。
この映画で感心したのは、B級映画でありがちな、登場人物のおかしな行動や設定が、後にストーリーに関わってくるという点です。
てっきり、「ただのバカな上官」以外の何者でもないと思ってた上官のベイリー大佐も、実は事件の黒幕だったのでカルメンの仕事の邪魔になるような命令を出してた事が明かされますし、都合よく免疫を持っていたので生きていた双子も、「なぜ免疫を持っていたのか」というのが明かされる事となります。
かなり壮大な計画で、実はこの双子は、密かに軍に生物兵器として利用されていたんです。この辺の計画は「まあ、よくぞ考えたものだ」という感じでしたね。