監督・製作:ジェフ・ブレックナー
出演:ペイジ・ターコー(ジェニー・ブランチャード)
ジェイソン・ベギー(ダニエル・ロスマン)
ケネス・マース(ドクター・アーノルド・ボウマン)
ラリー・ドレイク(ドクター・グレッグス)
タムリン・トミタ(モニク・チャオ)
ジャクエリン・アリエス(リタ)
リチャード・イアン・コックス(ムリン)
ロレナ・ゲイル(公衆衛生局長官)
ロバート・アレバロ(マヌエル)
ユリシーズ・チュアドラ(マルコ)
(感想)
タイトルがまた、悲しいぐらいに試行錯誤の形跡の全く無い邦題です(苦笑)。原題は『ランナウェイ・ウイルス』という、ストーリーをよく表しているタイトルなんで、このままでも良かったじゃないかとも思うんですが、きっと色々と難しい問題があったのでしょう。
これは劇場映画ではなく、2時間枠のテレビドラマのようです。途中で、明らかに「ここでCMが入ったのか」という感じの、一瞬画面が真っ暗になる箇所が時々出て来ます(『X−ファイル』などの連続ドラマのビデオでもよく見る)。当然、予算も少なければ、目新しいストーリーという事もない、2時間普通に楽しめるドラマ、といった感じです(CMが抜かれているので、実際は90分ほどですが)。
ですが、「堅実な面白さ」みたいなのはあり、90分、飽きずに見る事が出来ます。
強力な伝染病“スペインかぜ”の保菌者の女(リタ)を巡るドラマで、この人は恋人に会いにロスに行こうとしてるんですが、パスポートやらビザやらを持たずに不法入国でアメリカへ向かっているので、探すのはとっても困難です。
そこで第2の手段として、シベリアに、かつてスペインかぜで死んだ人が埋葬されているという事で、その死体を掘り起こしてウイルスを採取し、ワクチンを作るという手段を講じる事となります。
中盤あたりは、シベリアでの死体の掘り返しと、メキシコで国境を越えようとしているリタのエピソードが交互に映されます。
死体を掘り返すには、シベリアの神父達の許可をもらわないといけないという展開になり、教会で神父相手に説得をするというシーンがあるんですが、ここで主役の一人、ジェニーの演説がなかなか胸を打ちます。ちなみにこの人、もう一人の主役の男ダニエルと元恋人という設定です。何か、細菌パニック映画でよく見る設定ですね。主役の男女が元恋人とか夫婦とか。どれもこれも、『アウトブレイク』がそういう設定だったせいなんでしょうね。
一方のリタの方は、自らの持つ強力なウイルスにより、グアテマラからメキシコまでボートに乗せてくれた男達3人と、メキシコからアメリカへの国境越えを手伝ってくれた男の計4人を次々葬っていきます。まさに歩く細菌兵器です。ちなみに、本人が死なないのは、病気に免疫があるかららしいです。常に咳をして、具合はかなり悪そうですが、死にはしないみたいです。その代わり、その咳から発せられる菌を吸い込んだ人は3日も持たずにあの世行きです。
厄介なのは、本人が歩く細菌兵器と化している事に自覚が無いところです。犠牲者を出した2ケースとも、相手がウイルスで苦しむところを見る前に去っているせいなんですね。アメリカについてからも、ヒッチハイクをして、善良なトラック運転手を感染させてしまいます(こいつは生死不明)。
「隣で咳をしている人が、もし強力な伝染病にかかていたら?」という状況は、「住んでる町が軍によって隔離させられた!」みたいな話と違って、現実に起こり得そうなリアル感があるので、なかなか怖いです。何よりも、こっちにしてみれば、全く防ぎようがないという点が恐ろしいですね。
ところで、映画の最初の方で、このスペインかぜがブタインフルエンザとして村に現れる様が描かれるんですが、そこで見たくもないブタの死体が出て来てしまいました。あぁ、可哀想に・・・。