
監督:フランク・コラチ
原作:ジュール・ヴェルヌ
製作総指揮:ジャッキー・チェン
スタント演出:ジャッキー・チェン
音楽:トレバー・ジョーンズ
出演:ジャッキー・チェン(パスパルトゥー/ラウ・シン)
スティーヴ・クーガン(フィリアス・フォッグ)
セシル・ド・フランス(モニク・ラ・シュール)
ジム・ブロードベント(ケルヴィン卿)
イアン・マクニース(キチュナー大佐)
カレン・モク(ファン将軍)
ユエン・ブレムナー(フィックス警部補)
そんな二人の、何でもアリな旅が始まるが、行く先々でケルヴィン卿の差し金が邪魔をしてくるのだった。
いやぁ、ジャッキーがまたやってくれました。いつものアクション・コメディとはちょっと違った、ファミリー向けアドベンチャー映画ですが、ジャッキーの魅力と相まって、このジャンルとしてはまさに屈指の傑作が出来てしまいました。
さて、そんな世間の動向は置いといて(笑)個人的な話を進めますが、この映画の何が面白かったのかと言うと、色々とあるんですが、まず第一に基本となるストーリーですね。世界一周旅行という、夢とロマンに溢れたアドベンチャーストーリーは、見てるだけで、こちらも一緒に大冒険をしているような気分にさせてくれます。
世界各国を周るわけですが、事件が発生するのは、中でも数ヶ国だけです。まあ、上映時間2時間で収めなきゃいけないんだからしょうがないですね。でも、この数ヶ国で起こる様々な事件はどれも印象的なんですよね。どこに行っても似たような事件が起こる、というわけではなく、それぞれバラエティーに富んだイベントが発生するんです。
また、実際に世界各国でロケを行ったという、その国々の特色溢れた映像も見ていて飽きさせなかったですね。国から国に飛ぶ際に使われるCG映像も、またキレイでいいんですよねぇ。全体的にCGの使用は控え目で、目立って使われるのは、この国間の移動シーンぐらいというのもいいですね。
そして!ジャッキーによる、各地で発生する邪魔者とのアクションシーンの見てて楽しい事といったら、もう、たまらないですね。「アクションのキレが無くなった」と言われて久しい、現在50代突入のジャッキーですが、この映画のアクションシーンを見ていると、昔と比べてアクションのキレがどうのこうのと言うのがバカらしくなってくるぐらいですね。
いや、確かに、ジャッキーがもっと若かったら、さらに凄いアクションが見られたとは思いますけど(笑)、それを今更言っても意味が無いですからね。
それに、この映画のジャッキーアクションは、「凄いアクションが出来る」というだけの人では表現出来ないレベルのものだと思うんですよ。もしかしたら、円熟味を増した今だからこそ出来たアクションなのかもしれないです。
もう、アクションの振り付けの一つ一つが、全てエンターテイメント的で、観客を楽しませる動きになってるんです。パンチやキックで敵と戦ったりしてるんですが、“格闘アクション”とはまた違う次元に行ってるんですよね。
これは、身体能力だけでなく、動きで見てる人を楽しませられる類の“演技力”があってこそ感じられるものだと思うんですよね。これぞまさに、ベテランの技です。
これらは去年の『シャンハイ・ナイト』でも感じられた事ですが、今回の方がより顕著に感じられたような気がします。その『シャンハイ・ナイト』で、「ジャッキーアクションの集大成!」的な宣伝文句が使われてましたが、この映画にこそとっておくべきでしたね。
世界一周の旅は、フォッグとパスパルトゥーの二人だけで行くものではなく、旅先のパリで出会った、画家志望の女性もお供についていく事となります。主要の登場人物はこの3人になるわけですが、映画の面白さ、ストーリーの巧みさから、もう、「最高のトリオだ!」とか思えてきましたね。それぞれの“キャラクターの魅力”というのもよく出てるんですよね。ジャッキーなんて、基本的には何の映画に出て、誰の役をやろうとも、ジャッキーはジャッキーという人ですけど、この映画ではジャッキーの魅力にプラスして、演じるパスパルトゥー(本名ラウ・シン)というキャラクターの魅力も出てたように思えましたね。
ちなみに、元々の「80日間世界一周」の主人公がフォッグであるように、この映画でも決してジャッキーが主役という事ではありません。一応、ストーリーはフォッグが中心となって動くんですが、おいしいところをさらってるのはジャッキーといった感じですかね。
そんなポジションな今回のジャッキーですが、何か見ていて、とっても活き活きしていたような雰囲気がありましたね。これまでのハリウッドでの出演作の中でも、「最も、ジャッキーが映画の雰囲気に溶け込んでいた」と思えた映画でした。
主要なキャストの他に、アッ!と驚く豪華スターのゲスト出演も、この映画の見所の一つです。宣伝ではシュワが出る事を、ジャッキーが主演である事以上にアピールしてましたが、正直、「どうせほんの一瞬出るだけで、一言二言喋っただけで出番は終わるんだろう」と思っていました。
ところが、これがまた、意外に結構長く出るし、セリフも多いんですよね。カメオ出演ではなく、完全に、映画の一登場人物になってるんです。しかも、ジャッキーとシュワが同一フレームに収まる場面とかありましたからね。会話するとか殴り合うとかいった、派手な絡みは無かったものの、結構嬉しいシーンでしたね。『アラン・スミシー・フィルム』でのスタローン以上に「共演してる!」という感じがしました。
シュワだけでなく、他にも数人ゲストスターの登場シーンがあるんですが、私が事前に出ることを知ってたのは、シュワともう一人だけだった為、他の人の登場シーンではかなり驚かされましたね。驚く&嬉しいですね。何しろ、出るとは思ってなかったような人が出てきただけに。思わず「おおーっ!」と言いそうになってしまいましたよ(ただ、ジャッキーとの絡みは無かったですが。絶対、何か一言あると思ったのに・笑)。
ファミリー向け映画という事で、ドラマ面とかギャグシーンなんかは、かなり分かり易い感じになっていました。ギャグには、一部ブラックなのが混じってたような気もしましたが、基本的には「誰でも、パッと見て分かる」ようなものでしたね。あと、この映画に出るギャグのほとんどは、“いかにもジャッキー映画に出そうなギャグ”という感じのものなのも嬉しい点でした。
ドラマ面の方は、分かり易いながらも、友情や愛情なんかがちゃんと描かれていて、映画に清々しい印象を与えていましたね。
このように、一本の映画としても、ジャッキー映画としても大満足な出来でしたねぇ。いやぁ、素晴らしかった。
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