シルベスター・スタローン ザ・ボディガード


もう二度と、愛する人を死なせない

AVENGING ANGELO
02年 アメリカ映画 98分

監督:マーティン・バーグ
音楽:ビル・コンティ
出演:シルベスター・スタローン(フランキー・デラーノ)
    マデリーン・ストウ(ジェニファー・バレット)
    アンソニー・クイン(アンジェロ・アルギエーリ)
    ラウール・ボーヴァ(マルチェロ)










<あらすじ>
イタリアン・マフィアのドン、アンジェロのボディガードを昔から務めてきたフランキー。だが、ある日、ちょっと目を離した隙に、アンジェロは暗殺者に殺されてしまうのだった。

アンジェロには一人娘がいて、名前をジェニファーと言う。ジェニファーは、敵対するマフィア達から命を狙われないように、生まれてすぐに養女に出されていた。だが、アンジェロとフランキーは、陰ながらジェニファーの成長を見守っていたのだった。

自分の実の親がマフィアのドンだとは知らないジェニファーだが、陰ながら守って来たアンジェロが死んだ事で、敵対するマフィアの手が延びてくるかもしれない。そこで、アンジェロの遺志に従い、フランキーはジェニファーの前に姿を現し、事実を告げるのだった。
自分がマフィアの娘だと信じたがらないジェニファーだが、実際に殺し屋が現れ、フランキーに助けられていくうちに、自分の出生の秘密を信じるようになっていく。
そして、ついには実の父親を殺した組織のボスに復讐を誓うようになるのだった。



<見た後の個人的感想>
フランキー1 02年春の『D−TOX』以来となる主演作です。本当は『スパイキッズ3』『シェイド』といった助演作よりも前に完成していたんですが、蔵に入ってしまったせいでこんな時期まで寝かせられるハメとなってしまいました。
と言うか、『D−TOX』も『シェイド』も蔵に入ったせいで完成から公開まで間が開いてたんですよね。いったい、どうなってるんでしょう。誰の陰謀なんだこれは。

で、この「スタローンお蔵入り3部作」ですが、まあ、確かにこれまでの主演作に比べると地味ですし、他のスターが出てる一般作と比べても地味です。製作費もそんなに行ってなさそうです。
でも、劇場公開出来ないほど酷い映画かというと、決してそんな事はないんです。『D−TOX』以外はかなり小規模での公開でしたが、こんな規模でもいいから、普通に、蔵に入らずに公開出来なかったものなんでしょうかね。この3部作よりもつまらない、地味な映画も、これまでに沢山公開されてるでしょうに。

さて、そんな『ザ・ボディガード』ですが、確かに見る前に不安はありました。蔵に入ってたのも、本当につまらない映画だからという可能性も無いわけではないですからね。それに、スタローンと同じく未公開スターの座に墜ちたヴァン・ダムやセガールの最近の主演作が「B級直球ど真ん中!」みたいな作りだったので、この『ザ・ボディ〜』もそういった「ついにこんな映画に出るようになってしまったか・・・」と思ってしまうような映画なのかもしれない。
ですが、実際に見てみたら、そんな不安が消し飛ぶぐらい、とてもまともな映画で一安心でした。拡大公開されるヒット作とはまた違う、小品ならではな面白さのある映画でしたね。「A級映画の成り損ね」ではなく、「最初から小品を目指して作った」みたいな感じです。そのせいか、この3部作の中では、完成度自体は一番高いんじゃないかと思いましたね。

フランキー2 そんな映画なので、当然、これまでのスタローン主演作の中でもかなり異色です。何しろ、ジャンルが「コメディ風味のラブロマンス」ですからね。要するに、その昔マイケル・J・フォックスがやってたような類いの映画です(『ドク・ハリウッド』とか『バラ色の選択』だとか、そんな感じの映画)。
そんな映画にスタローンが主演している、というのは何とも新鮮な面白さがありましたね。

ですが、どちらかと言うと、スタローンよりも共演のマデリーン・ストウの方が目立ってました。むしろ、スタローンは助演といった感じです。
本来なら「騙された!」とか思うところですが、このマデリーン・ストウがまたイイんですよね。これまでで一番魅力的に見えましたね(出演作を全部見てるわけじゃないですが)。
この映画の「ボケ担当」といった感じで、主に観客の笑いを誘うのはこの人の仕事となっているというぐらいの大活躍です。
一方、スタローンの方は、積極的に笑いを取りに来る、という立場ではなく、「その状況状況によってそれっぽい演技をしている」、というポジションです。コメディシーンにもアクションシーンにも目立った活躍がありません。
そのせいか、どうも今回のスタローン、マデリーン・ストウと比べて、精彩を欠いている、という印象でしたね。多分、この手の映画の似合う人がフランキー役をやったら、また違った印象の映画になったような気もしないでもないです。
ですが、「こんなジャンルの映画にスタローンが出ている!」という点が、この映画の特色みたいなものですからね。それにより、他の同ジャンルの映画では味わえない、『ザ・ボディガード』ならではの面白さもあるはずでしょう。私はそこまで発見出来なかったですけどね(爆)。ただ、私は基本的に「スタローンが演技してる姿を見てるのが楽しい」というタイプなので、この映画も見てて面白くはありましたね。

マッチョ・シェフ1 この映画の宣伝は、「スタローンがバリバリ主演するシリアスなアクション」といった感じのものでしたが、そういう映画だと思って見てしまうとちょっと辛いかもしれないですね。
私は見る前にこの映画が「ラブコメだ」という事を知っていたから良かったですが、もし知らないで宣伝の通りの映画だと思って見たとしたら、いくらマデリーン・ストウがいい仕事をしていたとしても、スタローンに目立った活躍の無いこの映画にあまりいい印象を持てなかったかもしれません。
酷評をされるような映画ではないと思うんですが、ネットで感想を漁るとやっぱり酷評してる人がいるんですよね。そういう人達は多分、ジャンルを勘違いしたまま見てしまったんでしょうね。「こういう映画だと思って見に行ったら違った」という場合、実際の内容がもともと好きなタイプの映画じゃないとやはりキツいでしょうからね。残念な話です。



<プログラム情報>
・定価600円。全22ページ。プログラムサイズ“普通”
・イントロダクション、ストーリー各2ページ
・映画やスタローンに関する解説・レビュー3種
・「観たあとで楽しむ、映画と小説案内」(主要キャスト3人のお勧め代表作とマフィアに関する書籍の紹介)


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