
監督:マイケル・ベイ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
音楽:トレバー・ラビン
出演:マーティン・ローレンス(マーカス・バーネット)
ウィル・スミス(マイク・ローリー)
ガブリエル・ユニオン(シド・バーネット)
ジョー・パントリアーノ(ハワード警部)
ジョルディ・モリャ(ヘクター・ファン・カルロス”ジョニー”タピア)
ユール・バスケス(レイズ刑事)
ジェイソン・マニュエル・オラザバール(バルガス刑事)
オットー・サンチェス(カルロス)
ピーター・ストーメア(アレクセイ)
テレサ・ランドル(テレサ・バーネット)
とにかくこの人、見せ場に思いっきりこだわってるみたいですね。と言うか、見せ場しか撮りたくないのかもしれません。本来はここぞというところで挿入するからこその見せ場ですが、この男は一本の映画で詰められるだけの見せ場を詰め込んできますね。そのせいで、逆に一つ一つのシーンの印象が薄れてしまってるんですが、きっと本人もそれを分かっててやってるんでしょうね。分かってて敢えてやってるか、分かってても止められないかのどっちかでしょう(笑)。
でも、ここまでやってくれればもう文句は言えないです。私も基本的には見せ場好きですし。今後も、これまでの映画制作の文法を無視するようなメチャクチャな映画を作り続けてほしいです。
さて、そんな『BB2B』ですが、一応ストーリーはあります(笑)。麻薬事件の捜査を暴走コンビが追って行く、という大まかなストーリーに、今回はDEAに所属しているマーカスの妹が絡んできます。ただし、出番はそんなに多く無いし、前作のヒロインみたいなムカつくアホじゃないので、映画の邪魔になるような事はありませんでした。
また、前作はどちらかと言うとマーティン・ローレンスの出番の多いストーリーでしたが、今回はウィル・スミスの出番が多かったですね。やっぱり、前作との間に大スターになったからなんでしょうかね。
でも、コメディアンのマーティンより、大作映画に主演をしてきたウィルをメインにした方がベイ的には撮りやすいんでしょうね。
コメディシーンは今回も当然あるんですが、うまい具合に分散されて入ってるので、映画の流れを止めるような事が無くなりましたね。見せ場のアクションシーンとコメディシーンがハイテンポで次々と来るので、2時間半という長尺を感じさせません。
今回、マーティン演じる良き家庭人マーカスと暴走刑事マイクの関係が、かなり『リーサル・ウェポン』のマータフとリッグスの関係に似た感じになってましたね(マーカスとマータフ、名前まで似てるぞ・笑)。
マーカスの方は前作からそんなキャラでしたが、今回のマイクは、前作に輪をかけた暴走っぷりを見せてましたね。そもそも、前作はもっとクールなキャラだったような気がしたんですが、今回は“黒いリッグス”と化していました。まあ、主人公の刑事が続編から大暴走しだすのはこの映画に限ったことではないですけどね(笑)。
ところで、続編映画は前作を超えられないというのが定説ですが、この映画は、基本的に、前作より大パワーアップを遂げた続編である、という事が言えそうです。
前作に足りなかったもの、それは映画全体のテンポとアクションシーンの派手さ(前作も充分派手でしたが)ですが、どちらも完璧にクリアしましたからね。
その代わり、前作にあって今作に無いものもあります。それは、刑事コンビ映画としての面白さと“落ち着き”ですね(前作もあんまり落ち着きはなかったですが・笑)。一応この映画も、刑事コンビ物の形をとってますが、二人のやってる事が捜査よりも破壊活動がメインなので、“刑事物の映画”という雰囲気があまり無いです。
でも、この点はあくまでも“前作にあって今回は無い要素”であって、“欠点やマイナス要素”というわけではないですけどね。
まあ総じて、「前作と比べて致命的に悪くなった所が全く無い」という事は確実に言えると思います。
ストーリーの主軸は麻薬事件の捜査ですが、見ていて何とも適当な感のある捜査です。で、銃撃戦やカーチェイスをしていたら自然に話が先に進んでいるという感じですね。この捜査の適当さは『リーサル・ウェポン』以上でしたね。証拠品等も、捜査で見つけたというより、アクションシーンをこなしたらボーナスで手に入ったみたいな感じです。例えるなら、アクションゲームで敵を倒して、出て来た“事件のカギ”という名前のアイテムを手に入れながら進んでる、というような感じです(笑)。
まあ、その分、アクションシーンには恐ろしいぐらいに力が入っていますけどね。銃撃戦では、拳銃ではなくマシンガンを用いたりしますし、カーチェイスではクラッシュした車がアホみたいに大回転&大爆発します。敵のアジトも最後は当然のように大爆発。凄いですねぇ、楽しいですねぇ。
“ストーリーの面白さ”は捨てて、“ノリ”で勝負した映画なんでしょうね。アクションシーンも、ちゃんとストーリーと密接に関わったものの方が見てて燃えたりするんですが、この映画みたいな、意味も無く派手派手なシーンがひたすら続くような映画も、たまに出て来る分には(年に1,2回ぐらい。って、そんなに?・笑)大歓迎です。
一方のマーティン・ローレンスは、前作の時と比べて顔も体型も倍ぐらいに膨れましたね(笑)。まあ、スターになったら途端に肥えるというのはよくあるパターンですからね。
本職がコメディアンという事で、アクションシーンにはあまり積極的に関わらず、もっぱらコメディシーンで力を発揮していました。で、やっぱりギャグシーンでの表情とか動きとかが見てて面白いんですよね。さすがプロです。
前作ではアクションシーンも頑張っていたんですが、さすがにあの体型になった今となっては、あの頃のようなアクションは望めないでしょうね(笑)。




カーチェイスシーンにはパクりが横行してましたが、それ以外の、銃撃戦のシーン等では少なくとも私の知ってるシチュエーションは出て来ませんでした。
そして、銃撃戦シーンではウィル・スミスがメインに活躍する事となります。カーチェイスシーンでは、運転するマイクの隣でマーカスが騒ぐという、マーティンの出番もあったんですが、銃撃戦となると、拳銃一丁をパンパン撃つだけです。一方のウィルは二丁拳銃で両腕を広げて、ポーズをキメたり、市街地で始まる銃撃戦(ここは、この映画の中でもかなり迫力がありました)では“マイ・マシンガン”を持ち出して来たりしました。そう言えば、スタローンの『コブラ』でも、主人公の刑事コブラがマイ・マシンガンを持ってたような。「マイ・マシンガンを持つ」のは暴走刑事のステータスなんだろうか(笑)。
そうそう、家屋内の銃撃戦で、カメラがマイクのいる部屋と敵のいる部屋をグルグル回りながら何度も行ったり来たりする様は、ちょっと目が回ったものの、かなり斬新な映像でしたね。一見、全部ワンカットで撮ってるみたいですが、多分、部屋と部屋のつなぎ目に来た所で切ってあるんでしょうね。
マーティンがメインとなるギャグシーンは、前作よりもコメディ色の強くなった感のあるシーンになってましたね。それでいて、ちゃんと笑えるシーンになってる所がいいです。
中でも一番笑えたのは、葬儀屋でうっかりヤクを飲んでしまったマーカスが、ハイになったまま警部の家を訪ねるシーンですね。ここはもう、まさにマーティンの独壇場でした。個人的にはここが、前作今作合わせての、マーティンのベストギャグシーンでしたね。
あと、こちらは演技は関係無いですが、大金をはたいて買ったプールが馬鹿犬のせいであっさり破けて、そのまま海に流されて行く所も笑いましたねぇ。
さて。終盤までアクションシーンに所々笑いのシーンを挟んだ形で展開していた映画ですが、ここに来て、無駄に感動的な男の友情シーンも出て来ます。贅沢ですねぇ。
人質にされた妹を救いに行こうという場面で、TNTの仲間やらSWATみたいな人達やらがスローで近づいてきて「俺も力を貸すぜ!」とか言ってくるあたりは、ご都合主義を軽く通り越して、もはや清々しい領域にたどり着いていましたね。しかも、こういうシーンの撮り方がうまいもんだから、素直に「かっちょえぇ〜!」とか思えてしまうんですよね。まにさベイ・マジックです。
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