ブルース・オールマイティ


もし一週間だけ神様になれるとしたら、あなたは何をしますか?

BRUCE ALMIGHTY
03年 アメリカ映画 101分

監督・製作:トム・シャドヤック
共同製作:ジム・キャリー
脚本:スティーブン・オーデカーク
撮影:ディーン・セムラー
音楽:ジョン・デブニー
出演:ジム・キャリー(ブルース)
    ジェニファー・アニストン(グレース)
    モーガン・フリーマン(神)
    リサ・アン・ウォルター(デビー)
    フィリップ・ベイカー・ホール(ジャック・ケラー)






<あらすじ>
ローカルテレビ局のレポーターを勤めるブルースは、「人を楽しませる才能」に富んだ、愉快なレポーターという立場にいるが、「近いうちにキャスターの座についてやる」という野心に燃えていた。
そこに、局の看板キャスターが降板するという事態が起こり、その後釜捜しが上層部で起こり始める。「きっと自分が新キャスターに採用される」と信じていたブルースだが、嫌みな同僚にその座をとられてしまうのだった。
怒ったブルースはレポートの本番中にカメラの前で暴言を吐いてしまい、クビにされてしまう。さらに、チンピラにからまれる乞食を助けようとして、チンピラ達から暴行されたり、車が事故ったりと散々な目に遭う。
これは、「神が自分を無視してるせいだ。神の職務怠慢だ」と考えたブルースは天に向かって神様をなじり始める。
そして、そんなブルースの前に本物の神様が現れ、自分の全ての能力を一週間限定で与え、自分はバカンスに行くと言い出す。
全知全能の神の力を授かったブルースは、さっそくその力を私利私欲の為に使い始めるのだった。



<見た後の個人的感想>
のび太、、、ではなくて、ブルース ついにハリウッドで製作されましたね、「実写版ドラえもん」!
とにかく、キャスティングが豪華でした。のび太役にジム・キャリー!ドラえもん役にモーガン・フリーマン!しずかちゃん役にジェニファー・アニストンという、超豪華な配役!

・・・あれ、この映画、「ドラえもん」の実写版というわけではなかったんですね?これは失礼しました・・・。

というボケを言いたくなるような内容のこの映画(笑)。ほんと、ジム・キャリー演じるブルースの行動は、ドラえもんから出してもらった道具を悪用しているのび太の姿がだぶって見えてしょうがなかったです。
ただ、ブルースはもしかしたらのび太よりもタチが悪いような気がしますね。何しろ、全て「自分の為だけに」力を使っていて、人助けに使おうという気配を全く見せなかったですからね。この、あまりの私利私欲への走りっぷりは、もはや見ていて気分が悪くなってくるぐらいです(笑)。
まあ、あくまでも「コメディ映画の中で起こってる事態だ」というのが前提なので、どのシーンも普通に笑いに繋がっているのが救いでしょうかね。あと、ブルース自身、自分にどの程度までやれる力があるのかよく分かっていないのか、何か大きな事をやろうとする時は「何かの映画の真似」という形で力を使っているように、映像的にはやたらと映える(何しろ、映画の真似ですからね)、見てて面白いものになってましたね。ただ、特撮がちょっとしょぼいのが難点ですが・・・。今時、二重映しが二重映しにしか見えないなんて珍しいぐらいです。

ゴッド・モーガン この映画のストーリーにおける笑いのツボは、「いきなり神様が現れて、ゴッド・パワーを授けてくれる」という所と、「主人公がその力をとてもくだらない事に使う」という点にあると思います。そして、主人公の力の無駄使いっぷりをジム・キャリーのコメディ演技で表現してるわけですね。
ですが、個人的にはこの映画のストーリー、そんなに楽しいわけではありませんでした。
「神様が出てくる」という点に関しては何も問題は無いんですが、問題はその力の使い方です。上でも書きましたが、ブルースはほんと、自分の為にだけしか力を使わないんです。私は「もし自分に超能力があったら、人助けに使ってみんなから感謝されたい」という考えを持ってるので(笑)、そういう展開を見たいなぁと望んでいたんですが、結局最後まで自分の為だけにしか使いませんでした。
さらに、ジム・キャリーのコメディ演技がかなり薄め抑え目(それでも、一般人に比べたらかなり高いテンションですが・笑)というのが痛いですね。しかも、この点こそ、私がこの映画に最も期待していた部分でもありましたし。

神様の役でモーガン・フリーマンが出ていますが、コメディ映画、しかもジム・キャリーと共演したらどうなるんだろう?と興味を持っていました。何せ、この人のコメディ演技は見た覚えがないですからね(過去にもコメディ映画への出演はありますが、多分、どれも見ていない)。
で、実際に見たわけですが・・・。もう、この人はどんな役でも出来るんだなというのが改めて分かりましたね。特別目立った演技をしてるわけでもないので、見てる間は特に「演技がうまい」とかどうとかは別に思わなかったんですが、見終わった後に確実に印象に残ってるんですよね。ただ「モーガンは演技がうまい」ではなく、映画の質自体も高めてる印象が残るんです。いやぁ、たいしたものですね。


ザ・ドッグ この映画、監督トム・シャドヤック、主演ジム・キャリーという、『ライアーライアー』と同じ面子で、その内容も、「神の力を授かった男」と「ウソをつくことが出来なくなった男」が、自分や周辺の人に混乱を撒き散らすという似たようなものになっています。
特殊な能力を持った男(“神の力”と“ウソがつけない”)の混乱をジム・キャリーのコメディ演技で見せ、ラストはその力によって自分が失いかけていたものを思いだし、愛する人の愛と許しを得る為に奔走する感動的なラスト、というところも似ています。
ですが、こと「コメディ」に対する比重は『ライアーライアー』と比べて相当軽くなってしまっています。理由は、上でも書きましたが、ジム・キャリーのコメディ演技がかなりおとなしくなってるせいです。確かに、ジム・キャリーならではな見せ場もあることはあるんですが、そこすら何となくパワーダウン感のあるコメディ演技になってるんですよね。
ですが、“笑い”の面はかなり寂しくなったものの、代わりにドラマ面への比重が増した事で、映画としてのバランスは良くなったのかもしれません。それに、「以前のジム・キャリーはアクが強すぎてダメだった」という人にとっては嬉しい変更点でしょうからね。全米では大ヒットした映画ですが、それもジムがアクを落としたコメディ演技をしているせいなのかもしれません。
ただ!話は戻りますが、これは個人的にはもの凄く残念な話です。以前の超ハイテンションのジムが好きだった私としては、「これだったら、この映画にジムをキャスティングする意味が無いじゃないか」という思いが凄くするんですよねぇ。むしろこの映画、ベン・スティラー辺りがやった方が絶対面白くなったと思います。少なくとも、以前との落差にガッカリする事も無いですからね。

なぜか、突如としてシリアス路線を好むようになってしまったジム・キャリー。でも、シリアス演技をやれる人はハリウッドにゴマンといますが、あの超絶百面相&ハイテンションコメディ演技が出来るのは世界でジム・キャリー一人ですからね。そんな、まさに神から授かった才能を自ら封印してしまうなんて、ほんと勿体ないです。 あの頃のジムの芸は、それこそ「何度見ても面白い」と思えるような、とんでもないレベルのものでしたが、今の、まるでドラマの邪魔にならないように薄められたコメディ演技では、せいぜい一回見た時ぐらいしか笑えないです。で、この映画、困った事に、面白いギャグシーンのほとんどが予告で使われてたんですよね。なので、本編を見た時の「見た目の面白さ」は半減に近いものがありました。

と言う訳で、「新年初笑い」を期待して元日に見に行ったこの映画、結局、期待外れという結果となってしまいました。その“期待”自体、『ライアーライアー』の半分ぐらい笑えればいい方と考えていたんですが、半分以下でした。むうぅ・・・!



<プログラム情報>
定価600円。全22ページ。プログラムサイズ“小”
・イントロダクション 1ページ
・ストーリー 2ページ
・プロダクショ・ノート4ページ
・むっくんこと小堺一機氏の解説
・おまけページ「神様タイプ診断」
(2択の質問に答えていって、自分はどのタイプかを占うというもの)



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