クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち


CRIMSON RIVER2 ANGELS OF THE APOCALYPSE
04年 フランス映画 100分

最後の審判の日、目覚めるのは神か悪魔か

監督:オリヴィエ・ダアン
脚本:リュック・ベッソン
出演:ジャン・レノ(ニーマンス)
    ブノワ・マジメル(レダ)
    クリストファー・リー(ヘメリッヒ)
    カミーユ・ナッタ(マリー)
    オーグスティン・ルグラン(イエス)
    セルジュ・リアブキン(ヴァンサン神父)
    アンドレ・ペンヴルン(ドミニク神父)







<あらすじ>
とある古い修道院で、壁に掲げられたキリスト像から血が流れ出す事件が起きた。この不思議な事件を担当する事となったニーマンスは、最新の科学技術捜査により、壁の中に死体が埋め込まれている事を発見するのだった。

一方、得意のカンフーで麻薬事件を解決した若手刑事レダは、車で走行中、突如飛び出してきた男を撥ねてしまう。その男はなぜかキリストの扮装をしているのだった。
病院に入院するキリストもどき。レダが様子を見に来ると、どこからか侵入してきた謎の僧侶が、その男を殺そうとしていた。逃走する僧侶を追いかけるレダだが、僧侶はヤマカシのような動きで逃げて行くのだった。

一方、壁の死体の捜査を続けるニーマンスは、その男が他の11人の仲間と共に“自称12人の使徒ズ”を結成していたのを突き止める。そして当然、その自称使徒の上には、親ビンの自称キリストがいるのだ。
そう、この自称キリストこそ、レダが撥ねたキリストもどきその人なのだ!そして、この自称キリスト連合を、謎の僧侶達が命を狙っているのだ。
こうして、二つの事件は一つに結ばれるのだった。ニーマンスはレダと合流し、さらに宗教学を専門とする刑事マリーが加わる。果たして、この謎の事件を解く事が出来るのか!?



<見た後の個人的感想>
謎の事件に挑む2人 この映画のタイトルを最初に聞いた時、邦題で勝手にシリーズにされてるタイプか、一部のスタッフが同じというだけで強引にシリーズにされてるタイプかのどっちかだと思ってしまいました。何しろ、前作は続編が作られるような映画だとは思わなかったですからね。
個人的に前作は、当時のサイコ・サスペンスブームに便乗して作られただけで、内容的にも『セブン』ほどよく出来ているわけでも面白いわけでもないという印象&位置付けの映画でした。
さらに私の場合、珍しく原作の方を先に読んでいた為、その原作の面白さの半分も活かせていない映画版にはちょっとガッカリしたものでした。
このように、あまりいい印象の無い映画に、今更続編が作られるとは驚きでした。サイコ・サスペンスブームも、とうに過ぎ去っているというのに。
しかも、上で予想したようなハッタリ続編ではなく、ちゃんとジャン・レノがニーマンス警視の役で出てくる、歴とした続編です。さらに脚本にリュック・ベッソンが参加したりと、何やら、やる気充分な感じです。もしかしたら、本国フランスでは前作は続編が作られてもおかしくないぐらいにヒットしてたんですかね。

さて、そんなわけで私は、この続編には大した期待は持っていませんでした。ビデオ待ちで充分だなと。
ですが、予告編で元気に飛び回る謎の僧侶達の姿を見た途端に、この映画に俄然興味が出て来ましたね。思えば、前作で唯一、良い印象の残ったシーンである、「本筋と無関係な(当然、原作には出てこない)カンフーシーン」。今回はこういった“アクションシーン”にさらに無駄に力が入れられてるのでは?と思ったのです。サイコ・サスペンスなのにアクションシーンに力が入れられてる映画なんて、夢があっていいじゃないですか。

レノ、後ろー! という期待を持って見に行ったところ、その内容はまさに期待通り(笑)。早速、序盤から本筋と関係無い格闘シーン(でも、しっかり見せ場として入れられてる)が出て来たり、例の凄い動きをする僧侶との体術を駆使した追跡劇など、アクションシーンのテンションの高さは、下手なアクション映画より上なぐらいです。

ストーリーは前作同様、別々の場所でそれぞれ違う事件の捜査をしていたジャン・レノと若手カンフー刑事(と言っても、格闘を披露するのは一回きり)が、捜査を進める内に二つの事件が一つに繋がって行く、というものです。
事件は、宗教の絡んだおどろおどろしい事件で、キリストのそっくりさんと、その使徒のそっくりさんが襲われるという、謎が謎を呼ぶ展開となっています。
ですが、この映画、“事件の捜査をサスペンスタッチで描きながら、合間にアクションシーンを挿入する”という手法ではなく、事件にしろアクションにしろ、ひたすらハッタリを積み重ねて、観客を視覚的に楽しませる、という手法で攻めてきました。
なので、謎解きの面白さなんて全然有りません。その捜査の進展具合はアクションメインの映画とさほど変わりがないぐらいのもので、死体が出て来たら次の段階に進むという感じです。“猟奇的な殺人”と“アクション”をただ繋ぎ合わせてるだけなんですよね。
凄い体術の僧侶が全力疾走し、若い刑事は犯人とカンフーで戦い、気味の悪いバラバラ死体がモレッと出て来たかと思うと、森の中から突如砲台が出現し、鬼のような銃撃で車大破。そういった出来事の間を真剣な顔でウロウロするジャン・レノ。
そんな映画なんです。

敵のボス どう思います?こんな映画。素晴らしいと思いませんか?(爆)これをエンターテイメントと言わずして、何がエンターテイメントか。さすがリュック・ベッソンの脚本です。これは皮肉で言ってるのではなく、本気で凄いと思ってます。
何が凄いって、思いっきり適当に処理されていく謎解き部分が、見ていて手抜きや欠点に思えないところです。この映画で呈示される“謎”は全て“ハッタリ”と言い換えた方がシックリ来るぐらいです。しかも、「ああ、全部ハッタリさ。だが文句あるか?」と開き直っているかのような、もはやある種の清々しさすら感じられるほどです。

ですが、上で書いたこの映画の概要を見て、私のように「素晴らしい」と感じる人もいれば、逆に「なんて酷い映画だ」思う方もいる事でしょう。この映画の長所であり面白い所は、そのまま欠点に直結してますからね。思いっきり適当に処理されていく謎解き部分が、見ていて手抜きや欠点にしか見えない人もいると思います。
だから、見た人の感想も、面白いかつまらないかにキレイに分かれる映画かもしれないです。
個人的には、ネタの出尽くした感のあるサイコ・サスペンス(と言うか、猟奇サスペンスか)の新たな可能性という感じがして大変好印象でしたね。



<プログラム情報>
・定価600円。全26ページ。プログラムサイズ“普通サイズより縦が短く横が長い”
・イントロダクション、ストーリー各1ページ
・映画の解説2種、それぞれ2ページ・1ページ
・ジャン・レノ、ブノワ・マジメル、カミーユ・ナッタのインタビュー&フィルモグラフィー各1ページ
・監督オリビエ・ダアン、製作アラン・ゴールドマンのインタビュー、合わせて2ページ
・『クリムゾンリバー2』を解くキーワード(劇中で出てくる専門用語の解説)2ページ


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