デイ・アフター・トゥモロー


THE DAY AFTER TOMORROW
04年 アメリカ映画 124分

あなたはその時どこにいますか

監督・製作・脚本・原案:ローランド・エメリッヒ
音楽:ハラルド・クルーサー
出演:デニス・クエイド(ジャック・ホール)
    ジェイク・ギレンホール(サム・ホール)
    エミー・ロッサム(ローラ・チャップマン)
    ダッシュ・ミホーク(ジェイソン・エヴァンス)
    ジェイ・O・サンダース(フランク・ハリス)
    セラ・ウォード(ルーシー・ホール医師)
    オースティン・ニコルズ(J.D.)
    アージェイ・スミス(ブライアン・パークス)
    タムリン・トミタ(ジャネット・タカダ)
    サーシャ・ロイス(パーカー)
    イアン・ホルム(テリー・ラプソン)
    ケネス・ウェルシュ(ベッカー副大統領)
    ネスター・セラーノ(ゴメス)
    ペリー・キング(ブレイク大統領)




<あらすじ>
アメリカ海洋大気管理局の研究員、ジャック・ホールは、南極で地球が温暖化してきている証拠を発見する。このままでは数十年か数百年後には急激な温暖化による気候変動で、地球に氷河期が訪れてしまうと予測されるのだ。
この事を地球温暖化会議で発表するが、あまり深刻に受け取ってもらえないのだった。

だが、事態は実はジャックの思ってた以上に深刻なところまで来ているのだった。世界各地で異常気象が発生し出したのだ。日本っぽいアジアの国では特大の雹が降り注ぎ、LAには複数の巨大竜巻が同時発生していた。
そして、ジャックの息子のサムが現在訪れているNYでは大津波が発生。何と、町が水没してしまうのだった。
異常気象が一段落すると、次はいよいよ氷河期の到来である。これにより、北半球は雪で覆われてしまうのだった。

そんな中、ジャックは息子の救出の為、雪に埋もれたNYに向かうのだった。



<見た後の個人的感想>
竜巻大発生! すでにパニック映画ブームも過ぎ去り、もはや地球規模の派手な大作はしばらく作ってもらえないと思っていたんですが、去年の『ザ・コア』といい、まだまだ定期的に新作が製作される人気ジャンルなんですね。
ですが、『ザ・コア』は、これまでに見た事があるような展開で、『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』といった先輩達と比べると明らかに劣る出来の映画でした。

そんな所で登場した、この『デイ・アフター・トゥモロー』。監督が、あの『インデペンテンス・デイ』のローランド・エメリッヒです。本来なら期待が持てるところですが、何しろあれから8年経ってますからね(もうそんなに経つんですねぇ・・・)。もしかしたら、あの時のような“娯楽魂”が失われて、手堅くまとまった映画になってしまってるかもしれない。『ザ・コア』みたいな中途半端な地球規模パニック映画になってるかもしれない。と、不安もありました。
それに、宇宙人も巨大イグアナも絡まない、自然災害パニックを描いたのは初めてでもありますからね。

そんな『デイ・アフター〜』を実際に見終わって、私の脳裏に真っ先に浮かんだ言葉。
「ここにまた一つ、傑作パニック超大作映画が現れた!!」
でした。

いやぁ、さすがエメリッヒ!娯楽大作映画のツボを心得まくってましたね。まさに、これこそ私が見たかった自然災害映画ですよ!
災害の規模が局地的、地球的に拘わらず、全パニック映画を含めた中でも間違いなく上位に来る傑作です。確かに『インデペンデンス・デイ』を初めて見た時ほどの興奮もインパクトも無かったですが、何しろ、私自身、あの頃のようにピュアではなくなってますし(爆)、この手の大掛かりな映像を見慣れてしまっているというのを差し引けば、同等の興奮とインパクトはあったと思いますね。あのレベルの映画を2回も撮れるなんて、やはりただ者ではありません。

今回地球を襲う災害は、地球温暖化による異常気象、そして氷河期です。温暖化したら砂漠化するんじゃないのかと思いがちですが、逆に寒くなるんですね。この辺のメカニズムは映画でも説明されてましたが、よく分かりませんでした(笑)。
(この映画に、ツナミ・サーフィンに興じるスネーク・プリスケンは出ていません) 映画の前半部分では、特大雹の落下やハリケーン、竜巻、大津波といった天変地異が描かれ、後半では凍りついたニューヨークの図書館を舞台にドラマが展開されていきます。
要するに、『フローズン・インパクト』+『ウインド・フォール』+『ツイスター』+『ディープ・インパクト』+『グランド・クロス』なわけです。まさに豪華絢爛。
B級映画はまあさておき、『ツイスター』や『ディープ・インパクト』といった大作映画で描かれた竜巻の映像や大津波の映像。それらを過去に映像体験してる今の観客にもまたさらなる驚きを与えてくれる大迫力映像!
こういった自然災害が町を破壊する様は迫力満点なCG映像で描くわけですが、これをただCGに頼り切った映像を出すだけでは『ザ・コア』や『アルマゲドン』のそれと変わりません。娯楽映画のツボを心得てるエメリッヒはそんな手抜きなパニックシーンの演出なんてしません。
ではどんな演出を見せているのかというと、何だか単純な話ですが、その災害に、今まさに巻き込まれている人の目線で災害を描写するシーンを盛り込んでいるんです。
いや、確かに、それはこれまでのパニック映画でも使っていた手段ではありました。ですが、こういった“地球規模パニック”ではそんなに効果的に使われてきてはいなかったと思うんです。
『デイ・アフター〜』の場合、災害の全景を映すより、むしろこの、“人の目線”での描写が目立ってるんですよね。災害そのものより、災害を前にして驚く人の演技で災害の迫力を出そうとしているかのようなんです。これにより、まるで見てる自分もその場にいるかのような臨場感というのが感じられるんですよね。
ただ、それだけではやっぱり迫力不足です。という訳で、当然、最新CG技術による大スペクタクルシーンもしっかり挿入されてきます。
思えば、『インデペンデンス・デイ』の円盤ビームによる都市破壊パニックシーンでもこの演出は使われていました。そして、この映画以降の大型パニック映画を初めて劇場で見た時、凄い災害シーンが出て来てるのに、どうも『インデペンデンス・デイ』ほどの興奮が得られないなと思っていたんですが、他の映画にはこの「臨場感」と「迫力」のどっちかが欠けてるパニックシーンが多かったんですよね。
凄いのは、この『デイ・アフター〜』には、この災害シーンにしか出てこない登場人物が結構いるところですよ。メインの登場人物以外で、セリフがあったり名前があったり、アップのシーンが多かったりするような人々がこの前半部分に数人用意されてるんです。それもこれも、災害シーンを盛り上げる為だけにですよ。要するに、『アルマゲドン』のオープニングに出て来た、犬を連れた黒人みたいなキャラですね(ただ、こいつは災害シーンを盛り上げる役に立って無かったですが・笑)。

前半は登場人物がかなり多く感じられるんですが、映画が進む毎にどんどん整理されて少なくなっていき、最終的には数える程度しか残りません。実は、一見登場人物が多そうに見えて、主要なキャラはあんまり多くないんですよね。 登場人物も少なくなり、災害も起こらなくなった後半の展開は、怒涛の前半に比べると確かにおとなしめではあります。あれだけ色々な災害が出て来ましたが、最終的な障害は“寒さ”のみになるんです。この“寒さ”からのサバイバルが中心の展開になるわけですが、きちんと、常にエンターテイメントを忘れない展開になっているので、特にダレる事なく楽しむ事が出来ます。
映像自体は地味になりますが、“一面雪に覆われた大都市”というのは、地味ながらも珍しい映像ではあります。主人公演じるデニス・クエイドがこの雪の中を行軍していくくだりがありますが、今自分が何の上を歩いているのか分からないというのは面白くもあり怖い状況でもありますね。


氷河期到来! さて。このようにパニック映画として本当によく出来ている映画ではありますが、“後発としての捻り”だとか“新鮮な驚き”といったものは無いんですよね。
「主人公の職業が、襲い来る災害に詳しい学者だ」とか「危機を警告するが信じてもらえない」、「犬が生き残る」といったお約束に溢れた、いわゆる正統派な映画です。
個人的には、パニック映画の決定版的作りのこの映画には大満足でしたが、中には新鮮味が無い点が気に入らない人もいるかもしれないですね。

また、パニック映画には、スターを一人据えて、その人が引っ張って行くタイプのものと、ノー・スターで作って、誰が頼りになる奴で誰が生き残るのかを不明確にしておくタイプのものがあります。
この映画は後者ですが、やや前者寄りでもありますね。
主演はデニス・クエイドで、決してスターという位置にはいない人ですが、「主演なら活躍するんだろう」というのが予想出来る位置にはいる人です。
さらに、演じるキャラクターが、もう序盤の段階から「極地で、氷の裂け目を大ジャンプで飛び越える」という技を披露してましたからね。これで、「この映画の主人公はマッチョヒーロータイプだ」というのを宣言してるようなものです。
個人的に、パニック映画の主役は頼もしい方が見てて燃えるので、嬉しいオープニングでした(笑)。



<プログラム情報>
・定価600円。22ページ。プログラムサイズ“普通”
・イントロダクション・ストーリー合わせて2ページ
・監督ローランド・エメリッヒは語る1ページ
・プロデューサー、マーク・ゴードンは語る&脚本ジェフリー・ナクマノフは語る、合わせて1ページ
・実際に気候変動が起こった際に考えられる、各国の被害2ページ
・映画と温暖化の解説2ページ
・プロダクション・ノート2ページ
・ポスター集2ページ


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(下の方にネタバレ有りの感想があります)
















ラストシーンには泣かせてもらいましたねぇ。
映画館で映画を見るときは、感動しても涙を堪えてしまう私ですが、もう我慢出来ずにボロンといくぐらい感動しました。
まず、父と息子の再会シーンでグッときましたが、ラストショットの一歩手前、ヘリで飛ぶデニス達が下を見下ろすと、ビルの上に生き残った人々が姿を現していたというシーンを見た瞬間、感極まってしまいましたね。
多分、普通は泣くまでいくようなシーンではないと思うんですよ。ハリウッド的なハッピーエンドというだけで。
ですが、まず、あんなに生き残った人がいたという事実がこの上なく嬉しかった事と、その人々がいる各ビルの内部でも、図書館で起こってたような色んなドラマがあったんだろうなと思うと、どうしようもなく感動してしまったんですよね。きっと、あの各ビル、それぞれにヒーローがいたり、生き残る事が出来なかった人がいたりもしたんでしょう。
映画では全く触れられてなく、生存者達はラストに唐突に現れたわけですが、それでもここまで想像し、感動出来たのは、映画全体がしっかりと作られていたからですよね。大災害と、その中で必死にサバイバルする人々の姿をしっかり描いてきていたからこそ、あのワンシーンから「それぞれのドラマ」を想像させるに至ったのだと思います。



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