チャーリーと14人のキッズ


<DADDY DAY CARE>
03年 アメリカ映画 92分

保育士チャーリー/キッズにお手上げ

監督:スティーブ・カー
出演:エディ・マーフィ(チャーリー・ヒントン)
    ジェフ・ガーリン(フィル)
    スティーブ・ザーン(マーヴィン)
    レジーナ・キング(キム・ヒントン)
    アンジェリカ・ヒューストン(グウィネス・ハリダン)
    カーマニ・グリフィン(”アーティスト”ベン・ヒントン)
    マックス・バークホルダー(”オムツ・ベイビー”マックス)
    アーサー・ヤング(”クリンゴン”ニッキー)
    エル・ファニング(”プチ・セレブ”ジェイミー)
    シーザー・フロアズ(”グルメ・ボーイ”ショーン)
    ヘイリー・ジョンソン(”見習い教授”ベッカ)
    フェリックス・アキル(”財テク名人”ディラン)
    シェーン・パウメル(”リトル・ギャング”クリスピン)
    ジミー・ベネット(”コスプレ・マニア”トニー)




<あらすじ>
食品会社の自然食品部門に勤務するサラリーマンのチャーリーは、野菜嫌いの子供向けのシリアル”ベジー・オーズ”を開発するが、「こんなの売れない」と上層部に判断され、製作は中止。さらに、そのついでに自然食品部門自体が無くなり、チャーリー達はリストラされてしまうのだった。
かくして無職となったチャーリーは、働きに出た妻の代わりに、一人息子のベンの相手をしながら一日を過ごす事となる。

ある日、昼間から仕事もせずに子供を連れて公園に入り浸る日々に嫌気がさしたチャーリーは、「何か仕事は無いものか」と考える。そして、近所の主婦の「この町にまともな保育施設がほとんど無い」という言葉で、ある事業を思いつく。
そして、一緒にリストラされた友人のフィルと共に、自分の家を保育所として使う“パパによる保育園”「ダディ・デイケア」をやり始める事となったのだ。

集まって来たやんちゃ坊主達に手を焼く二人だが、もともと「明るく楽しいヤツ」である二人に子供達はなつき、どうにか保育所としての役目を果たす事が出来た。
だが、少しづつ園児をダディ・デイケアに取られていっている、町一番の英才保育所「チャップマン学園」の経営者、ミス・グウィネス・ハリダンが邪魔をしてくるのだった。



<見た後の個人的感想>
エディ・マーフィ主演のファミリー向けコメディ映画です。「会社をリストラされ、主夫業をさせられている男達が、保育士として奮闘する」という内容で、どちらかと言うと、エディよりはロビン・ウィアムズあたりが似合いそうなコメディという感じがしますが(と言うか、10年前なら間違いなくロビンに話が行った事でしょう・笑)、いやはや、さすが天才コメディアンだけあってエディもこのチャーリー役を見事にこなしていました。
感じとしては、『ドクター・ドリトル』みたいな雰囲気の映画ですね。あの映画の“動物”を“キッズ”に置き換えたような感じです。『ドリトル』は、動物に振り回されるエディの姿が面白かったりしましたが、この映画では子供達に振り回されるエディが見られます。
実は、個人的に「子供がいっぱい出てくるような映画」は得意じゃないので、当初はビデオ待ちにする予定の映画でした。でも、ちょうど私に“エディ・ブーム”が来てしまった為に劇場で見る事となったのですが、そんな私が見てもかなり楽しめる映画でしたね。
なぜかと言うと、子供達はあくまで脇役で、ストーリーはエディ演じるチャーリーの目線のみで語られるんです。実のところ、『ドリトル』の動物よりも扱いが小さいぐらいです。
なので、ファミリー映画ですが、「子供向け」という感じはほとんど無い映画なんですよね。むしろ、子供よりも大人が見た方が全然楽しいと思います。

ストーリー展開は、「実際にはこんなにうまくいくはずないな」と思うぐらい、本来起こるべきトラブルが起こらないまま進んで行きます。でも、それが映画の欠点にはなってないんです。なぜなら、これが「ファミリー向けコメディ映画」だからです(笑)。むしろ、面白いように事がうまく運んで行く所が、見てて実際に面白かったりするわけです。
また、「ヒューマン・コメディ」というわけではないので、ドラマ的な要素もほとんどありません。終盤にちょこっと顔を出す程度で、基本的には見てて楽しくて笑える展開が続く事となります。
要するに、個人的にコメディ映画に不要と思う要素がほとんど無いんですよね。なので、「自分の期待と違う方向に話が進んだ」というような箇所が無く、最初から最後まで楽しく見ることが出来ました。

この映画の笑いのツボは、本来はあまり男達がやらない「子供の世話」を男達が必死にやっている、という所にあると思われます。他の映画では『スリーメン&ベビー』みたいな感じでしょうか。「一般的に男があまりやらない職業」という点では『フルモンティ』っぽいところもあるかもしれません。
ストーリーに関する笑いのツボが上に書いた事なら、見た目に関する笑いのツボは、子供達の奇行に大人達が振り回される様にあると思います。なので、色々な奇行に対して、それぞれどんなリアクションをしてくれるかがポイントになるわけです。そこを、エディと共演のジェフ・ガーリンの二人はまさに期待通りのリアクションの数々を見せて笑わせてくれました。

ちなみに、子供達個人個人にも、それぞれ個性的な性格設定がなされているんですが(14人の中には名前すら無いのもいますが・笑)、それがストーリーに活かされてる例はほとんど無いです(全く無いわけじゃないですが)。その場限りのギャグで使われるのがほとんどですね。それも「ただ個性的なお子様達がやりたい放題暴れてるだけ」なので、ただそれだけ見せられても別に面白くはならないと思います。ですが、そういった子供達の御無体に見事なリアクションで返すエディ達のコメディ演技がもう見ててたまらなく面白いです。



<キャストについて>
この映画を見に行こうかどうか迷っていた理由の一つに、「エディがマシンガン・トークを使わない」というのがありました。でも、この人の魅力は喋りだけじゃないんだという事を改めて思い知らされましたね。特に笑いをとりに来てるシーンでの表情が面白いんですよね。笑顔から驚き、怒りなどの色々な表情の全てが「見てて分かりやすい」んです。もう、顔全体でその表情を表現してるというんでしょうか。
それに、ギャグシーン以外の、普通にストーリーを進ませる時のシーンでの演技や佇まいが凄く自然な感じがするんですよね。コメディアンとして超一流だという事は知ってましたが、演技者としても一流なんじゃないのかと思うようになってきました(笑)。

フィル役のジェフ・ガーリンはこの映画で初めて見ましたが、何か初めて見る気がしないです。何しろ、しばらくの間はジョン・グッドマンかと思ってましたからね(笑)。要するに、そういう体型の人です。
割と怖そうな顔をしてるんですが、フィル自体はとってもイイ奴という事で、そのギャップも見てて面白かったりしましたね。

もう一人の保育士マーヴィン役のスティーブ・ザーンも、「オタッキーないい人」という難役(?)を見事にこなしていました。
そして、この3人はいいトリオでしたねぇ。ほんと、見てて楽しかったです。何もギャグとかが出て無いシーンですら、なんとなく楽しい感じがありました。

ところで、この映画のキッズの中に、この映画と同日公開の『コール』に出演している名子役ダコタ・ファニングの妹が出ています。ちなみに、この妹の方も『アイ・アム・サム』に出演していて、「2歳10ヶ月のルーシー役」をやっていたそうです。
それにしても、「名子役」と呼ばれる子供は、なぜかその兄弟姉妹も後に子役で出て来ますね。なんでだろ。



<プログラムについて>
定価600円。ファミリー映画という事で、中身もカラフルで楽しげな感じになっています。カラーページが半分ぐらいしかないんですが、カラーじゃないページも白黒ではなく、白赤になってます。
エディ、ジェフ・ガーリン、スティーブン・ザーン、アンジェリカ・ヒューストン、監督のスティーブ・カー、製作のジョン・デイビスの短いインタビューとみのわあつお氏による解説、プロダクションノートといった読み物があるんですが、その内容がほとんど「製作秘話」に関するものでした。
また、主要キッズ9人のキャラ紹介&一言インタビューもあり。



<画像の下より、ネタバレ有りの感想>

僕らのエディ  保育士達とキッズ  寸劇“ニンジンVSブロッコリー”



この映画での敵キャラである、チャップマン学園のミス・ハリダン。こいつが嫌がらせの為に児童福祉局の局員をダディ・デイケアによこすんですが、ここでやってきた局員が“いい人”というのがいいですね。後半には「子供たちの前で人形劇を見せる」なんて見せ場も用意されていましたね。子供達に大ウケでしたが、見てる私にとっても大ウケでした(笑)。
この児童福祉局員やスタートレックオタクの保育士マーヴィンなどの脇役陣が、ミス・ハリダン以外はみんないい人というのも、見てて好印象でした。そして悪者には最後に、この映画のカラーに見合ったレベルのお仕置きも出て来ますし。
もう、全ての要素が「平和で楽しい感じ」を出させる為に機能しているかのようです。
ただ、一点だけ「おや?」と思う箇所がありました。それは、終盤でチャーリーが一度、高い給料に釣られて保育所を辞めて会社に戻ってしまうところです。何か「お前のダディ・デイケアにかける情熱はそんな程度のものだったのか!?」と思ってしまいました。主人公の心の葛藤を表現するという、この手の映画ではよくあるストーリー展開だと思うんですが、それまでかなりダディ・デイケアの為に頑張って突っ走って来た男が、なぜそんなアッサリと?と、このチャーリーの行動には腑に落ちないものを感じてしまいました。



<エンディングについて>
エンドクレジットでは、NGシーンが流されました。最近はジャッキーだけでなく、エディやジム・キャリーの映画なんかでも最後にNGシーンを出すようになりましたね。
ちなみに、『シャンハイ・ナイト』の感想で「こんな事あるわけない」というような事を言っていた、「携帯電話ネタ」がここでも出て来ました。これは、撮影現場ではよくある話なのか、それとも向こうで通じるネタの一種なのか・・・。



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