ドリームキャッチャー


ドリームキャッチャー

DREAMCATCHER
03年 アメリカ映画 135分

監督・共同脚本・共同製作:ローレンス・カスダン
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:トーマス・ジェーン(ヘンリー)
    ダミアン・ルイス(ジョーンジー)
    ティモシー・オリファント(ピート)
    ジェイソン・リー(ビーヴァー)
    モーガン・フリーマン(エイブラハム・カーティス大佐)
    トム・サイズモア(オーウェン)
    ドニー・ウォールバーグ(ダディッツ)

 
 
 
 

<あらすじ>
少年時代から交友関係を続けている4人、ヘンリーとジョーンジーとピートとビーヴァー。普段は電話で連絡をとりあうだけだが、毎年一回、山小屋に集まって旧交を温め合っていた。そして、今年もその季節がやってきた。
実は、4人は昔、ある人物から“ギフト”を授けられていた。それは超能力のようなもので、ヘンリーは相手の考えている事が分かるテレパシー能力を、ジョーンジーはどんなささいな事でも忘れない“記憶の保管庫”を、ピートは探したい対象までの道筋が分かる力を、ビーヴァーは不吉な事が起こるのを“なんとなく”感じられる能力といった具合だった。

ヘンリーとピートの二人は車でビールを買いに行き、ジョーンジーとビーヴァーは小屋の近くで狩りをしていた。そんな時、ジョーンジーの前にフラフラと歩く男の姿が目に入る。彼は仲間とはぐれた遭難者なのだが、顔にアザのような痕があり、腹が異様に膨れていた。
彼を小屋に連れて行くが、ゲップや屁を連発したりと、とっても調子が悪そうで、まるで、何かの病原菌にやられているかのようだった。
そしてこれが、これから始まる悪夢の始まりなのだった・・・。

<見た後の個人的感想>
スティーブン・キング原作の映画化で、ホラー系の物はよく失敗する事が多いです。そんな中、原作者本人に「これは映画化されたわたしの作品の中で真に成功した初めてのホラー・サスペンスだ」と言わしめた映画です。
確かに、もしこの映画に「スティーブン・キング原作」という肩書きが無くても、一本の新作ホラーとして売れるぐらいの完成度の映画だと思います。

とにかく、ストーリーが二転三転するんです。この先どんな展開になるのかが全然読めない、ストーリーを追うだけでも楽しい映画でした。特に、私はこの映画をほとんど何の予備知識も無い状態で見たため(予告編とテレビスポットは見ましたが)、余計に楽しめたのかもしれないです。

ただ、そのストーリー自体が、恐らく賛否両論あるような話だったりするんですけどね。すでに原作が出てる割に、これがどんな内容の話なのかが全然宣伝等されてないのは、否定派が多く出ると予想しての事なんだろうか(笑)。この映画のストーリーを楽しめる人には良い宣伝法でしたが、そうじゃない人には「ふざけるな」という感じですかね。
特に、スティーブン・キングを“「ショーシャンクの空に」や「スタンド・バイ・ミー」を書いたホラー作家”と認識してる人はガッカリするかもしれないです。まさに、違う意味で「見た事を後悔する」事になるかもしれないでしょう(笑)。
でも、キングを“ホラー作家の他に、「地獄のデビルトラック」の監督もしてたな。あれはあれで面白い映画だった”と認識してる人にとっては、全く問題無い映画だと思います(笑)。いや、この「ドリームキャッチャー」が馬鹿映画だと言ってるわけではありませんよ、念のため。
ただ、ストーリー自体は、「なぜか無人のトラックが人を襲う」だとか「圧搾機が自らの意思で動いて人を殺す」とか、「裏庭を掘ったら円盤が出て来た」といった、「なんだそりゃ?」系の話ではあります。
では、この「ドリームキャッチャー」がそういった他のキング原作ホラー映画よりもよく出来ているのは何が原因かと言うと、多分、制作費です(笑)。でも、冗談ではなく、「地獄のデビルトラック」「マングラー」「トミーノッカーズ」から「地下室の悪夢」「ナイトフライヤー」にいたるまで、これまでの映画は大抵がB級の映画でした(予算が少ない映画という意味の)。
ですが、この映画はかなり金の掛けられたA級映画です。出演者も豪華なら、劇中にはかなり派手なシーンも出てきましたし、オープニングのクレジットも凝ってました。
見た目が派手だと「何となく面白い」ような感じになりますし、A級映画に出てる一線級の俳優が出演してれば、例えつまらないストーリーの映画だったとしても、俳優のパワーでそれなりに面白くしてしまう事も出来ます。
なので、今までの「失敗した」と言われてるキング原作ホラーとはちょっと比べられないような恵まれた製作環境にあったわけなんですね。

<キャストについて>
事件に関わる4人の仲間たちの中で、私が知ってたのはヘンリー役のトーマス・ジェーンだけでした。もちろん、「ディープ・ブルー」で見て知っていたんですが(笑)。
この4人のキャスティングは割と地味ですが、軍人役で出て来る二人、モーガン・フリーマンとトム・サイズモアはかなり豪華な組み合わせです。特に、こんな映画でもトム・サイズモアの軍人役が見れるとは、まさに棚から牡丹餅です(笑)。モーガンの役どころもかなり意外性があって面白いです。
そして、物語の鍵を握る人物ダディッツを演じるドニー・ウォールバーグは、なんとマーク・ウォールバーグの実の兄らしいです。

<プログラムについて>
定価600円。一見、そこそこ厚そうに見えますが、最初の数ページは写真ばっかりという上げ底仕様です。
後半は、主要キャストのインタビュー&フィルモグラフィーと製作秘話、製作会社キャッスル・ロックの解説等。特に、製作秘話はかなり読み応えのある量でした。


<画像の下より、内容について(注・ネタバレ有り)>
<今回は「ドリームキャッチャー」の他「サイン」のネタバレもあります。ご注意ください>

現在の4人 昔の5人 団欒 ヘンリー ピート ジョーンジー ビーヴァー サイズモア バッド・モーガン


この映画を見てる時、最初に宇宙人が姿を現した時はビックリしましたね。見てて「おおっ!そう来るのかぁ!(喜)」という感じでしたから(笑)。
あのデッドリースポーンが小さくなったような怪物もとっても素敵でした。口の中の歯の並び具合はちょっとランゴリアーズっぽくもある感じでしたね。
さらに、一番驚いたのは、軍によるエイリアン掃討作戦のシーンです。武装ヘリでエイリアンに向けて射撃!さらに円盤の自爆!まさかこんな派手なアクションシーンが出て来るとは思わなかったです。

この映画、原作は4巻もある大長編みたいですね。まるで「イットPART2」といった感じですかね。でも、この映画を見て真っ先に頭に浮かんだのは、去年公開のM・ナイト・シャマラン監督の「サイン」でしたね。特に、宇宙人が実際にその姿を現した時点で、違う意味で「うわっ、出た!」となる辺りが(笑)。
あと、昔のダディッツの言動が、後のエイリアンの侵略を暗示してたという展開は、まさに「サイン」的です。ダディッツに授けてもらった超能力も、宇宙人の侵略に対抗する為のものだったようですしね。

ただ、「サイン」を思い出しはしたものの、やっぱり中身は全然別物の映画になってますね。敵となるエイリアン自体も、「ドリームキャッチャー」の方は、デッドリースポーンのような怪物が出てきたり、宇宙人がデカい口で人をパックリ行くシーンが出てきたりと、結構凶暴で手強いです。水で怯むというシンジェノアみたいな弱点を持つザコ宇宙人とは違うようです(笑)。
それに、少年達の友情の話や超能力の話、軍の攻撃によるアクションシーンなど、ちょっとごった煮的な作りになってますね。でも、それらの要素をかなりうまくまとめ上げてると思います。
「一本のホラー映画の中で、展開によってジャンル自体が変わったように見える」ような感じがあるんですが、これは私の大好きな映画「さまよう魂たち」でも感じられたものでした。ただ、裏を返せば、「一本芯が通ってない作り」とも言えるので、この辺も賛否分かれるところでしょうかね。
でも、私はこういう映画は好きです。展開が次々に変わって、先の読めない楽しさがあるからです。それに、ホラーシーン、アクションシーン、ドラマシーン、それぞれで印象に残る場面がちゃんとあったのも良かったですね。
ホラーシーンで印象に残ったのは、やっぱり中盤のバスルームの辺りですね。さすがに、この手の映画を見慣れてるせいで「怖い!」とはあんまり思わなかったんですが、「ドキドキする」し「見てて面白い」シーンではありました。ビーヴァーが爪楊枝を取ろうとする所はちょっとしつこかったですが(笑)。
それに、ここでまさにジャンルが一変する瞬間でもあるので、映画的にも重要なシーンです。
アクションシーンでは、先にも書きましたが、ヘリでのエイリアン掃討シーンですね。ただ、映像も凄いし演出もいい、本来なら興奮必至のアクションシーンのはずなんですが、まさかこんなシーンが出るとは思ってなくて心の準備が出来てなかったせいか、見ていてあんまり燃えなかったんですけどね。それでも、印象はしっかり残ってるシーンでした。
ドラマシーンでは、少年時代のエピソードの、4人で力を合わせてダディッツを救出するところが良かったですね。それにしても、この4人はほんと、みんないい子でしたねぇ。あの清々しいまでの正義感!素晴らしいですね。あんな過去を見させられたら、全員に生き残ってほしかったと思わずにはいられません。

ところで、ダディッツから授けられた超能力ですが、ピートの“探し物を見つけられる能力”が一番便利そうでしたね。あれは私も欲しいです。いや、昔から物忘れの激しい質なので、ジョーンジーの“記憶の保管庫”もいいかも。忘れてしまいたい記憶もずっと残ってるってのは厄介ですが・・・。
ただ、エイリアンと対決するにあたって、一番役に立ったのはヘンリーのテレパシー能力でしたけどね。結局、他の人の能力は対エイリアンで何か役に立ったんですかね?確か「この能力はこの時の為に授けられたんだ」みたいな話が出てたような気がしたんですが・・・。

そうそう、この映画の意外な点の一つとして、「モーガン・フリーマンが悪役」というのを忘れてはいけませんね。たまに、「半悪役」みたいなのはやる時がありましたが(「チェーン・リアクション」や「フラッド」、「アウトブレイク」など)、この映画では完全な悪役でしたからね。
で、それが似合ってたかどうかですが、さすがこのレベルになるともう何でも出来るんだな、という感じでしたね。“悪役を演じている”というよりも、“演じたカーティス大佐という男が、たまたま悪い奴だった”という印象でしたね。「どう違うんだ」と言われたら、困るしかないんですが(笑)。
そんなモーガン=カーティスがヘリコプターで攻撃してくるのを、拳銃一丁で立ち向かうトム・サイズモアの戦いを描いたラストのアクションシーンは、むしろ神秘的ですらありましたね(謎)。

<エンディングについて>
エンドクレジットではジェームズ・ニュートン・ハワードによるスコアが流れました。面白いことに、音楽も「サイン」と同じ人なんですね。そして、曲の感じが全然違うところが凄いです。どっちも、その映画に合ったテーマ曲になってるんですよね。さすがプロです(個人的には「サイン」の曲の方が好きですが)。

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