撃鉄 GEKITETZ−ワルシャワの標的−


THE FOREIGNER

THE FOREIGNER
02年 アメリカ映画 95分

監督:マイケル・エブロウィッツ
共同製作:スティーブン・セガール
出演:スティーブン・セガール(ジョナサン・コールド)
    アンナ・ルイーズ・プロウマン(メレディス)
    マックス・ライアン(デュノワ)
    ジェフリー・ピアース(ショーン・コールド)
    シャーマン・オーガスタス(ミムズ)
    ゲイリー・レイモンド(オリファント)
    ハリー・ヴァン・ゴーカム(ヴァン・エイカン)








<あらすじ>
雇われ諜報員のジョナサンの元に、ある人物に小包を運んでほしいという依頼が来た。だが、相棒として同行していた男が二重三重のスパイだったり、殺し屋が次々襲ってきたりと、厄介な事態が頻発するのだった。
しかし、ジョナサンは得意のセガール拳で、降りかかる火の粉を“払う”どころか“粉砕”していくのだった。



<見た後の個人的感想>
もう、とにかくストーリーが難しいです。入り組みまくっていてわけが分かりません。
何がややこしいのかと言うと、「陰謀を企ててる人物」が一人じゃないんですよね。しかも、それぞれが殺し屋を雇ったりしていて、もう誰が誰に雇われたのかもこんがらがってくるし、結局のところ誰が何をしたいのかも分からなくなってきます。
さらに、「自分に都合のいいように雇い主を変えていく」という、二重スパイならぬ、“複数重スパイ”デュノワの存在は、この映画のストーリーをややこしくするのに一役も二役もかってますね。

でも、このあまりのこんがらがりようは、むしろパズルみたいな感じで面白くもありますね。「新感覚パズルアクション!」といった感じでしょうか(何だそりゃ)。ただ、この脚本、ちゃんと話の辻褄が合ってるのかどうか疑わしいところではあるんですが(笑)。
これで、ただ話が難しいだけのパズルアクション映画(まだ言うか・笑)だったら、まあさして面白くも無い映画、という印象になるでしょう。ですが、この『撃鉄』はセガール主演作です。ストーリーの合間に挿入されるアクションシーンでは、セガール拳が大炸裂します。しかも、その破壊力は最近の主演作の中でもかなり高いです。また、アクションの見せ方も、「セガール拳の破壊力を前面に出した映し方」といった感じの演出になってるように感じられて、これも最近の主演作の中でも良い方でした。

この映画でのセガールはフリーのエージェントという、『RONIN』のデ・ニーロと似たような感じの役どころです。あの映画でも、関係無い一般市民が銃撃戦に巻き込まれて何人か死んでましたが、この映画でも一般人が死にまくってました。
それも、激しい銃撃戦に巻き込まれて死んでるのではなく、デュノワとミムズ、この二人の殺し屋がそれぞれ行く先々で出合った人達を意味も無く殺して回ってるんです。
この、あまりの民間人の殺しっぷりは、プロの殺し屋の仕事というよりも、頭のおかしい殺人鬼の仕事みたいです(笑)。
さらにセガールも負けじと、駅を爆破したりしてました。さすがに豪快です(でも、あんまり駅に見えない建物なんですが)。ちなみに、予告編で派手に爆発してるのがこの駅です。とても爆弾一個による爆破には見えない吹っ飛び方をしてます。さすがはセガールが仕掛けた爆弾、といったところでしょうか(セガール拳ならぬセガール爆弾・笑)。

ところで、主人公の元に次々殺し屋が襲ってくるという展開は『ボーン・アイデンティティー』みたいでいいですね。それに、舞台がヨーロッパというのも何か共通してるような感じです。
マット・デイモンは襲ってくる敵に対して“カリ”で応戦してましたが、セガールは地上最強の拳“セガール拳”で応戦してましたね(笑)。もう、セガール拳の前では、殺し屋もただのザコも変わらないですね。あと、接近戦だけじゃなく、銃撃戦でもほぼ百発百中の腕前を見せてましたね。さすが、無敵度合いが半端じゃないです。



<画像の下より、ネタバレ有りの感想>

無敵の男セガール 銃を構えるセガール 敵に狙いをつけるデュノワ
メレディス  燃えるザコ。さらにこの後セガールに蹴られる  右上の画像の続き


「いったい、この映画はどういうストーリーだったのか」というのは、公式サイトに出てるストーリーと「陰謀の相関図」というのを見てようやく分かるようなもので、とても映画を見てるだけでは理解出来なかったです。

では、公式サイトを参照しながら、それぞれの登場人物が誰を雇って何をしようとしていたのかをちょっとまとめてみました。

●ヴァン・エイカン
 密かに化学兵器工場を建設。それを暴露しようとしたステファンを飛行機事故に見せかけて殺害。これらはオリファントと共謀。
飛行機事故の証拠の入ってる小包を回収するため、マルケとデュノワを雇う。
●オリファント
 小包回収にデュノワを雇い、コールドも仲間に引き入れようと画策。それが失敗したので、殺し屋のミムズを雇ってコールドにけしかける。
●マルケ
 小包回収をコールドとデュノワに依頼。その前には、なぜかオリファントに内緒で、謎の運び屋を使って小包を運ばせようとしていた。
●メレディス
 ステファンと愛人関係にあった。小包奪回をコールドとデュノワに依頼。また、コールドから偽の小包を渡された際、謎の殺し屋をコールドにけしかけた。
●デュノワ
 こいつも殺し屋を雇っていて(顔に傷のあるデンマーク人)、マルケの叔母の家とメレディス母娘が隠れていた小屋を襲撃した。

・・・いやぁ、込み入ってますねぇ。一個の小包にこれだけの人物が係わったら、そりゃややこしくもなります。
それにしても、この問題の小包は誰が作ったんでしょう?公式サイトの「陰謀の相関図」によると、ステファンがメレディスに遺した、という事になってますが、自分の乗ってる飛行機の事故の証拠をどうやって小包にしたんでしょうね?
この辺の謎はDVDが出たら見直さないとならないですね。あと、それぞれの登場人物の“目的”と“とった行動”は合致しているか、という点も注意して見たいところです。ここまで入り組んでると、中には目的に添わない変な行動をしてる奴とかもまぎれてそうです(特にデュノワあたり怪しそう)。

それにしても、「陰謀の相関図」に載ってる9人の主要キャラのうち、生き残るのが二人だけってのも凄いですね。何と言うか、さすがセガール映画と言った感じでしょうか。小賢しい陰謀など全て鉄拳で解決という精神が素晴らしいです(笑)。まあ、セガールだけじゃなくて、デュノワも殺しまくってたせいというのもあるんですけどね。
このデュノワという男は、この映画のキー・マンと言ってもいい存在でしたね。こいつがいなければもう少しスッキリした話になったでしょうし、逆に言うと普通の陰謀物の話になってしまった可能性もあります。
ところで、こいつはもう一人の殺し屋、ミムズとモーテルで鉢合わせるシーンがありましたが、この時点では二人ともオリファントに雇われて、コールドから小包を奪回するという任務を受けている、共通の目的を持った仲間であるはずなのに、なんで殺し合いになったんでしょうね?それとも、ミムズはオリファントから「デュノワ殺害」の任務も受けていたんでしたっけ?う〜む、次に見る時はここも注意して見ないといけないですね。
そもそも、デュノワが主要キャラ4人から別々に雇われているというのが問題なんですけどね(笑)。

まあ、何にしても、話が小難しいおかげで、また次に見る時の楽しみが出来るわけですからね。と、私はこの映画の難易度をプラス方面に受け取りました。「見るたびに粗が目立ってくる」という恐れも無きにしもあらずではあるんですが・・・。



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