
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
原作:マイク・ミニョーラ
特殊メイク:リック・ベイカー
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ロン・パールマン(ヘルボーイ)
ジョン・ハート(トレバー・ブルッテンホルム教授)
セルマ・ブレア(リズ・シャーマン)
ルパート・エヴァンス(ジョン・マイヤーズ)
カレル・ローデン(ラスプーチン)
ジェフリー・タンバー(マニング捜査官)
ラジスラブ・ベラン(クロエネン)
コーリー・ジョンソン(クレイ保安官)
ビディー・ホドソン(イルサ)
ダグ・ジョーンズ(エイブ・サピエン)
ハリウッドでブーム継続中のコミックヒーロー物の映画です。ですが、主人公が変身したりコスプレしたりするタイプではなく、完全なモンスターであるというのはなかなか珍しいですね。
さて、この映画。当初は『X−MEN』みたいな、特殊な能力を持った連中が敵味方に別れて戦うような感じの映画なのかと思ってました。まあ、確かにそういう面もあるものの、その能力がとんでもなく地味でしたね。
味方には「半漁人」と「炎使い」がいますが、半漁人はただ泳ぎが得意なだけで戦闘時は役に立たず、「炎使い」は自分でその力をコントロール出来ない為、能力を使うところがほとんど無し。肝心の主人公ヘルボーイも、特殊能力が“マッチョパワー”という、シュワに毛が生えた程度のものでした。
敵の方も、ボスのラスプーチンは何か企んでるだけで、怪光線の一つも撃ってきません。あとは、配下に刀を振り回す奴がいるだけです。
キャラクターの個性はもっぱら能力ではなく、性格で描き分けられてる感じで、アクションシーン自体もあまり多くないんですよね。そのせいか『X−MEN』や『リーグ・オブ・レジェンド』みたいな映画と比べるとかなり地味な感じはありましたね。
ですが、この点は、この映画の短所とも言えますが、同時に長所でもあります。
この映画の見所はCGバリバリVFXモリモリのアクションシーンではなく、生き生きとしたキャラクター描写にあるんです。特に、主人公ヘルボーイのキャラクターはユニークで魅力的でした。
いくら正義の心を持つように育てられたとはいえ、元は悪魔なんですから、ちょっとしたはずみで悪の心を復活させたりとかしそうですけど、何かもう、完全に「イイ奴」なんですよね(笑)。もちろん、爽やかなナイスガイというキャラではないですけど。
人間の為に戦っているのに、人前に姿を出してはいけない。当然、感謝される事も無い。「本当は悪魔なのに、人間の為に戦っている自分」という点について、悩んだりとかしそうなものです。何しろ、コミックヒーローと言えば「何かに悩んでるのが普通」という世界ですからね。
ですが、このヘルボーイは、すでに自分の確固たるアイデンティティーを持っているかのように、何の戸惑いもなく、「正義の悪魔」をやってるんですよね。
『スパイダーマン2』で「悩めるヒーロー」を散々見た後の今となっては、何だかとっても頼もしく見えます(笑)。
もちろん、悩みが全く無いわけではありません。この、マッチョで真っ赤な肌をしたゴツい悪魔は、“恋”の事で悩んでらっしゃるのです。
何て可愛げのあるヤツなんてしょう(笑)。
あまつさえ、「部屋一面に、書き損じたラブレターの紙くずが散らばる」なんてマンガみたいな場面すら出て来ますからね(まあ、マンガの映画化なんですが)。
それでいて、敵との戦闘時には、圧倒的パワーで敵をぶん殴ったり、どんな敵が出て来ても怯みもビビリもしないという豪傑さを見せてくれます。このギャップがたまらなく面白かったですね。
ヘルボーイを演じるのは、個性的な顔立ちで、まず主演を張ることなど有り得ないと思われていたロン・パールマンです。でも、完全特殊メイク顔なので、何だか、誰がやってもあんまり変わらないんじゃないかという感じではありましたけどね。
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