ハリウッド的殺人事件


仕事も恋も犯罪も、全てが過剰にドラマチック!

HOLLYWOOD HOMICIDE
03年 アメリカ映画 115分

監督・製作・共同脚本:ロン・シェルトン
出演:ハリソン・フォード(ジョー・ギャビラン)
    ジョシュ・ハートネット(K.C.コールデン)
    レナ・オリン(ルビー)
    ブルース・グリーンウッド(ベニー・マッコ)
    イザイア・ワシントン(サルティン)
    ロリータ・ダヴィドヴィッチ(クレオ)
    キース・デビッド(レオン)
    マスター・P(ジュリアス・アーマス)
    ドワイト・ヨーカム(ワスリー)
    マーティン・ランドー(ジェリー・デュラン)
    グラディス・ナイト(オリビア・ロビドウ)
    ルー・ダイヤモンド・フィリップス(ワンダ)
    クルプト(K・ロー)
    アンドレ・“ドレ”・ベンジャミン(シルク)





<あらすじ>
あるクラブで起こったラッパーの殺害事件。この事件を担当するのは、副業の不動産売買に大忙しのベテラン刑事ジョーと、ヨガのインスタラクターを副業にしつつ、将来俳優になることを目指している若手のKCのコンビだった。



<見た後の個人的感想>
副業刑事ジョー&コールデン この映画、まずジャンル分けがかなり困難です。一見、アクション・コメディっぽいんですが、アクションもコメディもどっちも薄めで、「アクション・コメディ!」と胸を張って言えないような内容なんですよね。
強いて言えば「マッタリ刑事ドラマ」でしょうかね。“退屈”“地味”なのではなく、“マッタリ”してるんです。

主役の刑事コンビ二人は、殺人課の仕事をやりつつ、空き時間に副業をやって金を稼いでいるんです。これは、この二人に限った事ではなく、ロスの(ハリウッドの?)刑事のほとんどは実際にやってる事なのだとか。劇中にも、ある建物に入ろうとした二人の行く手を阻んでくるガードマンが、本業は刑事で、ガードマンは副業なんて設定の奴が出てきました。
この、「刑事が副業に精を出す」というのがこの映画の面白いところであり、この映画を語る上で最も重要な点でもあります。
ハリソン演じる刑事ジョー(名前の割にママが出てこない)の方は、明らかに事件の捜査よりも副業の方がメインという行動をとっています。こういう刑事像が「見てて楽しいか」どうかが、この映画を楽しめるかどうかのポイントでしょうね。
ジョーの事件への取り組みの姿勢は、「ただ仕事だから」といった感じで、これまでの刑事物映画で見て来た仕事熱心な暴走刑事達と比べるとかなり異質です(でも、リアルかもしれない・笑)。

何をやっても様になる男、ハリソン 一応刑事コンビ物の映画でもあり、「最初は反目しあっていたが、次第にお互いを理解しあって・・・」という、コンビ物のお約束的な展開も少しなぞってきます。
ですが、メインに描かれるのは「本業の捜査をやりながら、二人がそれぞれに副業に精を出している様」の描写なんですよね。そして、それが非常にマッタリと描写されていくんです。
また、主役二人の仕事から日常までを結構多く描写してくるので、まるで「ハリウッドの刑事の日常を描いたドキュメンタリー」を見ているような感じもちょっとありましたね。かなりユニークな日常でしたが(笑)。

という事で、全体的に「ちょっと変わった雰囲気」のある映画ではありますね。見終わった後には「面白かった!」とか「感動した!」と思う事はまずなく、せいぜい「まあ、面白かったな。」程度の感想ぐらいしか出ないと思います。なので、ちょっと、高い金を払って劇場で見るような映画ではないかもしれないですね(ハリソンやジョシュのファンなら別)。
かく言う私はどうだったのかと言うと、この映画を面白いと感じたかどうか、自分の事ながらよく分からないです(笑)。つまらなくはなかったと思うんですが。
「独特の味のある映画で、ハマる人は凄くハマると思う」という映画とも違う気がするんですよね。

ネタはコメディ的な感じですし、ハリソンの演技もこれまでにないぐらいコミカルです。でもジャンルをコメディに含めていいものか自信が持てなネいぐらい、「見てて笑える」という雰囲気があんまり感じられないんですよね(全く無いわけじゃないんですが)。
これは何が原因なんでしょう?「刑事が副業に精を出している」というのがギャグとして描かれてないからでしょうかね。何しろ、向こうの刑事さん達は実際にやってる事らしいですし。

という訳で、もし、この映画が面白かったがどうか訊ねられたら、「何とも不思議な映画だった」と答えるしかない、という印象ですかねぇ。

ヨガるジョシュ そんな作りの映画をテレビ用ではなく劇場公開映画の地位にまで質を高めたのは、主演の2大スター、ハリソン・フォードとジョシュ・ハートネットの力によるものでしょうね。
出番が多いのはハリソンの方ですが、見ていて面白いのはジョシュ演じるコールデンの方でした。俳優志望でヨガのインストラクターをしていて、死体が苦手で射撃がヘタ、というキャラクターですが、どことなく奥深いような、神秘的な雰囲気が感じられるのは、演じるジョシュの個性によるところでしょうかね。
一方、ジョー刑事を演じるハリソンは、これまで多く演じてきたキャラと違い、感情を素直に外に出すようなキャラです。これまで演じた中ではインディや『6デイズ/7ナイツ』の主人公に近いタイプですね。ただ、インディみたいに魅力的かというと・・・・・・。確かに面白いキャラではあるんですけどね。

映画は、概ねマッタリと進んでいくんですが、終盤にはかなり長い犯人追跡アクションが出て来ます。アクションシーンを全部まとめて最後にとっておいたのかと思うぐらい、二人とも走り回るし、カーチェイスでは派手なカークラッシュも出るしと大変な騒ぎです。まさにハリウッド映画的な展開です。



<プログラム情報>
・定価600円。全38ページ。プログラムサイズ“小”。
・イントロダクション2ページ
・ストーリー2ページ(うち1ページは写真のみ)
・ハリソン、ジョシュ、ロン・シェルトンの解説&インタビュー各2ページ
・評論家の解説2種、各2ページ
・映画の中の、設定や監督の遊び心が表れてる箇所の解説2ページ
・プロダトションノート2ページ
・ハリウッド観光案内、地図2ページ、解説4ページ


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