
監督・製作:ベティ・トーマス
製作:マリオ・カサール
出演:エディ・マーフィ(ケリー・ロビンソン)
オーウェン・ウィルソン(アレックス・スコット)
ファムケ・ヤンセン(レイチェル・ライト)
マルコム・マクダウェル(アーノルド・ガンダース)
ゲアリー・コール(カルロス)
フィル・ルイス(ジェリー)
その取引の邪魔をし、スイッチブレイドを取り返す任務を与えられた、国家保安局BNSのエージェントのアレックス。警備厳重なガンダースの屋敷にはおいそれと侵入することは出来ないという事で、ある男が相棒につけられる事となる。その男とは、試合に出場するボクサーのケリー・ロビンソンだった。
<見た後の個人的感想>
マシンガントーク復活!いやぁ、ついに待ちに待った日がやってきました。あの「ビバリーヒルズ・コップ」の時を思い出される、エディの、もはや芸術的とも言える話芸が楽しめるアクション・コメディ映画が久々に誕生したんです!
「ナッティ・プロフェッサー」も「ドクター・ドリトル」も面白かったですが、やっぱり私はこういう映画の、こういうエディが見たかったんです(去年公開の「ショウタイム」も惜しいところまで行ってたんですけどねぇ・・・)。
あの超絶的な早口はほんと凄いです。クリス・タッカーもかなり早口でしたが、声が甲高くない分、エディの方が少し聞きやすいですからね(笑)。
映画の内容は、「民間人が政府の仕事(スパイ活動)をさせられる」という、「トリプルX」「9デイズ」みたいなお話です。スパイ映画という事で、「007」をパロったシーンも出てきたりします。このところこの手の映画が多いですね。ハリウッドのスパイ映画ブームはまだまだ終わらないらしいです。
しかしこの映画、数あるスパイ映画の中でも、こと「笑い」の要素に関しては群を抜いてますね。エディはもちろんのこと、相棒のオーウェン・ウィルソンもコメディ映画によく出る、ほぼコメディアンみたいな感じの人です。主役二人にコメディセンスがあるというのは、他のスパイ映画には無いものでしたからね。
ただ、二人の掛け合いが面白いというわけではなく、基本的に笑いのシーンはエディの一人舞台なんですけどね。でも、そのエディのギャグをちゃんと受け止められる相棒がいたというのが大きいです。
そのオーウェン、今回、黒人コメディアンの大物エディと組みましたが、以前はアジア最大のアクションコメディアンのジャッキーと「シャンハイ・ヌーン」でコンビを組んでましたね。どちらも、決してスターの邪魔をするでもなく、足を引っ張るでもない、微妙なさじ加減のいい演技をしてました。まさにスーパーサブといったところでしょうかね。次は誰と組むのかもちょっと楽しみです(ジャッキーとは「シャンハイ・ナイツ」で2度目の共演を果たしたので、「アイ・スパイ2」でエディと再び共演、というのもいいなぁ)。
他のキャストには、女エージェント役でファムケ・ヤンセンが出てますね。同時期公開の「X−MEN2」にも出てたので、出演作の連続公開です。まるで売れっ子女優ですね(笑)。
プログラムによると「メン・イン・ブラック2」の出演を蹴って、こっちを選んだらしいです。う〜む、相変わらず、なかなかツボをついた作品選びをしてきますね。
この映画、ジャンルがアクションコメディという事で、笑いのシーンだけではなく、アクションシーンにおいてもなかなか力が入ってます。中盤にかなり長い追走劇シーンが出てきて、ここのカーチェイスや爆破シーンなどはかなり見応えがありました。また、エージェント役のオーウェン・ウィルソンは、銃撃シーンや格闘シーンでもなかなかいい動きを見せてました(そういう行動の訓練を積んでるという役柄なので)。
シリアスな戦場アクション「エネミー・ライン」に出てるのを見た時はアクションはダメダメだと思ったんですが、どうやらジャンルにコメディの要素があると途端に輝ける人らしいですね(そとれも、監督の見せ方か?)。
エディも、ボクサーの役という事で、敵を殴るシーンやらボクシングをするシーンなんかが出てきます。こちらは・・・、どうも、ボクサーというよりもペテン師に見えてしかたがなかったです(笑)。やはり、リング上でも、パンチによる攻撃よりも試合開始前の“口撃”の方が凄かったですね。ただ、キャラクター的には“56戦連勝”というスーパー・ボクサーなので、何故か強かったりするんですが。
でも、このエディ演じるケリーというキャラクターはほんと、見てて面白いキャラクターでしたね。まあ、エディが演じてるというのがそう思う一番の原因なんでしょうけど。自分で自分の事を“ケリー”と言うところも面白いです。
ストーリー自体には、取り立てて面白いところや珍しいところは無かったですね。話よりも、その場その場で繰り広げられる笑いとアクションを見せていく、みたいな作りになってるようです。「ストーリーも面白いアクション・コメディ」というのも存在するわけなので(エディの代表作「ビバリーヒルズ・コップ」みたいに)、この点はちょっと物足りなさがありましたね。
この映画、ほとんど宣伝されなかったせいで興行成績は振るわなかったですが、内容は結構よく出来たアクションコメディです。こういう映画がヒットしないという現状にはかなり寂しいものを感じてしまいますねぇ・・・。
<プログラムについて>
定価600円。プログラムに載ってるべき基本的情報の他、評論家による映画の感想文2種類(それぞれ、エディについてとオーウェンについてという内容)、映画に出て来るスパイグッズの解説の他、主要キャラクターの履歴と評価なんてのも有り(演じる俳優のではなく、キャラクターのです)。
プログラムのイントロダクションで知ったんですが、この映画の元ネタは昔のテレビシリーズらしいですね。でも「白人と黒人のコンビ」という以外はほとんど別物になってるようです。
<画像の下より、内容について(注・ネタバレ有り)>

あと、ケリーの元にブッシュ大統領から直接電話がかかってきて仕事を依頼されるという奇妙な展開に対し、劇中の誰も突っ込みを入れないのが凄いですね。この世界では「大統領がボクサーに政府の仕事を依頼する」というのは別におかしくない事なんですね(笑)。
スパイ映画の例に漏れず、この映画も数々のスパイグッズが出てきましたが、「役に立たないスパイグッズ」が出てくるというのはちょっと意表を付かれましたね。特に、車に取り付ける発信機がポロポロ落ちるのには爆笑しました。
ラストの「2重スパイ疑惑でゴチャゴチャになる」展開は面白かったですね。ちょっと「羊たちの沈没」のラストを思い出してしまいました(注・「羊たちの沈黙」ではありません)。
私も、カルロスが敵なのか味方なのか混乱してしまいましたからね。しかし、こいつの登場の仕方は派手でしたねぇ。そのわりに、ケリーに殴られて即ダウンしてましたが(笑)。
ラストではブッシュ大統領と新聞に載ったり、完全なコメディ・リリーフキャラでしたね。主人公よりも強い奴がそういうポジションで出て来るというのも面白いですね。
ストーリー性の薄い映画なので、今回、バレ有り感想が短めです(笑)