
監督:ピーター・ヒューイット
出演:ローワン・アトキンソン(ジョニー)
ナタリー・インブルーリア(ローナ)
ベン・ミラー(ボフ)
ジョン・マルコビッチ(パスカル)
ティム・ピゴット=スミス(ペガサス)
そんなこんなでエージェント不足となった英国政府は、唯一生き残ったエージェントであるジョニーに任務を与えてしまうのだった。
予告編を見る限り、ローワン演じるジョニーのキャラクターがビーンと似てるように見えたんですが、さすがに違うキャラクターになってましたね。
ビーンは、もし存在してるのがコメディの世界じゃなかったら、ただの異常者と言っても過言ではないぐらいトリッキーなキャラでしたが、ジョニーはもっと人間らしくなっています。
思考回路は普通の人と同じものを持っているんですが、微妙なズレがある、みたいな。そのせいで、行動に“失敗”が多いんですが、それをちゃんとミスだと認識していて、それをうまく隠そうとしたりするんです。
で、映画では、この“失敗”の部分がギャグとして描かれていく感じになります。そして、それプラス、その失敗をジョニーがいかにごまかすか、という方に笑いを持って行くわけですね。
また、ただギャグを積み重ねて、間に強引にストーリーをねじ込んだという作りではなく、まずストーリーがあって、その上にギャグを重ねていったという感じの作りになっています。
劇場版『ビーン』の時は、予告編でギャグを見てしまった事で本編を見た時の楽しみが減ったものでした。基本的にはあまりストーリーと絡まない、その場限りの“一発ギャグ”ばかりで、どんなギャグが来るのか分かってたらそんなに面白くないんですよね。
それが今回の『ジョニー〜』は、ギャグがストーリー展開とうまくかみ合ってるので、予告編で見たギャグシーンが出てきた時も自然に笑えるんですよね。
あと、笑いのシーンと笑いのシーンの間で特にダレるような事が無いストーリー展開なのがいいですね。上映時間のほとんどが「何か面白い事が起こりそうなシーン」と「面白いことが起こっているシーン」で占められていて、たまに笑いの無いストーリーを進ませるだけのシーンが挟まれたりします。
なので、見てる間は、「次に起こる笑いのシーンに備える」「笑う」「休む」の繰り返しで、まさにダレる暇も無いと言った感じです(まあ、この辺は見た時の体調や何回目の鑑賞かなどによって印象が変わりそうな気もしますが・笑)。
この映画の見所の一つに「悪役がジョン・マルコビッチ」というのがあります。こういうコメディ演技は、舞台では経験あるものの、映画では初めてらしいですね。ただ、役柄が「演技力がどうこう」というタイプのキャラではなく、ただ存在感のある人が普通に演じていればいいような役でしたけどね。
“ボンドガール”ならぬ、“ジョニーガール”は、この映画が初主演となる、本職が歌手の人でした。が、本人のせいではないと思うんですが、何か面白味に欠けるキャラでしたね。そもそも、ギャグシーンにはほとんど絡んでこないですし(ほんとは絡んできてるのに、そうとは気付かないだけの可能性も有り)。
まあでも、この手のスパイ映画ではこういう美女キャラを出さないといけないお約束があるんでしょうからね(きっと『007』がそういう映画なせいなんだろうな・笑)。
ジョニーの相棒ボフはいいキャラクターでしたねぇ。この映画の主要登場人物の中で、もっともリアクションの面白いキャラでもありました。それも、あまりに自然なので、俳優が演じてるキャラクターだというのを忘れてしまいそうになるぐらいハマってましたね。
特に、ジョニーの謎の行動(?)を見てしまった時の驚きの表情は笑えました。

あともう一つ、間違った車を尾行して墓地についたジョニーが、葬儀を台無しにするシーンも良かったです。ここでボフの登場により間違いに気付いたジョニーの、その場の誤魔化し方が最高!
というふうに、ボフの絡むギャグシーンに楽しいものが多かったですね。もっとこの、コンビによる笑いが前面に来て欲しかったです。でも、ボフのポジションは“相棒”ではなく“引き立て役”ですから、出番の少なさも仕方が無いところです。
ところで、上の墓地のシーンでは「精神病患者のフリをする」という技を使うわけですが、ジム・キャリーも『エース・ベンチュラ』で「精神病患者のフリ」というのをやってましたね(シチュエーションは全然違いますが)。この時のジム・キャリーは本当に狂ってるとしか思えないぐらい酷かったですが(でも最高!・笑)、ローワンの方は、「舞台裏では振り付けとかもしっかり考えて練習して臨んだんだろうな」と思われるような狂いっぷりでした。どっちも、その映画のカラーに合った演技になってるところがさすがですね。
ボフと絡まないギャグでは、敵側が、自分達を追ってるエージェントのジョニーをどうするか話しているところ、黒幕のマルコビッチがジョニーの部屋のバスルームの鏡の中にしかけていた隠しカメラの映像を見せて、「こんなアホはほっとけばいい」みたいな事を言うシーンですね。で、その隠しカメラの映像に映るジョニーが本当にアホで笑えます(特に、ヒヨコ人形をチョップで叩き落すところ・笑)。
それにしても、この映画のマルコビッチはハジけてましたね。コメディ的な行動をとるキャラが、この映画の中でジョニーとパスカルだけですからね。でも、やっぱり本職がコメディアンの人の演技とはちょっと違うんですよね(“違和感”とまではいかないまでも)。
そのエンディングで流れる曲は、オープニングでも流れた「ジョニー・イングリッシュのテーマ」でしたね。
ただ、このテーマ曲の歌詞にももっと面白い言葉を入れてほしかったような気もします。
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