
監督・製作・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:ユマ・サーマン(ザ・ブライド)
ルーシー・リュー(オーレン・イシイ)
ダリル・ハンナ(エル・ドライバー)
マイケル・マドセン(バド)
ヴィヴィカ・A・フォックス(ヴァニータ・グリーン)
デビッド・キャラダイン(ビル)
ジュリー・ドレフュス(ソフィ・ファタール)
千葉真一(服部半蔵)
栗山千明(ゴーゴー夕張)
さてこの映画、タランティーノ6年振りの新作なので、まさに「待望の新作」なのですが、私は特にタランティーノのファンではありません。嫌いではないし、これまでの映画も面白いと思いますが(でも、『レザボア・ドッグス』は未見)、新作を待望するほどの思い入れはありませんでした。
なので、この映画も特に過剰な期待はかけていませんでした。ただ、かなり異常な映画っぽいので、興味はありましたが(笑)。
ただ、この映画でタランティーノがオマージュを捧げている映画群。60年代後半から70年代前半辺りのバイオレンス映画、香港のカンフー映画、イタリアのマカロニウエスタン、日本のヤクザ映画や時代劇等など。この中のどれ一つとして、私の興味あるジャンルが無いんです。しかも、これまでに「見てみよう」思った事すらないような映画ばっかりです。
そんな映画群のエッセンスの詰まった映画が、私にとって面白い映画になってるとはとても思えなかったので、興味はあるものの、見てもそんなに面白くないんじゃないかと思ってました。
ですが、この「期待をしていない」というのは、映画を見るに当たって最高の精神状態です。なので、もしかしたら「意外に面白かった」という感想が出る事も有り得るかな?とも思ってたんですが、結局、思った通りの映画で、その感想も思ってた通りでした(笑)。
一応、監督は「オマージュを捧げてる映画群を知らなくても楽しめる」と言ってはいますが、やっぱりこの映画を本当に楽しめるのは、その映画群のどれか一つにでも興味のある人達だと思うんですよね。
この昔の映画の引用が、「今見ると新鮮」というレベルのものならいいんですが、引用してる映画が、また何とも言い難い代物ばかりですからねぇ(笑)。多分、「今見ても当時に見てもキツい」というものばかりなんじゃないんだろうか。
ただ、頭の柔らかい、若い人なんかには新鮮に映るかもしれないですね。まさに「映画革命!」と言っても過言ではないぐらいメチャクチャやってますから。ある意味、“見たことの無い映像!”のオンパレードでしたからね。このノリについていけるなら、かなり楽しい映画になると思います。まあ私も、妙なノリの映画は嫌いじゃないので、そこそこはついていけました(笑)。
「完成してみたら、どうしても上映時間が4時間になってしまう」という事で、前・後編に別れての公開という事になりましたが、この映画、2時間半でもキツいと思うので、別れてくれて良かったです。ただ、それで倍の金を払う必要があるのは困りものですが(さらに、またプログラムがバカ高いのも痛い)。
この映画、一応、復讐をテーマにしたアクション映画という作りになっています。アクション映画では、やはりアクションシーンが重要な見せ場となるわけですが、肝心の主人公がアクション派ではなく、とても強そうに見えない白人女です。なのに、刀で十数人の敵をバッタバッタとなぎ倒していってしまうんです。
これは、相当うまく見せないと茶番にしか見えない状況になり兼ねないと思うんですが、武術指導にユエン・ウーピン、殺陣指導に千葉真一という最高のスタッフを揃えたおかげで、かなり見応えのあるものに仕上がっていました。もちろん、タランティーノの撮り方上手いというのもあるんでしょうね。
それに、映画が全体的にマンガチックなので、この悪い冗談みたいな設定のアクションにもどうにか説得力が出せていましたね。
また、バイオレンス度が結構高く、刀で切られたら腕や首が飛びます。しかも、ただ飛ぶだけではありません。傷口から赤いシャワーが出るんです(笑)。あれはもう、流血とか血糊の域を越えてましたね。噴水とか水芸の領域です(笑)。
ただ、これで『ブレイン・デッド』みたいな「爽快」というレベルまでいってればいいんですが、そこまでは達してないんですよね。しかも、水芸をしてる人達が、それは苦しそうな悲鳴をあげていたりするので、もう、笑っていいものかどうか悩んでしまいます(多分、笑っていいんだと思いますが)。ちょっと、トロマの映画に通じる下品さがあるような。後編にいきなり毒々モンスターが出て来ても、多分私は驚かないと思います(笑)。
あと、要所要所の、ここぞというところで出てくる、ユマ・サーマンとルーシー・リュウの棒読み日本語にも、ちょっと、「これを聞いた我々にどうしろと?」とまた悩んでしまいます。
後半の舞台が日本という事で、かなり日本的な要素が出てくるんですが、その全てが「また外人に日本を誤解される!」というものばかり。と言うか、本物の現代の日本が描写されてる箇所が1シーンすら無かったような(笑)。
それにしても、昔のバイオレンス映画の要素を詰め込んだらこんな映画になったという事は、昔のバイオレンス映画ってとんでもない代物なんですねぇ。
この映画、千葉真一、栗山千明と、2人も日本人が出ていて、どちらもなかなかいい役でした。特に、敵として登場し、女子高生の制服姿で鉄球を振り回す栗山千明の姿は何か異様で凄かったですね。あとこの人、目がイッてるんですけど(笑)。もしかして、本当に狂人って事はないですよね?
そして、前編の大ボスであるルーシー・リューは、『チャーリーズエンジェル2(略)』『バリスティック』と、このところ出演作が続けて公開されてますね。まさに売れっ子女優です(笑)。
日本語を話すシーンがけっこうあるんですが、「やっちまいなぁ!」以外は全部棒読みでしたね。でも、ゆっくり話しているので、多分日本人がやってると思われるヤクザ達のセリフより聞き取りやすかったです(ヤクザのセリフは何喋ってるのか全然分からなかった・笑)。
ユマ・サーマンと違ってアクション派の人ですけど、どうも剣術はあまり得意ではないらしく、おとなしいものでしたね。

そして、エンディングで流れるのはなんと、演歌!
演歌がエンドクレジットで流れる映画なんて初めて見ました(笑)。
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