リーグ・オブ・レジェンド/時空を越えた戦い


THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN
03年 アメリカ・ドイツ合作 110分

LXG

監督:スティーブン・ノリントン
製作総指揮:ショーン・コネリー
       マーク・ゴードン
音楽:トレバー・ジョーンズ
出演:ショーン・コネリー(冒険家アラン・クォーターメイン)
    スチュアート・タウンゼント
                (不死身の男ドリアン・グレイ)
    ペータ・ウィルソン(吸血鬼ミナ・ハーカー)
    シェーン・ウェスト(トム・ソーヤー)
    トニー・カラン(透明人間ロドニー・スキナー)
    ジェイソン・フレミング
         (ヘンリー・ジキル博士/エドワード・ハイド)
    ナサーラディン・シャー(ネモ船長)
    リチャード・ロクスバーグ(M)
    マックス・ライアン(ダンテ)
    トム・ゴールドマン=ヒル(サンダーソン・リード)
    デイビッド・ヘミングス(ナイジェル)
    テリー・オニール(イシュメル)




<あらすじ>
1899年。謎の怪人ファントムの陰謀により、世界大戦勃発の危機が迫っていた。そこで英国政府は、世界中から名だたる能力者をスカウトし、ファントムの野望を阻止しようとする。
潜水艦ノーチラス号の船長ネモ、透明人間のスキナー、吸血鬼のミナ、不死身の男ドリアン・グレイ、アメリカの諜報員トム・ソーヤー、科学者&怪物のジキル&ハイド。そして、最強の冒険家アラン・クォーターメインをリーダーに、“ザ・リーグ”が結成された。

軍事情報部の“M”という男から、ファントムがベニスで開かれる極秘和平会議を妨害しに現われるという情報を受け、ザ・リーグはネモ船長のノーチラス号に乗り、ベニスへ向かうのだった。



<見た後の個人的感想>
誰もが知ってる、世界の名作冒険&怪奇小説の主人公達がチームを組んで悪と戦うという、夢の共演を映画にしたアクション・アドベンチャーです。
ですが、有名とはいえ、私は原作を読んでる話が一つもありません。なので、各々のキャラクターは名前とだいたいの特徴を知っているだけという程度の知識しかありませんでした(中には全く知らないのもいるんですが・・・)。
なので、「夢の共演」という事に関してはさして感慨深いものを感じたりという事は無かったんですが、普通にVFXアクション・アドベンチャーの新作として見ても、「超人的な能力を持ったキャラクターが多数登場!」という事で、楽しく見ることが出来ましたね。

この映画、『ハムナプトラ』シリーズと同ジャンル&似た舞台設定という事で、見ていてつい比べてしまいがちですが、これはこの映画を見るに当たって「やってはいけない事」の一つでしたね。なぜかと言うと、簡単な話、『ハムナプトラ』シリーズよりも出来が良く無いからです。
製作の段階で、監督とプロデューサーとの間で、編集に関して意見の食い違いがあってかなり揉めたという経緯があるようなので、その辺のゴタゴタが映画に表れてしまっているのかもしれないですね。

また、この映画にはもう一つ、つい比べがちな映画があります。それは『X−MEN』シリーズで、派手な能力を持ったメンバーが一堂に会するという共通点があります(ちなみに、製作会社も同じ)。
ですがこの点に関しては、決して『X−MEN』に引けをとっていません。この『リーグ〜』の登場キャラもそれは見てて楽しい面々ばかりです。
この映画、キャラクター造形に関してはほぼ文句無しでしたね。それぞれの持つ超人的能力の表現方法も、その能力を使ってるシーンがそのまま映画の見せ場になってるという、まさに『X−MEN』(特に『2』)状態です。ただ、能力の表現をCGに頼ってないキャラが数名いるというのは『リーグ〜』ならではですね。

まず、主人公のクォーターメインに派手な特殊能力が無いというのが面白いですね。それでも、地味な感じがしないのは、演じるショーン・コネリーの存在感の強さ故でしょうか。
クォーターメインは、派手ではないものの、立派な特殊能力(必殺技?)を持っています。それは、「超高性能ライフルによる遠距離攻撃!」ですが、歳のせいで、メガネ(老眼鏡?)をかけないと正確に狙えなくなるという欠点があるのが面白いです。肉体的には超人級で、猛スピードで走る車から平気で飛び降りたりしてるくせに、こんなところが妙にリアルというのもユニークです。

そのクォーターメインと師弟のような関係となるトム・ソーヤーも、特別な能力の無いキャラクターです。ですが、こちらは「二挺拳銃乱射」という戦闘スタイルで、CG組に匹敵する派手さを持ってるのが頼もしいです。
こういう、特殊能力を持たないキャラがCGバリバリの特殊能力を持ったキャラと同等の活躍をしてる様は面白いですよね。

もう一人、CGに頼らない能力を持っているのがネモ船長です。映画を見る前は、船を操縦するだけの人なのかと思っていたんですが、戦闘シーンが始まると、まるで『スター・ウォーズ エピソード1』のダース・モールの動きを見ているようなスピードと優雅さのあるマーシャル・アーツを披露し始めるんです。
最初にこのネモ船長の動きを見た時は驚きましたねぇ。全く想像していなかっただけに。しかも、その動きがメチャメチャカッコいい!ところどころ、動きに手を加えられてるところもあり(編集や映像スピードなど)、普通の人間の動きよりもかなり早い感じになってるんです。個人的に、この人の能力が一番好きですね(笑)。

CG組の中で一番派手なのはハイドでしょうかね。もう、ハルクそのままという感じのCGモンスターとなって、画面狭しと大暴れします。CGの出来自体は『ハルク』よりも劣ってる感じはあるんですが、こちらは主役ではないからこれでも充分でしょう。ちなみに、変身シーンがかなり不気味です。
もう一人、ヴァンパイアのミナの能力もかなり派手でしたね。こちらも、能力は血を吸う程度しか無いのかと思っていたので、無数のコウモリに化けた時は驚きましたね。
本来、「人間の血を吸う」なんて能力の奴は大抵は敵側だというのに、それが味方にいる、というのが何か珍しくて面白いですよね。ザコ敵の血をチューチュー吸ってる様を見ると、妙に頼もしい感じがします(笑)。

不死身の男ドリアン・グレイと透明人間ロドニーは、どちらも能力が攻撃的なものではないので、他のメンバーと比べると地味でしたね。ただ、ドリアン・グレイの能力、まんま“ウルヴァリン”でしたね(笑)。しかも武器は、鉄の爪では無かったものの、“剣”でしたからね。
透明人間は、周りのメンバーが派手過ぎて、ほんと地味な感じでしたね。戦闘シーンでは確実に役に立ってるんですが、透明だけにその活躍も見えないというのが悲しいところです。あと、演じる俳優も、唯一素顔の出ないキャラなので、ちょっと気の毒でしたね。

この各キャラクター、中には原作とかけ離れた設定に変更されてるキャラが数名いますね。
派手な変更が加えられたキャラは、トム・ソーヤーがアメリカの諜報部員になっていたのと、ハイドがハルクになっていたのと、ネモ船長がインド人になっていて、しかもインドの謎の神を崇拝してるという設定に改変されてる、というのがありました。
原作ファンにとってはこの変更点はどうなんでしょうね。私は原作を知らないし愛着も無いのでよく分からないですが、そんな私の立場で言うと、このアクション映画向きの設定変更はむしろ有りがたかったです(笑)。

さて。主人公側にはこれだけ派手な面々が揃っていますが、対する敵側はどうなのかと言うと、敵のボスのファントムが、能力がCGに頼らない系のキャラというのがちょっと寂しいですね。
ですが、終盤には派手な中ボスが登場してくれます。一人は、「火炎放射器を装備したロボコップもどき(似たようなのが『リーサル・ウェポン4』にも出てた)。もう一人は、「ハイドの2倍以上のサイズの巨大怪物(似たようなのがゲームの『バイオハザード2』に出てた)です。

このように、味方側、敵側共、役者は完璧に揃っているんですが、このキャラクター達の大バトルをうまく演出出来ていたかと言うと、ちょっと・・・・・・、という感じなんですよね。ただ、「能力を使うシーン」に関しては特に不満が無かったのが救いですかね。



<キャストについて>
ほとんどがあまり知られてない人達で固めてありますが、それぞれのキャラを俳優名ではなく、役名で認識出来るという利点がありますね。俳優の魅力より、キャラクターの魅力が前面に出た方がいいタイプの映画だと思うんで、この映画のキャスティングはほぼ完璧と言っていいと思います。

ですが、主人公ぐらいは有名なスターが出ていた方が盛り上がるでしょう。という事で、主役を演じるのがショーン・コネリー御大です。この人、もう70を超えてるというのにこんな派手派手なアクション映画に出て、しかも自ら格闘アクション&銃撃アクションを披露してるんですから、ほんと大したものです。
そして、この映画でのコネリーの活躍は、私のようなアクション野郎にとってはかなり“嬉しい”ものがありましたねぇ。これで、「もう歳だからアクション映画に主演するのは無理だろう」と思われてるアクションスターも、まだまだやりようによっては、こんな派手なアクション映画に主演出来る可能性があるというのを示してくれたんですからね。

他の出演者の中で唯一私が知っていたのが、ジキル役のジェイソン・フレミングです。『ザ・グリード』では中盤で食われる役で出てましたし、何よりも、ジョージ・A・ロメロの現時点での最新作『URAMI〜怨み〜』では主演でしたからね。
という事で、ついジキルには注目して見てしまいました。どことなく、『URAMI』の時の主人公と似たようなキャラクターだった感じでしたね。

あと、ドリアン・グレイ役のスチュアート・タウンゼントは、今のところ出演作を一本も見てなかったですが、今後、『コール』や『シェード』に出てるところを見ることになりそうです。
『クイーン・オブ・ザ・バンパイア』では、前作ではトム・クルーズが演じたレスタト役をやってましたが、こういう、「邪悪な貴族っぽい役」の似合う人なのかもしれないですね(『クイーン〜』は未見なんで似合ってるのかどうか分からないですが)。ドリアンも、能力はウルヴァリンそのものでしたが、キャラクターは全く正反対でしたからね。



<プログラムについて>
定価600円。主な読み物は、キャラクター紹介&メカ紹介(簡単なものですが)。解説文3種、4ページ分のプロダクションノートなど。
解説文は、登場するヒーローや怪人についてのレビューと、各原作小説についての解説、『リーグ〜』の原作コミックの作者アラン・ムーアについての解説の3種です。
2番目の解説のページでは「読書ガイド」という、それぞれのキャラクターの活躍する原作小説のタイトルと翻訳者、出版元が表にしてあります。
+αの要素はほとんど無いものの、知りたい情報はほぼ載ってるという良いプログラムでした。



<画像の下より、ネタバレ有りの感想>

冒険家諜報員吸血鬼船長透明人間不死身の男超人ハルク



世界を救うために英国政府によって組織されたリーグですが、「全部罠だった」とは、また規模のでかい騙しでしたねぇ。
しかも、リーグを結成し、メンバーに任務を依頼したボスであるところの“M”が、実はファントムと同一人物だったというのは驚かされましたね。さらに、ドリアン・グレイも敵側だったことが判明してしまいますし。
で、この二人が何を企んでいたのかというと、リーグのメンバーの超人的能力をいただく、という事でした。
それにしても、超人の能力というのは、あんなに簡単に奪えるものなんですね(笑)。これではヒーローも大変です。特に、ネモが奪われたのがマーシャル・アーツの能力ではなく、ノーチラス号の操縦室の写真というのが凄い(あと、設計図も奪われてるんだっけか)。しかも、これだけで同型艦を何隻も建造出来るんですから、敵側のコピー能力は凄まじいものがありますね。
そんな中、主人公であり、リーグのリーダーであるクォーターメインは、特別な能力が無い為に、特に何も奪われてないというのが面白いですね。


ところでこの映画、アクションシーンは映画が進む毎に派手になっていくんですが、なぜか映画が進む毎に盛り下がっていくような感じがあるんですよね。
見てて一番盛り上がったシーンは、序盤に出て来る、ドリアン・グレイの屋敷でのアクションシーンで、それぞれのキャラが能力を駆使してザコ敵を倒していく様が見てて楽しくてしょうがなかったです。
ですが、終盤のさらに大規模となったアクションシーンは、見ててあんまり燃えなかったんですよね。これまでのアクションシーンで描かれてきた各キャラクターの能力から、「これぐらい盛り上がるアクションシーンが出るはず」という予想ラインに達していないんですよね。要するに、これまでのシーンが良かった為に期待し過ぎたのが原因なんでしょう。
あと、「音楽が寂しい」という理由もありますね。場面を盛り上げてくれるような、派手な音楽が背景になってれば、それだけでかなり印象が違ってきたと思うんですけど、どうも地味な感じの曲が使われてるんですよね。画面で派手な事が起こってるのに、背景で鳴ってる音楽は地味、というバランスの悪さ。『パイレーツ・オブ・カリビアン』の時と逆パターンですね。
と言うか、『パイレーツ〜』の曲をそのままこっちに流用したら、この映画、倍は楽しくなったような気がします(笑)。

中盤に出て来るベニスでのアクションシーンはかなり派手で良かったですが、活躍するのがクォーターメインとトム・ソーヤー、ミナの3人だけというのはちょっと寂しかったですね。ただ、「ミナの活躍シーン」としては最高の出来ではありましたけどね。能力が見てて楽しいキャラでもありますし。
そう言えば、ミナにも傷がすぐに治る能力があるんですね。そのせいで、終盤のドリアン・グレイとの対決シーンは、『X−MEN2』の、ウルヴァリンとデスストライクの対決シーンみたいになってましたね(笑)。



<エンディングについて>
「アフリカはクォーターメインを死なせない」という事で、何やら復活させていたようでしたね。あれは、普通の人間として復活するのか、ゾンビとして復活するのか気になるところです。次回作では、ジェイソンのような無敵の肉体を持ったクォーターメインが出て来るんでしょうか(笑)。
まあ、いずれにせよ、この手の映画のラストとしてはかなり暗い終わり方ですよね。さらに、エンドクレジットの曲も何か暗くて地味な曲なんですよね。どういう意図でこんなエンディングにしたんでしょう(ノリントンとコネリー、どっちの案だ・笑)。



←メニュー画面に戻る

2style.net
div>
2style.net