レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード


<ONCE UPON A TIME IN MEXICO >
03年 アメリカ映画 101分

やけどするほど、危険なふたり!!

監督・製作・脚本:ロバート・ロドリゲス
音楽・撮影・編集:ロバート・ロドリゲス
プロダクションデザイン:ロバート・ロドリゲス
出演:アントニオ・バンデラス(エル・マリアッチ)
    ジョニー・デップ(サンズ捜査官)
    サルマ・ハエック(カロリーナ)
    ダニー・トレホ(ククイ)
    チーチ・マリン(ベリーニ)
    ウィレム・デフォー(バリーリョ)
    ミッキー・ローク(ビリー)
    エヴァ・メンデス(アヘドレス)
    エンリケ・イグレシアス(ロレンソ)
    マルコ・レオナルディ(フィデオ)
    ルーベン・ブラデズ(ラミレス)




<あらすじ>
メキシコに怪しい奴らが集まり、血の雨が降る。



<見た後の個人的感想>
必殺、クネクネ撃ち バンデラス(&ロドリゲス)の代表作『デスペラード』待望の続編です。「ラテンなリズムに乗せて、荒唐無稽な大アクションが繰り広げられる」という、前作のスピリットをしっかり継承し、さらに、主人公エル・マリアッチの目的が“復讐”という点までも継承(笑)。
豪華キャストがチョイ役で出てきたり、改造ギターケースを持った2人の仲間が出てきたりと、まるで続編と言うよりリメイクみたいです。
そもそも、前作から引き続き登場のキャラ、マリアッチとカロリーナは設定が微妙に変わってますし、前作で死んだはずのダニー・トレホとチーチ・マリンが“別の人物として”登場したりします。この辺、むしろ続編かと思って見ると戸惑いが生じそうです。

ストーリー的には、前作の方がかなりスッキリしていたな、という印象でした。何か今回のストーリー、かなり入り組んでて複雑です。大勢の登場キャラがそれぞれの思惑を持って動いているので、もう誰が誰と何をしようとして、何を企んでいるのかが分からなくなってきます。思わず、『撃鉄』を思い出してしまうぐらいのこんがらがりようでした。
一方、肝心のアクションシーンですが、その内容は相変わらずの派手っぷりで大変よろしいです。バンデラスの銃の撃ち方とか、撃たれた奴の吹っ飛び方の有り得ないっぷりなど、見てて楽しくなってきますね。
ですが、ほとんどのアクションシーンが、“唐突に始まって唐突に終わる”んです。それも、ストーリーに溶け込んだ形でアクションシーンが起こるのではなく、例えば「マリアッチが町を歩いてたら、何故か敵に囲まれていた」という状況になって始まるんです。
「アクションシーンが足りなかったから、後で強引に足したものだ」と言われても納得してしまうぐらいでしたね。

“入り組んだストーリー”“ストーリーと遊離したアクションシーン”という点だけ見ると、まとまりの無い雑な映画と思ってしまいがちですが、そんな事はないんです。いや、確かに雑でまとまりのない感じもしますが(笑)、「それが『レジェンド・オブ・メキシコ』だ!」と言わんばかりのエネルギーに溢れているんですよね。
この映画は結局、ストーリーなりアクションなりを楽しむ映画と言うより、全体的なノリを楽しむ映画という感じなんです。なので、普通のアクション映画と同じ感覚で見たら、「何じゃこりゃ?」という感想も出兼ねないと思います。
その肝心の“ノリ”ですが、前作よりもさらに激しいような気がしますね。この違いをギタリストのハジけっぷりで比較してみると、前作は一応は楽譜の通りに弾いていたところ、今回は楽譜無視で即興でメチャクチャやり始めた、といった感じですかね。前作のファンもこの辺で好き嫌いが分かれるところかもしれません。ちなみに私は、今作の方が好きです。

股を炙られるデップ(嘘) そんな『〜メキシコ』ですが、一番の見所でありセールスポイントは、ちょうど『パイレーツ・オブ・カリビアン』の大ヒットで、まさに“今が旬”的な状況にいるジョニー・デップがタイムリーに出演している点でしょうね(しかも、撮影をしたのは『パイレーツ〜』よりも前だったりします)。
ただ、“最大のウリがデップ”というのは、これがバンデラス主演のシリーズである事を考えると少し寂しいところではありますが。
そして、その登場シーンがまた多いんです。前作のサルマ・ハエック以上に多いです。もう、「マリアッチとどっちが主役なんだろう?」と混乱してしまうぐらいです。
前作の悪役も主役並に出番が多かったですが、こちらは主人公が狙う標的という事で、主人公と密接な関わりのある登場人物でした。ですが、今回のデップはそこまで主人公と絡まないんですよね。ほとんど独自に動いているんです。だから脇役とか悪役という印象より、「どっちが主役なんだ?」という印象があるんです。
これが、ただ人気があるだけのスターがやってる事だったら、「これがハリウッドのシステムか」と、大人の事情にうんざりきてしまったかもしれないですが、何しろデップですからね。「むしろ、サンズが主役でいいんじゃないか」と思ってしまうぐらい、この『デスペラード』の世界に溶け込んでみせてるんです。
さらに、これが一番重要な点ですが、終盤にチョロっと銃撃シーンがある程度で、アクションらしいアクションをほとんどやらせてないんですよね。普通の演技力と、アクションシーンで映える“アクション演技”はまた別物ですからね(俺理論では)。
『パイレーツ〜』ではアクションを披露してましたが、それが私的にかなりしっくり来ないものだったので、今回、デップがアクションにあまり絡まなくてほんと良かったです。
そんなわけで、アクションシーンはもっぱらバンデラスのほぼ一人舞台となるんですが、結果として、今回のバンデラスはほとんど“アクション担当”みたいな位置になった感があるんですよね。
ですが、実のところ、アクションシーン以外でのマリアッチというキャラにあんまり魅力を感じていなかった私としては、むしろ、これでちょうど良かったぐらいでしたね。

エンリケ・ファイヤー! さて。『デスペラード』と言えば、改造ギターケースの話をしないわけにはいきません。今作も愉快な改造ギターケースが出てきました。
前作はマシンガンとロケットランチャーでしたが、今回は“火炎放射器”と“爆弾搭載のラジコンギターケース”でした。
機能自体は前作に負けないぐらいのハジけっぷりですが、何かインパクトが足りない気がするのも事実です。それは何故かと言うと、今回、使用者の方が地味なんですよね。こんな奇天烈な装備を扱うにしては、怪しさが足りなすぎです。前作のロケットランチャーを持ってた奴のあの怪しさは凄かったですからね。
それが今作は、きちんと性格設定までなされて、会話シーンもそれなりにあるという、「映画の登場人物の一人」という扱いになったせいか、何ともまともなキャラクターなんですよね。いや、普通のアクション映画に比べたら充分特異なキャラですけど(笑)。


ところで、今回、敵役としてウィレム・デフォーとミッキー・ロークがいる、と聞いていたんですが、正確には敵役ではなかったですね。プログラムにキャラクター相関図が載ってるんですが、この2人とマリアッチを結ぶ線が何もありませんでした。マリアッチの復讐の対象はこの2人ではなく、誰だか分からない人が演じてるマルケス将軍という奴でした。
せっかくの豪華なキャスティングですが、主役と絡まないキャラクターだったというのは何とも寂しいところです。当然、出番自体も少なめでしたしね。
ただ、ミッキー・ロークとチワワのミスマッチ感はかなり神秘的でしたね(愛犬がチワワという事で、常にロークが抱っこしてる)。下手したら、アイフルのCMに起用されそうなぐらいです(絶対ない・笑)



<プログラム情報>
・定価700円。全34ページ。プログラムサイズ“普通”
・イントロダクション、ストーリー各1ページ
・キャラクター相関図2ページ
・評論家の解説2ページ
・武器紹介2ページ
・プロダクションノート2ページ
・漫画家すぎむらしんいちのインタビュー(映画の感想)1ページ
・「エル・マリアッチ」&「デスペラード」製作秘話各1ページ
・「レジェンド・オブ・メキシコ」小辞典2ページ


←メニュー画面に戻る

2style.net