ワイルド・レンジ 最後の銃撃


逃げる場所もない。
隠れる理由もない。

OPEN RANGE
03年 アメリカ映画 140分

監督・製作・ケビン・コスナー
音楽:マイケル・ケイメン
出演:ケビン・コスナー(チャーリー・ウェイト)
    ロバート・デュバル(ボス・スピアマン)
    アネット・ベニング(スー・バーロー)
    マイケル・ガンボン(デントン・バクスター)
    マイケル・ジェッター(パーシー)
    ディエゴ・ルナ(バトン)
    ジェームズ・ルッソ(プール保安官)
    エイブラハム・ベンルービ(モーズ)
    ディーン・マクダーモット(ドクター・バーロー)
    キム・コーツ(バトラー)
    ピーター・マクニール(マック)
    ハーブ・コーラー(カフェの男)




<あらすじ>
カウボーイの4人組が、牛を追い立てながら移動をしていた。
そんなある日。仲間の一人、モーズが一人で町に食料の買出しに行ったのだが、いつまでたっても戻って来ない。4人のリーダー格のボス(←名前です)と寡黙な相棒のチャーリーは、心配して町に様子を見に行ってみた。
すると、モーズはこの町の悪徳牧場主と配下の保安官らによって暴行を受け、留置所に入れられていたのだった。
2人はモーズを牢屋から出してやると、町の医者の所に連れて行き簡単な治療を受けさせてもらう。そしてこの時、チャーリーは医者の妻のスーに一目惚れしてしまう。だが、そんな様子はおくびにも出さずに、もう一人の仲間、若者のバトンの待つキャンプ地に戻るのだった。

キャンプ地に着いてみると、覆面をした謎の男達に見張られているのだった。「あいつらがモーズをやった連中に違いない」と、ボスとチャーリーは、夜、その連中の野営地を襲撃し、懲らしめるのだった。
だが、戻ってみるとキャンプ地は襲撃を受けた後だった。モーズとチャーリーの愛犬は殺され、バトンも意識不明の重体だった。
これは全て、余所者のカウボーイが大嫌いな悪徳牧場主の仕業なのだ。
ボスとチャーリーは落とし前を付ける為に町に戻る。その道すがら、チャーリーはボスに、自分がかつて戦場で多くの人間を殺した殺人マシーンであった事を打ち明けるのだった。



<見た後の個人的感想>
カウボーイズ 大スター、ケビン・コスナーが監督・主演を務めた西部劇です。コスナー監督主演と言えば、『ポストマン』という珍品がありましたが、今回は「大人の鑑賞にも耐え得る、傑作西部劇」と好評価で、さらに全米ではロングランヒットを飛ばすなど、まさにコスナーが大復活を果たした記念すべき映画となりました。

私は西部劇には全然詳しくないですし、これまでほとんど見てもいません。嫌いでは無いんですが、自主的に見ようと思う程の興味はありませんでした。
ですが今回、「コスナー大復活映画」であるところのこの映画に興味を持って、見に行ってみる事にしました。
で、この映画、確かによく出来た面白い映画でした。それも、「西部劇だから」というのは特に関係無く、一本の映画として面白いという印象でしたね。なので、別段、私に今後「西部劇ブーム」が来たりといった事は多分無いものと思います(笑)。

基本的には、西部劇のお約束に則った映画らしいですね。そしてそれプラス、主人公の2人のカウボーイの人物描写にかなり力を入れ、ただ凄腕の流れ者ガンマンが悪い奴を退治するだけという映画とは一線を画してるようです。
まあ、この辺の事は西部劇に疎い私にはよく分からないですが、この主人公2人、ケビン・コスナーとロバート・デュバル演じるカウボーイのキャラクターや会話、友情などは見ていて素直に感情移入出来る、面白いものでした。
コスナー演じるチャーリーは、まあいつものコスナーといった感じのキャラクターなんですが、自分にとって恥ずべき過去があり、その過去のせいでちょっと暗いような、神経質っぽいような人物でした。普段はナイスガイなんですが、ちょっと気難しいところがあるような感じですね。
一方のロバート・デュバル演じるボスは、名前の通りカウボーイ4人組のボス格という、度胸の据わった老年カウボーイです。こちらは、病気で妻と子供を 失っているという過去があり、また、相手が悪党でも情けをかけてやれる良心を持った男です。

そんな2人が、仲間を殺されたり殺されかかったりした事から、仕返しの為に銃を抜く事となります。
最近、全米では銃規制のドキュメンタリーが受けたりしている状況ですが、この映画では「銃による仕返し」を肯定してるような作りになってました。個人的には銃は規制すべきだと思ってますが、映画の中では悪党はバリバリ撃ち殺してOKとも思ってますんで、当然、見てて「暴力礼賛映画だ!」なんて目くじらを立てるような事はありませんでした(笑)。

映画は全体的に淡々と進んでいき、銃撃アクションは本当に最後の最後まで出てきません(まさに“最後の銃撃”)。それまでは会話メインで映画は進行していく事となります。
ですが、仲間が殺され、復讐に町に戻るという時点でだいたい1時間ぐらいです。復讐を決意してから銃撃が始まるまで1時間近くもあるんですよね。
本来なら、これは壮大な中だるみを起こしかねない状況ですが、この映画、特にストーリーや演出に起伏があるわけでもなく、常に一定の淡々したリズムで進行していくので、「中だるみしてる」という感じは全く無いんですよね。ただ、もうちょっとテンポがあってもいいんじゃないかとは思いましたが(笑)。まあ、ケビン・コスナー監督作が長いのは今に始まった事ではないんで、こちらも覚悟はしていましたけどね(笑)。
中盤は、主に医者の妻のスーとチャーリーの間に愛が芽生えていく的なドラマが展開されていきます。さらに、このスーが、実は医者の妻ではなく姉だった事も判明し、2人の仲はさらに急接近です。
そんな、個人的には映画の足枷でしかない“恋愛パート”も、やはりこれまでと同様のリズムで描かれていくので、特に邪魔に感じなかったですね。

エネミーズ そんな淡々としながらも力の入ったドラマシーンを経て、クライマックスでは「西部劇史上、最もリアルなガンファイト」という宣伝文句の付けられた銃撃シーンがおっ始まります。
それが本当かどうか分からないですが、確かに迫力のある、これまで待った甲斐のある(笑)、凄い銃撃シーンでした。
まず、撃ち合いの開始の合図とも言うべき、「一発目の銃撃」には思わず仰け反ってしまいそうになりましたね。ここから数秒の間の撃ち合いシーンにはほんと、興奮させられました。
見る環境にもよりますが、銃撃のサウンドの迫力も凄かったですね。撮り方も、凝ったアングルとかの出てこない、今時珍しいぐらいの正統派な演出なんですが(まあ、西部劇自体が今時珍しいんですが)、この「正統派演出」と「迫力の銃撃サウンド」の組み合わさった様は、CGバリバリ、凝ったアングルモリモリのアクションシーンとは違う迫力と凄さがありましたね。
私はVFXまみれのアクションシーンも好きなので、「どっちが凄い」とは言いませんが、最近、凝った映像のアクションの方が多いので、こういう正統派なアクションももっと増えてほしいですね。
ただ、「近距離で大人数で撃ち合う」という迫力あるシーンがあるんですが、ここで銃撃に参加してる全員を遠くから映すカットにおいて、「誰が誰だか分からない」という状況になってしまうんですよね。何しろ、衣装もみんな似たようなの着込んでますからね。これで「あそこで撃ってるのがコスナーだ」というのが分かれば、この銃撃シーンももっと燃えたんですけどね。



<プログラム情報>
・定価300円。全6ページ。プログラムサイズ“普通”
・イントロダクション・ストーリー各1ページ
・プロダクションノート1ページ


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