サラマンダー


REIGN OF FIRE

REIGN OF FIRE
02年 アメリカ映画 101分

監督:ロブ・ボウマン
出演:クリスチャン・ベール(クイン)
    マシュー・マコノヒー(ヴァンザン)
    イザベラ・スコルプコ(アレックス・ジェンセン)
    ジェラルド・バトラー(デイヴ・クリーディ)

 
 
 
 
 

<あらすじ>
ロンドンの地下鉄工事現場から、火を吹く巨大な生物“サラマンダー”が出現した!驚異的スピードで繁殖をし、その数を次々と増やすサラマンダーは、世界中で暴れ周り、人々を片っ端から食っていく。
人類はこの事態に核兵器でもって対抗するが、結局、自らの手で都市を破壊しただけで終わってしまった。

それから20年。人類はもはや絶滅寸前となっていた。その分、食料である人間がいなくなったため、サラマンダー達も餓えているという状況だった。

とある砦で生き残りの人達を集め、コミュニティーを作っているクインの元に、アメリカからやってきた軍人達が訪問してきた。彼らは独自の調査で、サラマンダーのオスが1頭しかいない事を突き止め、その唯一のオスがいると思われる、ここイギリスにやってきたのだ。



<見た後の個人的感想>
巨大なドラゴンが空から炎を吐きながら襲ってくる!生き残った人々は近代兵器でこれに立ち向かう!という内容の映画と聞いていたので、見る前は「GOZZILA」みたいな感じの怪獣映画、またはモンスターパニック物みたいな映画なのかと思ってました。
が、正体はそういった、“ドラゴンを怪獣に見立てた映画”ではなく、“ドラゴンはあくまでもドラゴン”であり、そのドラゴンを退治する勇敢な騎士の物語、というお話でした(私の中では、ドラゴンは、怪獣や巨大化した動物とはちょっと違う位置にいる存在なんです)。騎士といっても、舞台が近未来なので、甲冑を着こんで剣を振り回すなんて事はしません。代わりに、手には銃や爆薬付きクロスボウなんてのを持ったりします。
ポスターに武装ヘリが写っているので、ドラゴンとヘリとの空中戦があるのかと思っていたら、武装ヘリ自体が映画に出てきませんでした(笑)。ヘリや戦車は出て来る事は出て来るんですが、ヘリには武器が付いて無いですし、戦車は砲撃シーンが出てこなかったです。
あと、ストーリー展開も思ったよりも地味でしたし、舞台も近未来の荒野という事で何とも寂しい感じのする画になってました。

と、見る前の想像とことごとく違うので、見ながらかなり戸惑ってしまいました。でも、私はもともと、こういう“ドラゴン退治”のストーリーは大好きなので、見終わった後は大満足でしたね。
この映画、ジャンルは“ファンタジー”になるんでしょうかね。ファンタジーと言えば、超大物「ロード・オブ・ザ・リング」が最近ありましたが、あちらはファンタジー物の王道、「ドラゴン退治」というミッションがありませんでした。
それが今回、この「サラマンダー」でようやくドラゴン退治の話を見ることが できわけですね。やっぱり、デカい怪物との戦闘は迫力があります(「ロード・オブ〜」にも一瞬ありましたが)。

映画の“顔”であるドラゴンの造形や動きは素晴らしいものがありましたね。CG技術の進歩により、数年前のドラゴン映画「ドラゴン ブルース・リー物語」・・・ではなくて、「ドラゴンハート」に出てきた“コネリードラゴン”の数倍の迫力がありました(ちなみに、「ダンジョン&ドラゴン」は未見だったりします)。



<キャストについて>
主人公クインを演じるクリスチャン・ベイルは、実はこの映画で初めて見ました。なかなかいい男ですね。ヒゲ面も様になってました。
そして、“ドラゴンスレイヤー”の男、ヴァンザンを演じるのがマシュー・マコノヒー。まるで「ダブルチーム」のミッキー・ロークのようなマッチョ化での登場に驚いた人も多いようですね。
この人の出てる映画は「評決のとき」「U−571」を見ていますが、どうも印象が薄くて、顔もよく覚えてないんですよね。なので、いつもと違うスキンヘッドのムキムキマンで現われたところで、違和感も何もなかったです。多分、この人は私の脳と相性が悪いんでしょう(どんな理屈だ・笑)。
ですが、演じてるのが誰にせよ、このヴァンザンという人物はいいキャラクターでしたね。何しろドラゴンスレイヤーですからね。とんでもない男です。その存在感は、軍人というよりも“戦士”という感じがしましたね。



<プログラムについて>
定価600円。
プログラムには評論家の解説とかが載ってる場合が多いですが、これには“映画監督押井守と予告編演出家の佐藤敦紀の対談”というのが載ってました。
押井守はその筋では有名な人なので、なかなか興味深かったですね。



<画像の下より、内容について(注・ネタバレ有り)>

主人公クイン ドラゴンスレイヤー、ヴァンザン 3人パーティ サラマンダーズ なんて派手な卵だ!


“近未来の荒廃した世界”が舞台の映画ですが、実は私、こういう世界観の映画ってあんまり好きじゃないんですよね(「嫌い」まではいかないんですが)。
なので、中盤までは正直、そんなに面白く無かったです。砦の中で、子供達の前で「スターウォーズショー」をやるところとかは面白かったんですけど、何か見ていて「ちょっと退屈だなぁ」という感じがあったんですよね。
ですが、ヴァンザンが登場するあたりから映画の感じが変わってきましたね。ストーリー展開が「ドラゴンから逃げ隠れしながら生活していく」から「ドラゴンと戦う」という、アクティブな方向に行き始めるせいでしょうかね。
その、ドラゴンとの戦い方ですが、「上から網をかける」とは何だか豪快な作戦でしたね。映画に出て来るフリーフォールシーン好きな私としては(「ドロップゾーン」や「イレイザー」など)見ててかなり面白いシーンでした。
でも、心の片隅では、「あれ、武装ヘリは結局出ないの?戦車は砲撃しないの?」という思いもあったりしましたが(笑)。

あと、クインとヴァンザンという二人のリーダーの対立という、この辺のストーリー自体も面白かったですね。
話の主人公がドラゴンスレイヤーのヴァンザンの方じゃなくて、ドラゴンからひたすら隠れる事を選んできたクインの方というのもよく考えられてるな、という感じがします。そのおかげで、ラストのヴァンザンと共にドラゴンに立ち向かっていくくだりがとっても燃えるんですよね。
しかも、クインは、今退治に向かってるオスドラゴンが地中から復活した時の姿を子供の頃に見ている、というのも、何か運命的なものを感じさせてくれます。

ドラゴンとの対決シーンは2回出てきますが、中盤の戦略的に戦うシーンよりも、終盤の主人公二人が直接挑むという方が見てて燃えましたね。ビジュアル的には多分、この終盤の戦いの方が地味だと思うんですが、これまでキャラクターをしっかり描いてきた主人公が直接挑んでるとなると、やっぱり見た目以上の興奮が感じられますからね。
そうそう、終盤の闘いには、「ヴァンザンの決死の大ジャンプ」という名シーンがありましたね。あの滞空時間と飛距離の長さは驚異的でした。しかも、それが何の役にも立たなかったというのも見逃せない点です(笑)。



<エンディングについて>
ラスト、馬に乗って去っていくあたり、まるで中世の騎士といった感じでいいですね。
エンドクレジットが“歌”だったんですけど、個人的にはこの映画のエンディングテーマは、もっとファンタジーっぽい感じの音楽を流してくれた方が良かったですね。



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