
監督:アレクサンダー・ウィット
製作・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョボビッチ(アリス)
シエンナ・ギロリー(ジル・バレンタイン)
オデッド・フェール(カルロス・オリヴェイラ)
トーマス・クレッチマン(ケイン少佐)
ジャレッド・ハリス(アシュフォード博士)
マイク・エップス(L.J.)
サンドリーヌ・ホルト(テリ・モラレス)
ソフィー・ヴァヴァサー(アンジェラ・アシュフォード)
ザック・ウォード(ニコライ)
ラズ・アドチ(ペイトン・ウェルズ)
アリスに助けられたジル達は、とりあえず町をうろついてみる。すると、公衆電話が鳴りだした。出てみると、アンブレラ社の科学者が「脱出ルートを教える」と言って来た。それには交換条件があり、逃げ遅れて小学校に隠れている娘を救出してくれれば脱出ルートを教えると言うのだ。
学校に向かう一行の前に、ターミネーターを化け物風にしたような、ごっついのが現れ、ガトリングガンで邪魔をしてきた。
果たして、このごっつい奴の正体は?そして、アリス達は町を脱出する事が出来るのか!?
ゲームの映画化第2弾ですが、前作より一層「ゲームの映画化臭」の強い作りになってましたね。
ゲームの『バイオハザード』は、もともと映画を意識したような作りになっていたので、その映画版も、ゲームの雰囲気を出すのがかなり楽だったでしょうね。ゲームそのままの姿で登場する敵キャラ達も、アクションホラー映画に出てくるモンスターとして、特に違和感を感じさせなかったですからね。
ただ、ジルの衣装がゲームと同じなのはちょっと、変な感じがありましたけどね。何か、ゲームオタクがコスプレして出てるみたいな、妙なマニアック臭が漂ってるような感じがしたものです(ゲームをやった事も見たことも無い人なら、ジルの衣装には変な違和感は無いんでしょうかね)。追跡者ことネメシスもゲームと全く同じ外見ですが、こちらはモンスターの部類なので、あまり“コスプレ”という感じはしないですからね(笑)。
このネメシスですけど、外見も同じなら、歩く時の足音まで同じでしたね。しかも、ゲーム版でお馴染みのあのセリフまで、同じような声質で言ってくれました。そう、あの名セリフ「アイル・ビー・バック!」・・・・・・ではなくて、「イピカイエ。マザーファッカー」です(それも違う・笑)。
そんな、よりゲーム版に近づいた映画版『U』ですが、不思議な事に、ゲームをやっていた時に感じた雰囲気と映画を見て感じる雰囲気はまた全然違うタイプのものなんですよね。
例えば、私がゲーム版にハマってた頃、「こんなようなアクションホラー映画が見たいな」と思ったものでしたが、その当時の私がこの映画版『バイオ』シリーズを見ても、あまり満足感を得られなかったような気がするんですよね。
確かに、映像的にはゲームの世界がよく再現されていました。でも、私が思う『バイオハザード』の世界は、これとはちょっと違うんですよね。
では、映画版はゲーム版と何が違うのかと言うと、まず、何故か「強い女性万歳映画」になってる事と、全体的なノリですね。
前者については、例えば『トゥームレイダー』ならそういう映画になってても理解出来ますし(ゲームはやった事ないんですけど)、基本的に、ゲームとかアニメとか、異常に強い美少女が出るのが当たり前の世界ですけど(むしろ、マッチョヒーローが出てくる方が稀)、『バイオ』はそういう世界のゲームじゃないと思ってたんですけどね(あ、でも『3』は割とそのタイプか・・・)。
後者については、ゲームはもっと、アクションよりもホラーの要素が色濃い作りだったと思うんですが、映画はアクション寄りになってますよね。背景で流れる音楽のタイプもゲームと映画では正反対ですし。例えるなら、ゲームはロメロの『ゾンビ』に近く、映画はザック・スナイダーの『ドーン・オブ〜』に近いタイプですよね。
この、ゲームとの雰囲気の違いこそが映画版の見所ではあるものの、個人的には見てくれだけで無く、雰囲気もゲーム版を再現したような映画版を見たかったですね。
さて。『バイオハザード』と言えば、もちろんゾンビです。少なくとも、私にとってはゾンビです(笑)。ですが、前作のゾンビ達は、大した活躍もしないまま、ジョボビッチ嬢に次々やられていくという、何か損な役回りでした。しかも、襲い方にあまり覇気が感じられなかったです(死人に覇気も何も無いだろう・笑)。
ですが、今回は、ことゾンビ面に関しては大パワーアップを果たしてましたね。まず、その数がとんでもなく多いです。しかも、CGで水増しされてる感じが無かったんで、大量のエキストラを動員してる可能性大です。この、ゾンビの数の迫力は『ドーン・オブ〜』をも上回ってる感がありましたね。
そしてその動きもパワーアップしてました。最近は走るゾンビが流行ですが、ゲーム『バイオハザード』のゾンビは走りません。と言うことで、この映画版『U』のゾンビは早歩きで移動してるんです(笑)。まさに、昔ながらのノロノロゾンビと、新世代の走るゾンビの中間。どっちの利点も取り込んでいるような、ある意味でゾンビの進化の最高の形態なんじゃないだろうか。現に、『ドーン・オブ〜』の時はあれだけうるさく騒いでいた「走りゾンビ否定派」も、この映画の早歩きゾンビには特に文句をつけてないようですからね。
私は、『ドーン・オブ〜』完全肯定派ですが、全力疾走するゾンビよりはこの早歩きゾンビの方が広まってほしいと思いますからね(『ドーン・オブ〜』の映画を肯定してるのであって、走りゾンビを肯定してるわけではないので)。
そんなこの映画のゾンビ軍団、映画の性質上、登場シーンもそんなに多いわけではありませんし、レイティングの都合上か、派手に人を食う場面も出てこないです。でも、これだけやってくれれば、まあ充分ですよね。少なくとも、ここ数年の劇場公開作の中では、『ドーン・オブ〜』に次いで、ゾンビを楽しむ事の出来る映画と言えますからね。
そんな訳で、ことゾンビに関しては満足させてもらいました。
ですが。「アクション・ホラー映画」としては、かなり問題が有る映画ではありましたね。何しろ、アクションの要素もホラーの要素も、演出がもう、まるで駄目でした。
特に、アクションの映し方の酷さはもう目も当てられなかったですね。と言うか、見てても画面で何が起こってるのか分からないんです。最近のアクション映画でよく見る、「素早い編集、やたらブレるカメラ」というアクション演出になってるんですが、それがもう、群を抜いて見づらかったです。
銃撃アクションのシーンはまあ普通でしたけど、結構、接近しての格闘シーンなんかが出てくるんです。で、ここでそのメチャメチャな映し方が出てくるんですよ。
『ボーン・アイデンティティー』なんかもそういうタイプでしたが、あっちはまだ、マット・デイモンが戦ってる姿を見る事が出来ました。敵に攻撃を当てたり、敵の攻撃をいなしたりしてる様が、かなり見づらかったものの、目で追う事が出来ました。そして、「マットはアクションスターじゃないんだから、アクションシーンではこうやって編集でごまかす必要が出てくるんだな」思ったものでした。
ですが、この映画では、もうアクションシーンの最中、誰がどう動いてるのか、それも、手を動かしてるのか足を動かしてるのかすらもまるで分からないぐらいの凄まじいまでの見づらさです。
例えるなら、「ドラえもん」で、のび太がジャイアンにボコボコにされる場面などで、煙りみたいなのが描かれて乱闘を表現する場合がありますが、ちょうどあんな感じです(笑)。格闘の始まりと終わりは分かるんですが、最中は何が起こってるのか全然分からないんです。
しかも、そこで格闘を披露するミラ・ジョボビッチとかシエンナ・ギロリーとか、多分、結構頑張って動いてると思うんですよね(他のシーンの動きから推察するに)。トレーニングとかも積んだんでしょうに、気の毒な事です。こんな映し方じゃ、ヘボいアクションしか出来ない人がやろうが、ジェット・リーみたいな達人がやろうが一緒でしょうからね。
ただ、この映画版『バイオ』のセールスポイントの一つである「女性が超強い」という点はこれでも表現出来てたんで(ジャイアンの強さが、乱闘の後ののび太のボロボロ加減から推測出来るのと同じように)、これでも映画的には問題無いんでしょうね。
まあでも、いい加減、こういうアクション演出にも対応出来ないといけないですよね。最近は「アクションをしっかり撮るとボロが出る俳優」がアクションを演じる事が多い状況なので、こういうアクション演出の映画はまだまだ出てくるでしょうからね。そういう映画を見るたびに「見づらい見づらい」と文句を言い続けるのも馬鹿らしいですからね。
なんとか、こういうアクション演出を見ても燃えられるような鑑賞法を編み出さないとならないですな。
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