ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還


THE LOAD OF THE RINGS:THE RETURN OF THE KING
03年 アメリカ映画 203分

遂に完結!

監督・共同脚本・製作:ピーター・ジャクソン
音楽:ハワード・ショア
出演:イライジャ・ウッド(フロド)
    ショーン・アスティン(サム)
    ヴィゴ・モーテンセン(アラゴルン)
    イアン・マッケラン(ガンダルフ)
    ビリー・ボイド(ピピン)
    ドミニク・モナハン(メリー)
    オーランド・ブルーム(レゴラス)
    ジョン・リス=デイビス(ギムリ)
    ミランダ・オットー(エオウィン)
    バーナード・ヒル(セオデン王)
    デビッド・ウェンハム(ファラミア)
    カール・アーバン(エオメル)
    ジョン・ノブル(デネソール)
    ヒューゴ・ウィービング(エルロンド)
    リヴ・タイラー(アルウェン)
    ケイト・ブランシェット(ガラドリエル)
    アンディ・サーキス(ゴラム/スメアゴル)






<あらすじ>
滅びの山を目指すフロド達は、ゴラムの案内で険しい断崖を登り、ある洞窟に入っていく。だがそこは巨大蜘蛛シェロブの棲む洞窟なのだ。まんまとゴラムにハメられたフロドの運命はいかに!?

一方、ゴンドールの城、ミナス・ティリスにサウロン軍が総攻撃を掛けると知ったガンダルフは、ゴンドールを治める執政のデネソールにその事を告げに向かう。
だがデネソールは、この大事に当たっても特に大した行動をとろうともしない、困ったちゃんなのだった。仕方なく、ガンダルフは勝手に、他国への協力を要請する狼煙を上げさせる。
当初、ゴンドールへ救援に行く事を渋っていたローハンの王セオデンだが、その狼煙を見ると、ついに兵をミナス・ティリスに向かわせる事を決意するのだった。

一方、灰色港から旅立つ予定だったアルウェンは、「このまま去ってしまったら一生後悔する」と思い、裂け谷に戻る。そしてエルロンドに、アラゴルン専用の王の剣アンドゥリルを鍛え直してくれるように頼む。
ここに、ゴンドールの王の証しともいえる剣が復活するのだった。

ローハン軍と共にゴンドールに向かっていたアラゴルンは、道中、自ら出向いてきたエルロンドからアンドゥリルを手渡される。
そしてその剣を手に、ゴンドールの正当な王位を持つ者にだけが従わせる事の出来る“最強の軍隊”の力を借りに、死者の道に赴く。

一方、ミナス・ティリスでは、ついにサウロン軍の攻撃が始まっていた。この決戦の地には、ナズグルのボス“アングマールの魔王”の他、サウロンに与する南方のパオーム軍団や海賊軍団が向かっているのだ。
中つ国の存亡を懸けた運命の戦いが始まったのだ!



<見た後の個人的感想>
黒ヒゲと白ヒゲ 伝説の三部作、ついに完結!
これまでも“三部作の完結編”という映画は公開されてきましたが、そのほとんどが前2作からの期待に完全に応えてくれるものではありませんでした。
という事で、この『ロード・オブ〜』の完結編にも多少の心配はあったものの(予告編を見るまでは・笑)、出来上がったその映画は、まさに“完結編”に相応しい、壮大なものになってました。

ドラマ面は、3作同時撮影&一年毎の公開だったせいか、その質は3作とも一定して良かったですし、何より、見た目の派手さがかなりアップしていましたね。
今回、中つ国の命運を懸けたビッグな戦が起こるんですが、この戦闘シーンの迫力がもう、凄かったです。前作『二つの塔』の戦闘シーンがそれは大迫力で、これを越える事なんて出来ないんじゃないかと思っていたんですが、見事なまでに越えてきました。
スクリーンを埋めつくさんばかりの超大群の兵士達は、CGによる水増しだけでなく、実際に大量のエキストラを動員してるらしいですし、トロール、ナズグルを乗せたワイバーン(仮名)、パオームことオリファントといったクリーチャー達も大迫力でした。特に、ワイバーンの強襲シーンは『サラマンダー』もビックリな迫力でしたね。サラマンダーより小さいし火も吐かないですが、数が多いですからね。
また、次々出てくるサウロン軍の新兵器には、思わず「サウロン、脅威のメカニズム!」と口走ってしまいそうになるぐらいです(特に、ドラゴンだか狼だかの口の形をした、城門を破る兵器がイカしてました)。
この辺の兵器類は、やっぱりサウロンが設計したものなんでしょうかね。トロールの力を借りないと使用出来ないぐらいの巨大投石器なんかも、サウロンの書いた設計図を元にオークの職人が組み立ててたりするんでしょうかね(笑)。

最強の庭師と暗い顔の友人 ただ、ストーリー上仕方のない事とはいえ、前作で大活躍をしたアラゴルン、レゴラス、ギムリにあんまり活躍シーンが無かったのは残念でしたね。こういう、絵に描いたようなヒーローが大活躍するシーンはやっぱり見てて燃えますからね。一応、アラゴルンにはストーリー上の見せ場はありますが、「戦場で敵をバッタバタと斬り倒していく」という、ヒーロー的なシーンはあまり無かったですからね。
と言うのも、今回、この3人はあまり戦闘に参加しないんですよね。ストーリー上、戦闘中は別の所にいるので。
その代わり、戦場で頑張っているのが、ガンダルフとセオデン王、ついでにエオウィンでした。
カンダルフは杖と剣の二刀流でオーク共を蹴散らしたり、杖からナズグルを追い払う光を発射するという超必殺技“ガンダルフラッシュ(仮名)”を披露したりしていましたし、大将がアホなせいで浮足立っているゴンドール兵を代わりにまとめあげるという大役もこなしていました。この際のリーダーシップは頼もしいものがありましたね。さすが白のガンダルフ。助言だけをする賢者とはもはや次元が違います。そもそも、“白の乗り手”というあだ名も、何やら“赤い彗星”チックでいい感じです(笑)。シャア専用ならぬ、ガンダルフ専用の馬も、他の馬と比べて速いみたいですし。
リーダーシップと言えば、セオデン王も負けてはいませんでした。前作ではサルマンの呪いから復帰したてだったせいか、アラゴルンに完全に遅れをとってましたが、今回はふっ切れたかのような猛将っぷりでした。
そして、このセオデン率いるローハンの騎馬隊の突撃シーンは大迫力でした。前作のヘルム峡谷の戦いの決着をつけたのも、エオメル&ガンダルフ率いる騎馬部隊の突撃でしたからね。


恐怖のパオーム軍団 このように、この戦闘シーンで起こった凄い事を書いてたらキリが無いぐらいです。
まるで戦闘がメインの戦争映画みたいですが(と言うか、実際、“戦争映画”という面もあるでしょうね)、合間にはちゃんと、指輪を捨てる辛い旅を続けるフロド達のシーンが出て来ます。
こちらも、ゴラムの悪巧みによりフロドとサムの間に亀裂が出来たり、巨大蜘蛛が襲って来たりと、これまで以上に大変な事態が起こります。

上映時間が3時間半という、まさに常識破壊な長さの映画ですが、その上映時間中、特にダレる所も無ければ、「長い」と感じるような事も無いぐらい、見せ場がたっぷり詰まっているんです。

また、今回、フロド以外のホビッツもそれぞれに活躍シーンがありました。サムは前から特別な活躍シーンがありましたが、今回はさらに輪をかけた大活躍振り。恐らく、ホビッツの中でも、タフさ、戦闘力共に、この庭師サムが最強でしょうね。庭師、恐るべし、です。
これまではセット扱いだったメリーとピピンも、それぞれ、メリーはローハン軍、ピピンはゴンドール軍について戦闘にも参加していました。


と、長々と書いてきましたが、どうも、「このシーンが凄かった!」という程度の感想しか出てこないですね。と言うのも、上映時間は長いわ、登場人物は多いわという、あまりに壮大な映画なので、私の豚脳では感想をうまくまとめる事が出来ないんですよね・・・。



<プログラム情報>
・定価800円。全58ページ。プログラムサイズ“普通(やや幅広)”
・中つ国マップ1ページ
・ストーリー4ページ
・人物相関図2ページ
・映画の解説5種
・主要キャスト・スタッフのインタビュー3ページ
・単語解説3ページ
・プロダクション・ノート4ページ
・ビジュアルだけのページ25ページ
・キャラクターグッズの案内2ページ
・広告2ページ


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(下の方にネタバレ有りの感想があります)
















帰還した王 この映画の公開前、一作目と二作目のサントラを毎日のように聞きまくっていたんですが、その中でも「明るい曲」というのが、『旅の仲間』のホビット庄のシーンで流れた曲しか入ってないんですよね。登場人物達はずっと辛い旅を続けていたせいか、その曲の方も「平和な感じの曲」というのはほんとに最初にしか無かったんです。
で、『旅の仲間』のサントラのホビット庄のシーンの曲を聞くたびに、「『王の帰還』のラストではこんな感じの曲が流れるような展開になってほしいものじゃ」と思っていました。
そして実際に『王の帰還』のラストを見て、例の“ホビット庄のテーマ(仮名)”のちょっとアレンジされたバージョンが流れた時はほんと感動的でしたね。しかもその場面が、サムの結婚式のシーンの前後という、まさにハッピーで平和的なシーンで流れましたからね。

それにしても、この映画のラスト。サムが主役の話だったら号泣するぐらいのラストでしたねぇ。ラストショットもサムが家族と家に入る所でしたし。これまでの過酷な旅が報われたという形のラストでした。
ですが、実際の主役であるフロドは、謎のまま西に旅立ってしまいましたからね。それも、今回の指輪を捨てる旅を始める前から願ってたものだったらいいんですが、そういうわけでも無さそうですからね。
指輪を捨てる任務は達成出来たものの、その魔力は今尚、元所持者を蝕んでいる、という事なんでしょうかね。ビルボも未だに指輪を欲しがる素振りを見せていましたし(多少の執着を見せる程度ですが)。もう、普通の世界では暮らしていけないような状態になってしまっていたんでしょうか。
あと、『旅の仲間』において、アキロンの大王・・・、ではなくて、アングマールの魔王に刺された傷も一生痛み続けるらしいですし。きっと、「雨の前日になると痛み出す」なんてものではないんでしょうし、痛み止めの薬なんかも無いんでしょうからね。

もしかしたら、映画的には、「命と引き換えにして指輪を葬った」という形の方が感動的だったのかもしれないですね(さらに、エンディング・テーマを歌うのがセリーヌ・ディオンとか・笑)。まあ、そんな事をしたら原作ファンが暴れ出しかねないですが。


ところで、指輪の廃棄にあたり、結果として大いに役に立ったゴラムですが、前作で悪い人格を一時的に封じ込める事に成功していた事もあり、今作ではどんな行動を見せるんだろう?と思っていたんですが、結局、「腹黒い悪者」のまま終わってしまいましたね。



(下の方にネタバレ感想2がありますが、『マトリックス レボリューションズ』のネタバレも含まれているので注意)
















この映画を見終わってふと思ったんですが、『マトリックス レボリューションズ』のストーリー展開と似てる所がありますよね。
例えば、フロドがお供を一人連れてみんなと別行動で敵の本拠地に向かっているように、ネオもトリニティと二人で、他の仲間と別行動で敵の本拠地に向かっていきましたからね
他にも、映画のメインが大規模の戦闘シーンで、「敵は超大群、味方はわずか」な状況であり、そこで主に活躍するのが“2作目から登場したキャラクター”というのも共通してますしね。
さらに、その決戦の幕切れが、別行動の主人公が任務を達成したおかげで、敵が一気に全滅という形でしたし、その主人公は、「自分の“裏”的な存在(フロドはゴラム、ネオはスミス)との戦いに、勝ったんだか負けたんだかよく分からない決着のつけかたで勝った」というものでした。

これは多分、ウォシャウスキー兄弟が『マトリックス』を作るに当たって参考にしたものの中に「指輪物語」も含まれていた、という事なんでしょうかね。

でも、こんなにストーリー展開に似てるところがあるのに、映画の評価は全然違うというのが面白いですね。これは、『マトリックス』のシリーズ最終作で「指輪物語」的展開を見せる必然性が感じられないせいなんでしょうかね。



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