スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー


1939年、ニューヨーク、巨大ロボット襲撃――。

SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW
04年 アメリカ映画 107分

監督・脚本:ケリー・コンラン
共同制作:ジュード・ロウ
音楽:エドワード・シェアマー
出演:ジュード・ロウ(“スカイキャプテン”ジョー・サリバン)
    グウィネス・パルトロウ(ポリー・パーキンス)
    アンジェリーナ・ジョリー(フランキー・クック)
    ジョバンニ・リビン(デックス)
    マイケル・ガンボン(ペイリー編集長)
    バイ・リン(謎の女)




<あらすじ>
1939年のニューヨーク。世界に名の知れる科学者達が謎の失踪を遂げる事件が続いていた。NYクロニクル紙のポリー・パーキンスは、独自にこの事件の調査をしていた。
そんな折り、ニューヨークに謎の巨大ロボットと戦闘機が大挙して押し寄せてきた。果たして、科学者の失踪事件とこの巨大ロボット出現は、何か関連があるのだろうか!?
この巨大ロボ達の破壊行為を止めるべく、空軍のエース・パイロットでスカイキャプテンの愛称で有名なジョー・サリバンが、自慢の愛機で飛び立った!



<見た後の個人的感想>
笑顔が眩しい、我らがスカイキャプテン 出演者と小物以外は全てCGという、画期的なのか何なのかよく分からない手法で撮られた映画です。
でも、最近の『スター・ウォーズ』とか『マトリックス』シリーズといった、一応実写映画の範疇に含まれてるSF映画とほとんど変わらない印象でしたね。この辺の映画も、背景がCGというシーンがかなり多いですからね。
背景以外の、飛行機やロボット等がCG製である事も、『スター・ウォーズ』やらなんやらですっかり見慣れてる事ですし。
という事で、“役者以外CGである”事には特に違和感というのは無いんですが、同時に、驚きも無かったですね。下手したら、事前に情報を知っていなければ、人間以外は全部CGだったという事に気付かなかったかもしれません。
こうなると、「こういった手法でこの映画を作った意味は何なんだろう?」という気もちょっとしましたね。全編、実写と見紛うばかりの良くできたCG映像のこの映画と、一部、実物ロケが交じってる他のCGバリバリのSF映画との違いは何なんだろうと。
あと、この映画のストーリーを語るに当たって、ジャンルに“オールCGのCGアニメ”を選ばなかったという点にも何か理由でもあるんでしょうかね。ここまできたら、いっそ、人間も超リアルなCGで表現しても良かったんじゃないんだろうか。何しろ、この映画と同時期の公開の『ポーラー・エクスプレス』なんて、まさにそういう映画でしたからね。
まあ、これは単純に、CGで人間を作るよりも、実写で撮った方が安上がりだからなんだと思いますが(笑)。

迫力の空中戦! と言う訳で、この映画の特色、「役者と小物以外CG」という点には何の有りがたみも無かったんですが、それは決して、この映画の評価を下げるものではありませんでしたね。言ってみれば、これはこの映画を楽しむに当たって、「別にどっちだっていい」ような事ですからね(CGに反発を覚える人にとっては大問題ですが・笑)。
私はこの映画、「CG映画」というより、「SFアドベンチャー映画」として楽しめる、いい映画だったと思います。
レトロな雰囲気の町並みやロボット等兵器類のデザインもユニークで良かったですし、「レトロなんだけど、スゲェ科学力が普通にある」という世界観もまた面白いものでした。

見る前は、大空のエース、スカイキャプテンが、敵ロボットや飛行機と空中戦を繰り広げるのがメインの映画なのかと思ってたんですが、スカイ・アクションシーンは思ったよりも多くないんですよね。実はメインは冒険アドベンチャーでした。
全体的に、『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』といった、ジョージ・ルーカス関連の映画への影響もしくはリスペクトが感じられる作りでしたが、私はどちらかと言うと『インディ・ジョーンズ』に近い雰囲気を感じましたね。多分、時代設定が『スター・ウォーズ』より近いせいでしょう(そんな所が原因か・笑)。
試蜷l公の職業を考古学者から戦闘機のパイロットに変え、得意の武器をムチから飛行機に変えた『インディ・ジョーンズ』といった感じですかね。

この、冒険アドベンチャーに重きを置いたような展開は楽しくていいんですが、見てて楽しいんだけど、思ったよりは盛り上がっていかない。そんな感じもありました。
そして、この、映画があんまり盛り上がって行かなく感じる原因はハッキリしてます。
それは、グウィネス演じる新聞記者のキャラクターが見ててムカつくからです(笑)。
こいつがもう、腹が立つぐらいにアホで我がままなんですよ。自分が我がまま言って主人公の乗る飛行機に同乗したクセに、後ろでギャーギャー文句言ったりするんですよね。さらに、洞窟に入ったと思ったら、勝手に一人で単独行動を始めて敵に取っ捕まってみんなに迷惑をかけたりもしてました。お前は、保護者が常に監視していないといけない子供か。
これが、10歳前後のお子様がやってる行動だったらまだ納得がいきますが、この人、歳いくつだよ。もう分別もついてていい頃だろ。
確か、『ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン』にも、こんな女記者が出てたような気がするんですけど、向こうではこういうのがカッコいい女性ジャーナリストだという風潮があったりするんですかね。

ロボット軍団 と、本来なら「コイツのせいで映画を台なしにされた!」と憤ってしまう所ですが、どうにか、そこまで腹は立たずに済みました。なぜなら、行く先々で披露されるコイツのバカな行動とそれに迷惑する主人公、という姿が、次第に、コントの“ボケとツッコミ”の姿とだぶって見えてきたせいでした。本気のバカとコントのボケ役とでは、その印象は大きく違いますからね。
例えば、『ミスター・ビーン』で、ビーンを演じるローワン・アトキンソンは、ビーンの行動を“8歳の子供の行動”を意識して演じたものだというような事を語っていました(子供の年齢はうろ覚えです)。
8歳の子供がバカな行動をして人様に迷惑をかけてる姿を見るとムカついてきますが(大人げないな・笑)、ビーンがバカな行動をして他人に迷惑をかけてる姿は、バカを“演じている”わけなので笑えますからね。まあ、実際に迷惑を被ってる側からしたら、ビーンみたいな人が相手の方がよっぽど嫌でしょうけど(笑)。
映画自体も、全体的にユーモア感覚に溢れていて「見てる人を不快にさせよう」というより「見てる人をとにかく楽しませたい」という思いが伝わってくるようで、ムカつく奴が主要キャラであるにも関わらず、鑑賞後には爽やかに気分でいられましたね。
また、映画を盛り上げる為にここぞという所で挿入されるのが、「主人公を襲う危機また危機の大アクション!」ではなく、「ヒーローとヒロインのコント」という辺りが、『インディ〜』や『スター・ウォーズ』とこの映画の面白さの違いでもありますね。

ところで、途中でアンジェリーナ・ジョリーが顔を出すんですが、これがまたイカしてましたね。むしろ、こっちがヒロインという立場の方が面白い映画になったんじゃないんだろうか。
最後の退場の仕方も最高でしたね。あんなにカッコ良く去って行く人を見たのはいつ以来だろうと思うほどです。
それにしても、あんな短い登場シーンで、あれだけの印象を残していくんですから、やっぱりスターの力は凄いですな。



<プログラム情報>
・定価600円。全30ページ。プログラムサイズ“普通”
・イントロダクション1ページ
・ストーリー2ページ(文章部分は少量)
・キャラクター紹介2ページ
・ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウのフィルモグラフィー&インタビュー各1ページ
・ケリー・コンラン監督のインタビュー2ページ
・インタビュー形式風、映画の解説2ページ
・『スカイキャプテン』小事典3ページ
・プロダクションノート1ページ


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