スパイキッズ3−D:ゲームオーバー


SPY KIDS 3-D: GAME OVER
03年 アメリカ映画 84分

監督・製作・脚本・編集・音楽:ロバート・ロドリゲス
デジタル撮影:ロバート・ロドリゲス
プロダクションデザイナー:ロバート・ロドリゲス

ゲームオーバー

出演:アントニオ・バンデラス(グレゴリオ・コルテス)
    カーラ・グギノ(イングリッド・コルテス)
    アレクサ・ヴェガ(カルメン・コルテス)
    ダリル・サバラ(ジュニ・コルテス)
    ダニー・トレホ(イサドール・マチェッティ・コルテス)
    シルベスター・スタローン(トイメーカー)
    リカルド・モンタルバン(グランパ)
    ホランド・テイラー(グランマ)
    ジョージ・クルーニー(デヴリン)
    マイク・ジャッジ(ダナゴン・ギグルス)
    サルマ・ハエック(フランチェスカ・ギグルス)
    マシュー・オリアリー(ゲイリー・ギグルス)
    エミリー・オスメント(ガーティ・ギグルス)
    アラン・カミング(フループ)
    トニー・シャローブ(ミニオン)
    スティーブ・ブシェミ(ロメロ)
    ビル・パクストン(ディンキー・ウィンクス)
    チーチ・マリン(フェリックス・ガム)
    イライジャ・ウッド(ザ・ガイ)




<あらすじ>
大人気のゲーム「ゲームオーバー」は、世界中の子供達を頭の中から支配するために悪者トイメーカーが発明したものだった。
秘密諜報員組織OSSを辞め、探偵業を始めていたジュニは、姉のカルメンが「ゲームオーバー」の世界で捕まってしまったと聞き、危険なゲームの世界に赴くのだった。



<見た後の個人的感想>
シリーズ3作目ですが、私は過去のシリーズを見ていません。子供向け映画という事で特に興味を持っていなかったんですが、今回は悪役にスタローン御大が起用されている!という事で仕方なく(?)見に行く事となりました。

本来は、ビデオで過去のシリーズを予習してから行くべきところだと思うんですが、「久しぶりに、続編から見てみるのもいいかな」思い、敢えて前2作をみずに3作目に臨みました(そう言えば、『トゥームレイダー』も続編から入ったんだっけか・・・)。
そのせいで、各キャラクターへの思い入れも皆無という状況だったのですが、何か、過去のシリーズで出てたと思しきキャラはほとんど最後にちょこっと出て来ただけでしたね。それに、どうも「前作までの方が面白かった」という意見もあるようなので、「3から見てみる」という選択は悪くなかったのかもしれないですね。

この映画の最大のウリが、ジェームズ・キャメロンも技術協力しているという3D映像で、劇場で配られる赤青メガネをかけると、画面が飛び出して見えるというものです。
何とも珍しい趣向なので、楽しみ半分、いい歳した男が一人赤青メガネを装着する事に対する恥ずかしさ半分といった状況でした。
まあでも、映画を見に行くことに決めてからはそれなりに楽しみにしていた3D映像なんですが、これがまた、思ったより飛び出して見えないんですよねぇ。うまい見方をするとかなり立体的に見えるんですが、これをやると目が思いっきり疲れるので、結局、その見方はほぼ封印してました。
この映画の映像、立体じゃないと赤と青の線がブレて、物や人物の輪郭もしっかり見えないぐらい滲んだ映像に見えるんです。しかも、赤と青の色が強いという事で、とっても目がチカチカします。
という事で、目玉のはずの3Dは欠点ばかりが目立ってしまいましたね。多分、3D処理の施されてない映像でこの映画を見たらもっと楽しめたような気がします。

映画自体は、主人公がゲーム内という仮想現実空間で戦うという、『マトリックス』の子供版みたいな話で、まあなかなか夢があってよろしいです。「ゲームの中の世界に入ってみたい」とは子供の頃の私の夢でしたからね。

ですが、主人公のジュニがなぜか全然活躍してくれません。これはちょっと、見ててイライラがたまってしまいますね。見ていて「俺だったらもっとうまく立ち回れるのに!」とか歯痒い思いをしてしまいました。このジュニという人物、前作からこういうキャラクターなのかもしれないですが、主人公なんですからもっと活躍してほしかったですね。
例えば、『ゴースト・ハンターズ』なんかも主人公が役に立たないタイプでしたが、こっちは“ギャグシーンで大活躍をする”という事で、きちんと映画を盛り上げる役割は果たしていました。ですが、この映画のジュニはそれすらも無しです。まさに何の役にも立ってませんでした。せめて、主人公に魅力があればもっと面白く見れたと思うんですけどね。
あと、途中からゲームに復帰する姉のカルメンの方も、やたら強気ではあるんですが、あんまり活躍をしているという印象が無いです。結局、何だか分からないうちにゲーム=ストーリーが先に進んでるという感じでしたね。

その肝心の、舞台となるゲームの中の世界なんですが、私の中の“ゲームの世界”とはちょっと違うんですよね。「こんなのがゲームの世界!?」みたいな。
なので、見ていて馴染めないし、ついて行けないという感じがありました。まあ、私の中のゲームの歴史は2Dの時代で止まってるんで、それが原因なだけな話のような気もしますけどね(笑)。やっぱり、背景とか敵キャラとかはドット絵で書かれていてほしいです(何年前のゲームの話だ・笑)。
でも、赤と青で滲んだ見づらい映像じゃなければ、また違う感想が出たような気もするんですよね。あぁ、やっぱり3Dじゃないバージョンで見てみたい・・・。



<キャストについて>
まあ、とにかく無駄に(?)豪華なキャストです。でも、そのほとんどがゲスト出演なんですけどね。
その豪華ゲスト出演陣の中で最も出番が多かったのが、トイメーカー役のスタローンです(これはゲスト出演とは言わないか・笑)。スタローンが悪役をやるのは『デスレース2000年』以来なんでしょうか。あの頃とは違って、今は「(元)大スター」という立場にいるわけですが、ただでさえ少ない登場シーンでも、決して「前に出よう、目立ってやろう」という気がなく、あくまでも「スパイキッズの悪役」として演技してるところが素晴らしいですね。
また、多重人格者という設定で、5人の人格を持ってるキャラなんですが、その別人格が「一同に会している」というのがユニークでしたね。
ただ、メインに出てくるのはなぜか4人でしたけどね(ニュースキャスターのは別人格という訳ではないのかしら?)。
トイメーカーの格好の主人格の他、別人格に警官みたいな格好の奴とハゲ科学者、占い師みたいな格好の奴がいて、当然それぞれ性格が異なっています。
で、この4人(?)のやりとりがところどころで出てくるんですが、これがまた見てて面白いんですよね。「笑える」というわけではないんですが、何か面白いんです。
4人のスタローンも、何か妙なテンションという感じはするものの、決して浮いてはいませんでしたね。「コメディ映画みたいに、見てて笑えるとまではいかないものの、どことなく軽妙な感じ?」という、この映画全体のカラーにうまく染まっているようでした。
出番の少なさもあって、とにかく「もっと見ていたい」と思わせてくれるキャラクターでしたね。

他の豪華ゲスト出演陣は(シリーズの常連ですがゲスト出演クラスに落ちた人も含め)、アントニオ・バンデラス、ジョージ・クルーニー、サルマ・ハエック、ダニー・トレホ、アラン・カミング、スティーブ・ブシェミ、ビル・パクストン、イライジャ・ウッドなどがいました。
中でも一番出番の多かったサルマ・ハエックは意外にも過去のシリーズでは出てなかったんですね(プログラムによると)。
ところで上記の皆さん、普通の映画に出てる時とは違う、「スパイキッズ用テンション」な演技をしている感じなんですが、ジョージ・クルーニーだけはいつもと変わらない調子でしたね。ただ、一ヶ所だけ壊れた所がありましたが・・・(笑)。

プログラムのキャストのプロフィールを見て知ったんですが、カルメン役のアレクサ・ヴェガは『グリマーマン』に出てるんですね。まさか、ゼカールの娘役か?



<プログラムについて>
定価600円。表紙が3D仕様になっていて、最後のページには3Dメガネを収納するスペースが設けられています。
内容は、子供向け映画という事で、その文章も子供向けなものとなっていて、ページによって、漢字にフリガナがふってあるところもあったりします。

映画の解説と3D映像の解説が読み物としてあるんですが、意外に内容はしっかりしていました。下手な一般映画のプログラムよりも濃い内容かもしれないぐらいです。
ただ、プロダクションノート(いわゆる、製作秘話やメイキング)のページはありませんでしたね。やっぱり、「この映画いかにして企画されたか。キャストはどのようにして集められたか」なんて話、子供は興味無いでしょうからね(笑)。
また、私のように「3」から入った人間にとって、とっても分かりやすい人物相関図があったのはありがたかったです。しかも、その人物がシリーズの何作目に出ていたのかまで記してあります(ちなみに、「3」に登場しないキャラは載ってません)。



<画像の下より、ネタバレ有りの感想>

ゲーマーズ スタローンズ 戦況を見るトイメーカー



何だかゲームはよく分からないうちに終了したような気も無きにしもあらずでしたが、ともかく、最後はトイメーカーがゲームの世界から現実世界に現れて、「巨大スタローンロボ」に乗って襲ってくるという愉快な展開に。あぁ、ようやく私のついて行ける展開になったぞ(笑)。これまでのゲームの中の世界より、こっちの方がよっぽど夢があります。
それに対抗する為、これまでのシリーズに出て来たキャラクターが空を飛んで助けに来ます。この、“登場人物の誰も彼もが空を飛ぶ様”は何か楽しかったですねぇ。
特に、スティーブ・ブシェミは「羽根の生えた巨大なブタ」ことポーキーに乗って登場しました。こいつを見た瞬間はもう、思わずニンマリでしたね。まさか『スパイキッズ』を見に行ってブタに会えるとは思ってもみませんでした。もし、スタローンが出ていなければ間違いなく見なかった映画だけに、「ありがとう、スタローン!」と言いたい(笑)。
そうそう、このスタローンロボとの戦いのシーンで、カルメンが若い男(「2」に出てたらしい)に「すぐに助けに来て」と連絡したところ、次のシーンではもう現場に到着していて「すぐに来た」とか言ってる所は笑えましたね(笑)。

最終的にはグランパの説得でトイメーカーは改心。ラストショットではみんなと手を合わせてすっかり仲間になってしまいました。もし続編が作られたら、他の連中(アラン・カミングやブシェミなど)みたいに味方として登場!なんて事もあるんだろうか。
それにしても、このトイメーカーが、いつものスタローン演じるキャラのように「何かしらの過去のある男」だったという設定だったのは嬉しいものがありましたね。「おおっ!いつものスタローンだ!」というのに加え、脚本のロバート・ロドリゲスがちゃんとこのトイメーカーをスタローン用のキャラとして書いていた、という点も嬉しいものがありました。

ところで、ゲームの世界でジュニと行動を共にしていた3人組ですが、現実の世界ではゲームの中の性格とは全然違う、単なるオタクな連中だったというのはウケましたね。
なんかこれ、ネットの世界でも通じるものがありますよね。掲示板なんかでエラそうな発言してる奴とかも(ツリー型の掲示板でよく見かける気がする)、実際にはとても人に面と向かって強い事を言えないような奴だったりしそうですからね。



<エンディングについて>
エンディングテーマ「ゲームオーバーのテーマ」の背景でNGシーンやメイキングシーンが映されてました。
その中で、デヴリンの顔と声がトイメーカーに変わって行くというシーンで、「声はスタローン、顔はクルーニー」の状態の時、声もクルーニー本人がスタローンのモノマネで出していたのがここで判明。ですが、その後の「これで俳優生命も終わりだ(笑)」という発言はどういう意味なんでしょう?一瞬、「スタローンのマネをしたから俳優生命が終わる」という意味なのかと思ってしまいました(まさか、そういう意味で言ってるわけじゃないですよね?)。
それにしても、一部で声が似てるという噂の二人ですが、クルーニーのスタ真似はほんとソックリでしたね。

エンドクレジットが終わった後、おまけ映像として、主演のキッズ二人の一作目の時のオーディション風景が出てきましたね。「シリーズを見ているファンへのボーナス映像」という事らしいですが、さすがに私にとってはまさにどうでもいい映像でした(笑)。



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