ターミネーター3


RISE OF THE MACHINES

TERMINATOR3:RISE OF THE MACHINES
03年 アメリカ映画 110分

監督:ジョナサン・モストウ
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー(ターミネーター)
    ニック・スタール(ジョン・コナー)
    クレア・デーンズ(ケイト・ブリュースター)
    クリスタナ・ローケン(T−X)
    デビッド・アンドリュース(ロバート・ブリュースター)
    マーク・ファミグリエッティ(スコット・ピーターソン)
    アール・ボーエン(シルバーマン博士)




<あらすじ>
1997年8月29日に起こると言われていた「審判の日」は、10年前の戦いにより回避されていた。
だが、妙な不安感を拭い去る事が出来ずにいるジョン・コナーは、何かから逃げるかのようなその日暮らしの生活を続けていた。

そのジョンの不安は的中する事となってしまう。再びジョンの前に2体のターミネーターが現われたのだ!



<見た後の個人的感想>
『T2』以来、12年振りとなるシリーズ3作目がついに登場です。
ただ、“待望の3作目!”というよりも、“なぜ今更3作目?”という感はありましたけどね。製作決定の報を聞いたときは、このところ不調だったシュワが人気復活のために過去のヒットシリーズをわざわざ引っ張り出してきたのかと思ってしまったほどです(実は今まで「3」が作られなかったのは権利の問題もあったらしいですね)。
さらに、今回は前2作の監督ジェームズ・キャメロンがノータッチであり、シュワがまた大量の出演料を頂いているらしい、というのを聞くにつけ、この映画への不安は高まる一方でした。
これまで、「1」「2」は良かったのに、「3」でズッコケたシリーズとか結構ありましたし、見せ場となる特撮シーンも、CGやVFXにかける金をシュワの出演料にとられてショボくなってしまうのではないか等、この映画は期待よりもむしろ不安の方が大きかったです。

で、そんな『ターミネーター3』を実際に見たわけですが、どうやらこの映画に対して、“過剰な期待感”を持ってなかったのが良かったらしく、私にとっては大変満足いく映画となってました。
不安要素の一つの、アクションシーンへの金のかけっぷりも、心配することなど何もないぐらいに、ありとあらゆるものをぶっ壊しまくってましたね。どうやらこの映画の製作費、シュワに大量の出演料をつぎ込んでもまだまだ余るぐらいあったようです(笑)。
とにかく、アクションシーンの派手な事といったら、もう凄かったですからね。まさに、“やり過ぎなぐらいに派手”。
ですが、これこそ私が長年、シュワ映画に求めていたものだったんですよね。私がシュワ主演作を見に行く時は、必ず“派手さ”を期待して見ます。爆破シーンなどの見た目の派手さもありますが、何よりも、主人公を演じるシュワの行動に「おいおい、それはやり過ぎだろう」と思えるような箇所があってほしいんです(だって、そういうのが似合う人ですからね)。
そして、これまでその期待はことごとく裏切られてきました。確かにどの映画も派手ではありましたが、私の期待ほどではなかったんです。期待以上だったのは、唯一『イレイザー』のみでした。
そして登場したのが、この『ターミネーター3』ですよ。もうこの映画、私の期待するシュワ映画そのままという感じでしたね。もうシュワも歳だし、私の期待するような映画には出てくれないのかなと思っていただけに、最初にこの映画を見た時は感動に近い驚きがあったものです。

ただ、正直言って、『ターミネーター』の続編としては、この映画はどうなんだろう?という気はします。気はするどころか、ダメでしょう、これは。
何しろ、もはや伝説のシリーズと言っても過言ではないですからね。このシリーズの3作目の製作で最も重要だったのは、多分“3作目を作らない事”だったんじゃないかと思います。どうやったって、前作を越える事なんて出きっこないんですから(何せ、伝説になってるわけですからね)。

なので、もし私がこのシリーズのファンだったなら、多分、シュワが期待以上の働きを見せてくれたとしても、そんなにいい印象は無かったと思います。

そう、実は私はこのシリーズのファンではないんです(笑)。確かに面白い映画ですし、「2」はもう飽きるぐらいに見てます(主にテレビ放映でですが・笑)。ただ、その「2」を見る際にも、上で書いた「シュワ映画に期待すること」は適用されていたので、初めて見た時も多少の物足りなさがあったんですよね。あと、何よりもジェームズ・キャメロンの作風があまり肌に合わないというのもありますね。
そもそも、初めて「2」を見に行った時、私はこの「3」のような映画を期待して見に行ってたりしたので、今回、「3」がこういう映画になった事に対して、私個人的に言うと「全く問題無し(むしろ、よくやった!)」なのです。

なので、「3」を楽しく見る最大のポイントは、「いかにシリーズへの愛着を持たずにいられるか」のような気がしますね。ただ、一映画ファンとしては、このシリーズの3作目があまり支持されないような出来になったのは寂しくもあったりするんですが。

一応、ストーリー展開とかはこれまでのシリーズの約束事を踏襲したものにはなってるんですけどね。と言うか、ほとんど「2」の焼き直しみたいな展開でしたからね。
ただ、その「2」から、ジョンとターミネーターの交流のシーンを抜いた形の焼き直しなので、ストーリーに物足りなさを感じる人もいるでしょうね。
しかも、このまさに抜かれた部分こそ「2」が支持されてる要因だったわけですから、続編を作る以上、その辺を汲んだ脚本にしてほしかったような気もします。

ただ、私にとっては、ジョンとターミネーターの友情とか、「1」のサラとカイルの関係とか、心の琴線に全くかすらない類のドラマなので、無くていいんですけどね(笑)。続編でまた同じような事をやられてもうんざりするだけです。
私にとってこのシリーズの好きなところは、マシーン同士、またはマシーンと人間の壮絶な戦いをビジュアルで見せてくれる点であるため、この映画が「ドラマ面を最低限度まで削ぎ落とした」という形になっていて、かなり有りがたかったです。シリーズでようやく、最初から最後まで一度もダレることなく見られるものが出てきてくれました。

よりアクションメインな作りになったわけですが、そのアクションシーンがちゃんとストーリーを盛り上げるために入ってると感じられるのがいいですね。“アクションとアクションの合間に申し訳程度でストーリーが入ってる”という感じではないんですよね。
これは、この映画のストーリー自体がアクション映画向きの話になってたという事なんでしょうね。



<キャストについて>
主演のシュワは、12年振の当たり役を嬉しそうに演じてましたね。やっぱり、ターミネーター役はよく似合ってますし、カッコいいです。
そして、ガトリングガンをバリバリぶっ放す姿のなんと勇ましいこと!この銃の世界一似合う男ですよね。こういう、派手な重火器を無表情でぶっ放すシュワを見てるだけで幸せな気分になってしまいます(笑)。

この映画、主要な登場人物が少ないです。メインになるのは、ターミネーター、ジョン、ケイト、T−Xの4人ぐらいですよね。
そして、ターミネーター役のシュワを除いた3人が全員同い年(79年生まれで、今年24歳)というのはちょっと驚きでしたね。ニック・スタールとクレア・デーンズが同い年というのは分かりますが、クリスタナ・ローケンも同い年とは。てっきり、30前後ぐらいいってるのかと思ってました(どうも失礼しました)。

ジョン・コナー役は、前作のエドワード・ファーロングと全然似てないニック・スタールに変わりましたが、これがまた悲しいぐらいに不評ですね。
別に演技が下手というわけではないんですが、やはりあの容姿でファーロングの後釜というのがマズかったんでしょう。これは本人のせいではなく、キャスティングディレクターのせいですよね。
ニック・スタール的には最高の仕事をしたと思うんですが、きっと観客には評価してもらえないんでしょうね。気の毒なことです。

これまで、私が見ないような映画にしか出てなかったクレア・デーンズがこんなビッグバジェットな大作映画に出て来るとは意外でしたね。
これまでのこのシリーズのヒロインがリンダ・ハミルトンだったのを考えると、出演女優に関しては「3」がシリーズ最高ですね(笑)。

敵のターミネーター、T−X役のクリスタナ・ローケン(クリストファー・ウォーケンみたいな名前だな・笑)は、表情がとってもクールで良かったですね。
アクションシーンでも、無理にマーシャルアーツを使ったりとかしないので、粗が出なくてよかったです。



<プログラムについて>
定価700円。主要キャスト、監督のインタビュー、前シリーズのストーリー、登場マシーンなどの簡単な解説、評論家等の感想が4種類にプロダクションノートが1ページという内容。キャラクター商品のお知らせとISSAのソロ・アルバムの宣伝もあり。
700円は高いですが、内容は結構充実してるので、まあいいでしょう(映画と関係無いのが1ページあるのはご愛嬌ということで・笑)。



<画像の下より、ネタバレ有りの感想>

シュワ! T−X ザ・トリオ T−850の勇姿 火炎放射器発射前 ジョン&ケイト


タイムマシーンが絡む映画では、見終わってから、「タイムパラドックスの問題はちゃんと辻褄が合ってるのか?」「あのシーンはあれで合ってたのか?」「あそこでああいう行動をとったら、未来はこうなるはずじゃないのか?」みたいなのが必ず出てきますね。まあ、そういうのを考えてる時もまた楽しいからいいですけどね。
で、この映画にもタイムパラドックス関連の謎が色々あるんですが、それを一から書いていくのも面倒だし、考えれば考えるほどこんがらがってくるので、省略します(笑)。

さて、この映画のアクション描写ですが、これがもう、見てて嬉しくなるぐらいに力が入ってましたね。主演俳優が前作からかなり歳をとったというのに、ドラマ面ではなく、アクション面に力を入れたとは何とも嬉しいことです。
そして、どのアクションシーンも平等に迫力があったところも凄いです。大抵は、一ヶ所か二ヶ所印象に残る見せ場的なアクションシーンがあって、後はまあ普通に場面を盛り上げるために入れられてるみたいなアクションシーンになってる事が多いんですが、この映画は全てのアクションシーンが一番の見せ場的に迫力があるんですよね。

特に、アクションシーンでの物の壊しっぷりは他のアクション映画と比べてもかなり凄い所まで行ってましたね。
カーチェイスシーンでは大量の車をスクラップにしてましたが、あれも普通に考えたら必要な描写とは思えないですよね。
ターミネーター同士の戦いでも、“殴り合い”じゃなくて、“周りの物にぶつけ合い”でしたからね。もう、壁から便器から色々と壊しまくってました。 この辺の破壊ぶりは、ほんと見ててストレス解消になりますね。何よりも、その破壊行為をやってる(または関わってる)のが“シュワ”であるというのがいいんですよね。

あと、敵側にターミネーター以外のマシーンが出てきたのも嬉しいところです。ケイトの父親のいる空軍基地で暴れ回ってる奴なんて、まるでロボコップ2号みたいな殺戮っぷりでしたからね。で、そんな奴をターミネーターことシュワがガトリングガンをバリバリ撃ち込んで破壊するんだからたまらんです。
ガトリングガンとかロケットランチャーとか、こういう破壊兵器を“持ってて似合う人が使ってる”というのが凄くいいですよね。この辺の感覚は最近のアクション映画には無かったもののような気がします。

これだけアクションに力を入れたら、見終わった後に「何か、ただ派手なだけだったな」という印象が残ってしまうような映画になってしまいがちですが、その辺はさすがに伝説の映画の続編という事で、かなり気を使ったんでしょうね。それに、監督のジョナサン・モストウの実力というのもあったんでしょう。

ところで、今回の敵T−Xは、何か思ったよりも強くなかったという印象ですね。多分、前作のT−1000の方が強いんじゃないでしょうか。全身液体金属ではなく、中に骨格があるというのがマズかったんでしょうかね。
一応、未来から過去にワープするにあたり、“武器を内蔵して行ける”という利点があるらしいんですが、果たして旧式のターミネーターを相手にするのに、わざわざ“未来の武器”を持ち込んでいく必要があったんだろうかと思ってしまいます。
確かに、あのプラズマ砲はT−850を一撃でダウンさせるぐらいの強力な武器でしたが、結局、T−850の“破壊”じゃなくて“足止め”に使っただけでしたからね。破壊する気がないんなら、わざわざ強力な武器を持って行く必要なんて無いわけですからね。
裏設定では、内蔵されてる武器は10億あるらしいですが、劇中ではほんの数種類しか使ってなかったところを見ると、ほとんどは役に立たない武器だったりするんでしょうね(笑)。それに、銃を奪って使ってたところを見ると、銃の代わりになるような武器も無いってことなんでしょうか。いったい、どんな武器が内蔵されてるんだろう(水鉄砲とかじゃないだろうな・笑)。

T−XとT−850の戦いは、最新マシーンと旧式マシーンの戦いというより、大物ルーキーとベテランの戦いみたいな感じもありますね。何か、T−Xって、戦い慣れてないみたいな感じがありますよね。武器の有効な使い方もよく分かってないのかもしれないです。
もしかしたら、CPU自体はT−850の使ってる物の方が性能がいいのかもしれないですね。

さて。ラストはまるでまだ続編が作られるみたいな終わり方でしたが、どうなるんでしょうね。
ただ、「4」のストーリーは、「3」の続きではなく、“未来から来たターミネーターに少年時代(または青年時代)のカイルが狙われる”なんてストーリーになったりして。



<エンディングについて>
「恐れるな。未来は変えられる」
というのがこの映画のキャッチコピーでしたが、まさかウソコピーだったとは(笑)。それにしても、ハリウッド映画であんなエンディングが出るとは全くの予想外でしたね。
「未来は決まってなどいない。自分で作るものだ」というのがこのシリーズのテーマかと思ってましたが、それがこの「3」のラストでは「結局、運命は変えられない」となってしまうんですからね。
「ハリウッドの大作映画でアンハッピーエンドを用意した」というのはとっても珍しくていいんですが、やはり『ターミネーター』シリーズのラストとしてはどうなんだろう、という感じですね。
でも、このシリーズの創造主であるキャメロンが脚本にすら関わってないという時点で、これまでとは全くの別物になることは予想できた事ですからね(やっぱり、強引に作ってしまったという事なんでしょうか)。

エンドクレジットになってようやく「ダダンダンダダン!」というメインテーマが流れてくれましたが、ほんのちょろっとだけでしたね。まさに、無いよりはマシ程度の扱い。メインのテーマ曲のあるシリーズ物で、続編でそのメインテーマが使われないってのは、何かイヤですよね。
私にとっては、監督やジョン・コナーのキャスティングの変更より、音楽担当の変更が一番痛かったですね。『ジュラシックパーク』シリーズも、3作目で監督と音楽担当が変わりましたが、あっちはちゃんとメインテーマを活かしてくれてたんですけどねぇ。



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