トゥームレイダー2


カラダが欲しがる世界の刺激

TOMB RAIDER THE CRADLE OF LIFE
03年 アメリカ映画 117分

監督:ヤン・デ・ボン
音楽:アラン・シルベストリ
出演:アンジェリーナ・ジョリー(ララ・クロフト)
    ジェラルド・バトラー(テリー・シェリダン)
    シアラン・ハインズ(ジョナサン・ライス博士)
    ノア・テイラー(ブライス)
    ジャイモン・ハンスゥ(コーサ・マサイ)
    ティル・シュバイガー(ショーン)
    クリストファー・バリー(ヒラリー)
    サイモン・ヤム(チェン・ロー)
    テレンス・イン(ジェン)




<あらすじ>
ギリシアのサントリーニ島沖で起きた大規模な地震により、海底に埋もれていた、“月の神殿”が姿を現した。ここには、アレクサンダー大王が世界中から集めた財宝が眠っているのだ。
仲間のトレジャーハンター達と神殿に赴いたララ・クロフトは、そこでメダリオンと黄金の珠を見つける。
だが、謎の集団の襲撃に遭い、仲間達は殺され、宝物も奪われてしまう。

この集団の黒幕は、ノーベル賞科学者のジョナサン・ライス博士。黄金の珠は「生命のゆりかご」と呼ばれる場所の地図で、そこに隠されている“パンドラの箱”をライス博士は求めているのだ。もし、この箱を開けてしまうと、人類を滅亡に導く災いが解き放たれるのだ。

MI−6のエージェントからこの話を聞かされたララは、珠の追跡に乗り出した。
現在、珠を持っているチェン・ローに近づくため、そのアジトの場所を唯一知っている男をパートナーにつける。だがその男、テリー・シェリダンは、かつてのララの恋人でもあるのだった。



<見た後の個人的感想>
同名ゲームの映画化第2弾ですが、私は映画の前作を見てなければ、元のゲームもやった事がありません。今回の映画で「トゥームレイダー&ララ・クロフト」を初めて知ったわけですが、いやぁ、面白い映画でした。私の苦手な(と言うか嫌いな)“ヒロインアクション”という事で食わず嫌いをしていたのですが、どうやらこのシリーズは特別なようです。
なぜヒロインアクションが嫌いなのかと言うと、どう見ても強そうじゃない女優(でも態度はとても偉そう)がヘボいマーシャル・アーツを使い、敵役に“勝たせてもらっている”様を見ると、ほんと腹が立つからです。
そんな中、私がこの映画を楽しめた最大の理由は、“主演がアンジェリーナ・ジョリーだ”という点ですね。もともと嫌いなな女優ではないというのもありますが、何よりも顔に迫力があるので、アクション映画に主演する事に、特に変な違和感を感じなかったです。あと、アクションの動作も、アクションシーンの時の表情も、ちゃんと様になっていましたしね。

もともと、ララ・クロフトというのがどういうキャラクターなのか知らないで見たわけですが、屋敷で下僕2人をいじめてるのを見て「ああ、そういうキャラか」と分かりました(笑)。要するに、“お嬢様が世界で大暴れする”という映画なんですね、これ(違うかもしれませんが・笑)。
お嬢様ですから、当然、我がままです。なので、序盤でせっかく手に入れた宝物が奪われたのが悔しくて仕方無いというのが手に取るように分かりましたねぇ。もちろん、仲間を殺された事に関しての怒りもあるんでしょうけどね。


ただ、やはりマッチョアクション好きの私にとっては、アクションシーンで活躍するのがジョリー一人では少々物足りないものがありました。
ですが、早い段階から、ララの相棒としてマッチョメンが登場してくれるんです。演じるのはジェラルド・バトラーという見たことも聞いた事も無い男で、予告編で姿を見た時は「こんな、どこの馬の骨とも分からん奴が出て来ても盛り上がらないだろうな」とか思ってたんですが、これが結構、顔も筋肉もいい奴でしたね。B級アクションの世界なら間違いなく主演級でしょう。
こんな頼もしいマッチョメンが相棒として出てくるので、アクションシーンでは、「アクションヒーローが二人いる」ような迫力がありましたね。
ただ、どちらも単体では迫力不足のような感じもあるんですが、ともかく、これでちょうどバランスが良くなりました。ジェラルドも、あくまでも主人公の相棒という立場にきちんと従い、でしゃばった真似をしないのも良かったです。

映画の内容は、完全にアクションメインの作りになっていて、もはや「アクションシーンだけでは映画なならないから、仕方なくストーリーを入れた」のではないかと思ってしまうぐらい、アクションに傾いた作りになっています。
もう、登場人物が何を考えて行動しているのかもよく分からない(と言うか、気にならない)ぐらいに、アクション、アクション、アクションです。
しかも、舞台は中国、上海、香港と次々変わり、その各国でアクションシーンが展開されるんです。この、「ふんだんに海外ロケをして、ドラマ性皆無のアクションメインな映画を撮る」というのは、香港のジャッキー映画と同じ作り方ですよね(アクションシーン自体の作りは大きく違うものの)。
本来なら『女版インディ・ジョーンズ』辺りを目指して作りそうなものですが、それを『サンダーアーム』や『プロジェクト・イーグル』方面に行くとは(笑)。
また、「話にバイオ・テロが絡む、アクション以外のシーンがやたらつまらないアクション映画」という点は、『M:i−2』とよく似てます。
ジャッキー映画からジャッキーを引いたものに『M:i−2』を混ぜたのが『トゥームレイダー2』と言ったところでしょうか。


中盤ぐらいまではとっても面白いアクション映画なんですが、残念ながら、このテンションは最後まで持続してくれません。「中だるみ」ならまだ良かったんですが、中盤で下がったテンションは結局それ以降持ち直すことなく、終わりまで行ってしまうんです。「中だるみ」+「尻すぼみ」という最悪のパターン。中盤ぐらいまでは本当に面白いので、まったくもって残念です。
なぜそんな事になってしまうのかと言うと、“ララが相棒を捨てて一人で行動しだす”というのと“なぜか、アクションシーン自体が減る”というのが原因です。
どうも、「自分が映画のエモーショナルな部分を演出するのがうまい」と勘違いしているという、ヤン・デ・ボンの悪い癖が出てしまったようです(笑)。もう一つ、「CGの力を過信している」という癖もあるんですが、こいつも終盤で出て来てしまってるんですよね。おとなしくアクションだけ撮ってれば傑作になったかもしれないのに・・・。
あと、ララ以外の登場人物に魅力があまり無いというのも原因でしょうか。敵役にいい俳優を起用しているのに、キャラクター自体に魅力が無いために、もはや単なる邪魔キャラ程度の存在でしかないんですよね。中盤まではちゃんと主人公達を引き立たせる役割を果たしていたんですけどね。
また、肝心のアクションシーンにスピード感があまり無い、という問題もあるんですが、主人公を演じるのがマッチョやカンフー使いのアクション俳優ではなく、アンジェリーナ・ジョリーであるという点を考慮に入れれば、許容範囲内のスピードかな、と思います。



<キャストについて>
主演のアンジェリーナ・ジョリーですが、確かに元々迫力のある顔ではありましたが、ここまでアクションの似合う人だとは思ってませんでした(だから前作を見てないんですよね)。アクション映画に主演して、最後まで映画を引っ張っていけるだけの存在感がありましたね。
本人の“アクション演技力”もさることながら、ララ・クロフトというキャラクターも良かったんでしょうね。まさにハマり役です。

テリー役のジェラルド・バトラーはいい筋肉してましたねぇ。今後は『タイムライン』とか『オペラ座の怪人』とかに出演するようですが、個人的には暴走列車や旅客機内でテロリストと戦ってる姿が見たいです(笑)。

悪役は『トータル・フィアーズ』でロシア大統領役を好演していたシアラン・ハインズですが、今回はあまり魅力の無い悪役に配されていたせいか、あまり印象に残らないですね。
さらにもう一人、『ドリヴン』のボー・ブランデンバーグでお馴染みのティル・シュワイガーも同じ理由で精彩を欠いてました。この点はちょっと残念です。



<プログラムについて>
定価600円。普通のプログラムのサイズより、やや幅が広いです。
内容はストーリーやキャスト・スタッフのフィルモグラフィー、プロダクションノート(2ページ)といった定番メニューの他、アンジェリーナ・ジョリーとヤン・デ・ボンのインタビュー、ララのコスチュームの解説&写真集(約2ページ分)があります。



<画像の下より、ネタバレ有りの感想>

ララ様   銃を構えるララ様   棒を振り回すララ様   ・・・顔、怖すぎ
マッチョメン  マッチョマンVSファットマン



アクションシーンがメインの映画ですが、その肝心のアクションシーンの演出に、なぜか所々にダサさが滲み出てしまっています。クールに決めてるつもりなのにどこか抜けてるみたいな。
これは、「撮り方を失敗してる」というよりも「この映画のカラー」としてそういう演出になってるような感じがしますね。人によっては、ダサさを感じずに見られると思いますが、私の目にはちょっと抜けてるように見えました。
ただ、ちょっと『エスケープ・フロム・LA』のアクションシーンを彷彿とさせる感じのダサさなので、それが映画の面白さにとって決してマイナスにはなっていないです。
具体的には、中国のシーンの、あからさまな二重映しで万里の長城をバイクで走るシーンや、ララが像の頭の上を歩いて行くシーン(後ろに敵が迫ってるのに、動きが超遅)、崖をロープで逆さに降りながらの銃撃シーン(いくらなんでも、敵の弾が当たらなすぎ)などです。あれ、ほとんど中国のシーンだぞ(笑)。
あと、香港のビルのシーンで、敵に追われて屋上に上っていったところ、なぜかウイングスーツが2着用意されてるというのもありましたね。まさに、ご都合主義ここに極まれりといった感じです(笑)。
まあ、便利なアイテムが主人公の行く先に落ちてるという点は、「元はゲームだから」で片付けられますけどね(ちょっと無理があるか?・笑)。


後半にアクションシーンが減ると上で書きましたが、全くなくなるわけではありません。ですが困った事に、後半のアクションシーンには中盤までにはあった“ララが活躍するシーン”というのが無いんですよね。アクションシーンの場にはいるんですが、積極的に関わっていくわけでもなく、周りでザコキャラがバタバタ倒れていくだけみたいなアクションシーンなんです。
終盤にはCGの怪物が登場して大暴れを(いや、小暴れか・笑)するんですが、こいつもなぜかララと戦うというようなシーンが無いんですよね。せっかくの派手なクリーチャーなのにすごく勿体無い使い方ですよね。もしかしたらデ・ボンさん、こういうCGの巨大モンスターは、「出しただけで迫力が出る」と思ってるんでしょうか。
中盤までのアクションシーンが面白いのは、“メインで暴れてるのがララだから”なんですけどねぇ・・・。
アクション以外でも、ララが“何だかよく分からない最新の通信装置”でもって、離れた所にいるしもべをこき使う様が面白かったんですが、それも“しもべ二人を人質にとられる”という展開のせいで無くなってしまいましたし・・・。
なぜ、こうもララの活躍が減る方向に話が進むような展開にしたのかよく分からないですねぇ。



<エンディングについて>
アラン・シルベストリ作のテーマ曲を一度も使うことなく、歌が何曲もかかりました。サントラの宣伝をここでやってるんでしょうか?
でも、4曲目か5曲目あたりの曲がカッコ良かったですね。終盤のアクションが大盛り上がりし、ラストがこの曲だったらまさに最高のエンディングだったんですけどね。



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