
監督:ヤン・デ・ボン
音楽:アラン・シルベストリ
出演:アンジェリーナ・ジョリー(ララ・クロフト)
ジェラルド・バトラー(テリー・シェリダン)
シアラン・ハインズ(ジョナサン・ライス博士)
ノア・テイラー(ブライス)
ジャイモン・ハンスゥ(コーサ・マサイ)
ティル・シュバイガー(ショーン)
クリストファー・バリー(ヒラリー)
サイモン・ヤム(チェン・ロー)
テレンス・イン(ジェン)
この集団の黒幕は、ノーベル賞科学者のジョナサン・ライス博士。黄金の珠は「生命のゆりかご」と呼ばれる場所の地図で、そこに隠されている“パンドラの箱”をライス博士は求めているのだ。もし、この箱を開けてしまうと、人類を滅亡に導く災いが解き放たれるのだ。
MI−6のエージェントからこの話を聞かされたララは、珠の追跡に乗り出した。
現在、珠を持っているチェン・ローに近づくため、そのアジトの場所を唯一知っている男をパートナーにつける。だがその男、テリー・シェリダンは、かつてのララの恋人でもあるのだった。
もともと、ララ・クロフトというのがどういうキャラクターなのか知らないで見たわけですが、屋敷で下僕2人をいじめてるのを見て「ああ、そういうキャラか」と分かりました(笑)。要するに、“お嬢様が世界で大暴れする”という映画なんですね、これ(違うかもしれませんが・笑)。
お嬢様ですから、当然、我がままです。なので、序盤でせっかく手に入れた宝物が奪われたのが悔しくて仕方無いというのが手に取るように分かりましたねぇ。もちろん、仲間を殺された事に関しての怒りもあるんでしょうけどね。
ただ、やはりマッチョアクション好きの私にとっては、アクションシーンで活躍するのがジョリー一人では少々物足りないものがありました。
ですが、早い段階から、ララの相棒としてマッチョメンが登場してくれるんです。演じるのはジェラルド・バトラーという見たことも聞いた事も無い男で、予告編で姿を見た時は「こんな、どこの馬の骨とも分からん奴が出て来ても盛り上がらないだろうな」とか思ってたんですが、これが結構、顔も筋肉もいい奴でしたね。B級アクションの世界なら間違いなく主演級でしょう。
こんな頼もしいマッチョメンが相棒として出てくるので、アクションシーンでは、「アクションヒーローが二人いる」ような迫力がありましたね。
ただ、どちらも単体では迫力不足のような感じもあるんですが、ともかく、これでちょうどバランスが良くなりました。ジェラルドも、あくまでも主人公の相棒という立場にきちんと従い、でしゃばった真似をしないのも良かったです。
映画の内容は、完全にアクションメインの作りになっていて、もはや「アクションシーンだけでは映画なならないから、仕方なくストーリーを入れた」のではないかと思ってしまうぐらい、アクションに傾いた作りになっています。
もう、登場人物が何を考えて行動しているのかもよく分からない(と言うか、気にならない)ぐらいに、アクション、アクション、アクションです。
しかも、舞台は中国、上海、香港と次々変わり、その各国でアクションシーンが展開されるんです。この、「ふんだんに海外ロケをして、ドラマ性皆無のアクションメインな映画を撮る」というのは、香港のジャッキー映画と同じ作り方ですよね(アクションシーン自体の作りは大きく違うものの)。
本来なら『女版インディ・ジョーンズ』辺りを目指して作りそうなものですが、それを『サンダーアーム』や『プロジェクト・イーグル』方面に行くとは(笑)。
また、「話にバイオ・テロが絡む、アクション以外のシーンがやたらつまらないアクション映画」という点は、『M:i−2』とよく似てます。
ジャッキー映画からジャッキーを引いたものに『M:i−2』を混ぜたのが『トゥームレイダー2』と言ったところでしょうか。
中盤ぐらいまではとっても面白いアクション映画なんですが、残念ながら、このテンションは最後まで持続してくれません。「中だるみ」ならまだ良かったんですが、中盤で下がったテンションは結局それ以降持ち直すことなく、終わりまで行ってしまうんです。「中だるみ」+「尻すぼみ」という最悪のパターン。中盤ぐらいまでは本当に面白いので、まったくもって残念です。
なぜそんな事になってしまうのかと言うと、“ララが相棒を捨てて一人で行動しだす”というのと“なぜか、アクションシーン自体が減る”というのが原因です。
どうも、「自分が映画のエモーショナルな部分を演出するのがうまい」と勘違いしているという、ヤン・デ・ボンの悪い癖が出てしまったようです(笑)。もう一つ、「CGの力を過信している」という癖もあるんですが、こいつも終盤で出て来てしまってるんですよね。おとなしくアクションだけ撮ってれば傑作になったかもしれないのに・・・。
あと、ララ以外の登場人物に魅力があまり無いというのも原因でしょうか。敵役にいい俳優を起用しているのに、キャラクター自体に魅力が無いために、もはや単なる邪魔キャラ程度の存在でしかないんですよね。中盤まではちゃんと主人公達を引き立たせる役割を果たしていたんですけどね。
また、肝心のアクションシーンにスピード感があまり無い、という問題もあるんですが、主人公を演じるのがマッチョやカンフー使いのアクション俳優ではなく、アンジェリーナ・ジョリーであるという点を考慮に入れれば、許容範囲内のスピードかな、と思います。
テリー役のジェラルド・バトラーはいい筋肉してましたねぇ。今後は『タイムライン』とか『オペラ座の怪人』とかに出演するようですが、個人的には暴走列車や旅客機内でテロリストと戦ってる姿が見たいです(笑)。
悪役は『トータル・フィアーズ』でロシア大統領役を好演していたシアラン・ハインズですが、今回はあまり魅力の無い悪役に配されていたせいか、あまり印象に残らないですね。
さらにもう一人、『ドリヴン』のボー・ブランデンバーグでお馴染みのティル・シュワイガーも同じ理由で精彩を欠いてました。この点はちょっと残念です。


後半にアクションシーンが減ると上で書きましたが、全くなくなるわけではありません。ですが困った事に、後半のアクションシーンには中盤までにはあった“ララが活躍するシーン”というのが無いんですよね。アクションシーンの場にはいるんですが、積極的に関わっていくわけでもなく、周りでザコキャラがバタバタ倒れていくだけみたいなアクションシーンなんです。
終盤にはCGの怪物が登場して大暴れを(いや、小暴れか・笑)するんですが、こいつもなぜかララと戦うというようなシーンが無いんですよね。せっかくの派手なクリーチャーなのにすごく勿体無い使い方ですよね。もしかしたらデ・ボンさん、こういうCGの巨大モンスターは、「出しただけで迫力が出る」と思ってるんでしょうか。
中盤までのアクションシーンが面白いのは、“メインで暴れてるのがララだから”なんですけどねぇ・・・。
アクション以外でも、ララが“何だかよく分からない最新の通信装置”でもって、離れた所にいるしもべをこき使う様が面白かったんですが、それも“しもべ二人を人質にとられる”という展開のせいで無くなってしまいましたし・・・。
なぜ、こうもララの活躍が減る方向に話が進むような展開にしたのかよく分からないですねぇ。
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