
監督:ジョセフ・カーン
音楽:トレバー・ラビン
出演:マーティン・ヘンダーソン(ケアリー・フォード)
アイス・キューブ(トレイ・ウォリス)
モーネイ・マザー(シェイン)
アダム・スコット(マクフィアソン)
マット・シャルツィ(ヘンリー)
ジェイ・ヘルナンデス(ドルトン)
ウィル・ユン・リー(バル)
一言で言うと、「バイク版『ワイルド・スピード』」といった感じの映画です。ですが、こちらはかなり熱いですね。もう『ワイルド・スピード』が優等生に思えてくるぐらいのぶっ飛んだ映画になってました。
主人公を始め、登場キャラのほとんどがバイカーなんですが、この“バイカー”という人種がまた、ユニークと言うのか何と言うのか(笑)。情熱とロマンと反体制とスピードを混ぜて熱く煮込んだような人達ですよ。「何だそりゃ?」って感じですね。要するに、アウトロー集団と言ったところなんでしょう。
荒野をバイクに跨がって走ってる後ろ姿を見ると、昔のカウボーイの進化形なのか現代版なのか、という気もしましたね。
そんな連中が、バイクでチェイスしまくるという内容の映画なんです。一応、ストーリーらしきものはあるんですが、映画のメインは「ドラマを語る事」ではなく、「バイカーの生き様を見せる」「バイクでとにかく走りまくる」「そしてバイク・アクションを見せる」という方向です。
と言うか、バイカーがバイクを乗り回してる事自体がすでにドラマですね。「バイク+スピード=ドラマ」です。いや、私も、自分で書いてて「そうなのか?」という気はするんですが(笑)、何の根拠もなくこんな言葉を口走りたくなるような、そんなスピリットの感じられる(ような気がする)映画でしたね。
ただ、その製作方針はいいんですが、個々のアクションシーン、バイクチェイスや格闘アクションが、いつもの「素早いカット割」で見づらくなってるのが残念ではありましたね。確かに迫力はあるんですが、バイクスタントを目で追えるほどしっかり映した『M:i−2』のバイクチェイスシーンの方が、結果的に「凄かった」と思えてしまうんですよね。
まあ、こちらは「あり得ないバイクスタント」を出すなどして、「本物の迫力」とは違う、「マンガ的な迫力」をかなり出していたんで良かったですけどね。
走ってる列車の上にバイクで飛び乗ったり、客車を走り抜けたりといった悪い冗談みたいなチェイスシーンが出て来たかと思えば、それをやりこなした主人公が「やれば出来るもんだな」と言ってのけたりしますからね。
メインはバイクチェイスによるアクションシーンですが、アクションが凄いだけでは映画は面白くなりません。全体の面白さを引き上げるには、「各登場キャラの魅力度」も重要な要素になってくると思うんです。
で、この映画、もうイカした連中のオンパレードでしたね。主人公の爽やかなマッチョぶりもとっても素敵で、いかにも「主人公だ!」という魅力が出ていました。しかも、やれば出来る男です。
映す角度によっては、髪型とグラサンのせいか『M:i−2』の時のトム・クルーズに見える時があるのも高ポイントでした。
そして、暴走族のリーダーのアイス・キューブがもう、超クールで最高でしたね。個人的に、これまで見た中で最高のキューブでした。主人公がヒーローなら、この映画のキューブはアンチ・ヒーロー的な立場でしたね。
主人公とキューブは対立関係にあるんですが、それとは別の、完全な悪者というのも存在しています。で、この一番の悪者が雰囲気的にキューブより小物に見えヲてしまってるんですが、まあ、仕方のないところでしょう。
主人公グループと敵グループ、それぞれに女性キャラが一人混じってるんですが、もう当然のごとく、終盤でこの二人がやり合う場面が出て来ます。本来なら、出来もしないカンフーを無理にやらせたおかげで、シオシオなアクションシーンになる所なんですが、この映画の場合、「バイクでチェイスしながら殴り合うという、人間業とは思えない事を無理にでもやらせ切ってる」という、何か凄い事になってましたね。
出てくるアクションシーンは、目新しさ、迫力の面で、これまでのアクション映画のバイク・チェイスシーンと比べて、取り立てて「すごい!」という事は無いんですが、「全編バイクチェイス!」「バイク万歳!」というのはこれまでの映画には無かった点ですね。これまでのアクション映画のバイクチェイスは、「たまたまバイクがあったから乗った」というタイプがほとんどでしたが、この映画は「バイクじゃないとダメ!」というこだわりのある人達によるバイクチェイスですからね。
個人的にはバイクに惹かれるものは何も無く、むしろ、たまに夜中に近所に現れる暴走族こと珍走団に対して「うるせぇなぁ、ガキ共め!」と思ったりと、実生活ではむしろ「バイク邪魔」的な立場ですが、映画の世界においては、なぜか昔から車よりもカッコいいと思ってたんですよね。実はカーチェイスよりもバイクチェイスシーンの方が好きでしたし。
そんな関係で、バイクに思い入れの無い私でもこの映画は大いに楽しめた、クールな映画という印象でしたね。
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