コール


凍る

<TRAPPED>
02年 アメリカ映画 106分

監督・製作:ルイス・マンドーキ
原作・脚本:グレッグ・アイルズ
音楽:ジョン・オットマン
出演:シャーリズ・セロン(カレン・ジェニングス)
    ケビン・ベーコン(ジョー・ヒッキー)
    スチュアート・タウンゼント(ウィル・ジェニングス)
    プルイット・テイラー・ヴィンス(マーヴィン・プール)
    コートニー・ラヴ(シェリル・ヒッキー)
    ダコタ・ファニング(アビー・ジェニングス)






<あらすじ>
家族3人をそれぞれ別の場所で監禁し、犯人同士による30分毎の携帯電話への連絡が途絶えた場合、子供を殺す。そんな新手の誘拐計画を練り上げたジョーと仲間2人は、この手口でこれまでに4件の身代金目的誘拐を成功させていた。
そんなジョー一味の新たな標的は、麻酔医ウィル・ジェニングスの家族。だが、今度の家族は一筋縄ではいかない連中だった。娘のアビーが、発作が起こると命に関わる重度の喘息持ちだったり、妻のカレンはやたら怖い顔でジョーを睨んでくるし、夫のウィルは筋肉弛緩剤入りの注射で攻撃してきたりと、大変な事態が頻発するのだった。



<見た後の個人的感想>
『身代金』のような誘拐物のサスペンス映画です。この映画の誘拐犯は一風変わった作戦を用いてきます。それはあらすじに書いたように、「家族3人を別々の場所で監禁する」というものです。今までの誘拐と違い、“子供と夫(又は妻)”と人質が二人いる事になり、さらに自分自身が人質でもあるわけです。また、犯人同士は携帯で密に連絡を取り合うので、例えば「家族の誰かが犯人を倒して通報する」といった事も出来ません。
何とも、抜け目の無い計画ですね。もし、どうにか犯人の目を盗んで通報出来たとしても、他の2ヶ所での監禁場所は犯人しか分からないので、結局どうする事も出来ません。まさに、犯人は「常に王手飛車取り」並の立場にいるわけです。
もし、自分が標的にされた立場だったら、と考えると、もうどうしたらいいのか分からないですね。素直に金を払うしかないと思いそうです。
しかも、犯人側から「これまで4回の誘拐に成功し、みんな言う事をちゃんと聞いたので誰も死んでいない」なんて話を聞かされるので、ますます「こりゃ、言うとおりにしていた方がいい」と思ってしまいます。
ですが。この映画の標的となる家族はそう簡単に言う事を聞かないんですよね。犯人を攻撃してみるとか、通報を試みるとか、見ていて「おいおい、そんな事して大丈夫なのかよ」と思ってしまうような行動をとるんです。むしろ、犯人の行動より、この人達の行動の方が見てて怖かったです(笑)。

また、この映画は監禁される側であるシャーリズ・セロン演じる妻が一応話の主役ですが、犯人一味のリーダーのケビン・ベーコンの方もほぼ平等に行動が描写される「もう一人の主人公」みたいな立場になってます。
なので、ついこの犯人側に感情移入して「いかに、この誘拐計画を完璧に遂行するか」という方に興味を持って見てしまったりするんです。
でも、そうやって見た場合、「そんな行動をとったらまずいんじゃないのか」と思ったり、「仲間の人選を間違ったんじゃないのか」と思うような“ミス”が所々で目に付くんですよね。
なので、「もし、自分が被害者の立場なら」と考えたながら見た場合と、「もし、自分が犯人の立場なら」と考えながら見た場合、どちらにしてもこちらの想像と悪い意味で違う方向に進んでいくという、ちょっともどかしく感じる部分があったりもします。
むしろ、「自分ならどうする?」というような事は考えないで見た方がいいのかもしれません。

では、この映画の面白さはどの辺にあるんでしょうか。普通は、「被害者側がこの完璧な誘拐計画をいかに出し抜くか」という所に面白さがあるのがベストなタイプの映画のような気がするんですが、この面に特別な面白さがあるわけでもないです。ただ、その場その場の状況において、登場人物がどんな行動をするのか、というのを客観的に見ていくしか無いんですよね。
そういう映画なので、色々と細かいイベントが続々と発生してくれるわけです。例えば、娘の喘息とか、家に監禁されてるカレンの元に、いきなり隣人が訪ねてくるとか、そのカレンがジョーにベッドに誘われたりとか。
さらに、終盤には『デッドコースター』のオープニングを思わせるような派手な大事故シーンが出てきたりと、「心理サスペンス」というより、「サスペンス・エンターテイメント」といった感じの作風になっているようです。
なので、見ながら緊張して疲れるというような事もあまりなく、リラックスしながらポップコーン片手に見れるような、そんな映画なんですね。



<キャストについて>
主演のシャーリーズ・セロンは、色んな映画に顔を出してる売れっ子女優ですが、なぜかあんまり印象に残らない(個人的に)のはなぜなんでしょう。大抵、この人の出てる映画は「他に派手な出演者がいる」などで、私の注意がそっちに向いてるからなんでしょうかね。『ザ・ダイバー』と『15ミニッツ』なんて、どこに出てたのかも覚えてません(笑)。あと、“主演作”をこれまで見ていないというのもあるんでしょうね。
ですが、この映画は“ピン”ではないものの、主演です。最初から最後まで出ずっぱり。しかも妙にアップのシーンが多い。という事で、ようやく私もこの人の顔を完全に覚える事が出来ました(笑)。
でも、よくよく見るとこの人、いい顔してますねぇ。「超アップに耐えられる顔」ですよね。ただ、美人系なのか可愛い系なのかセクシー系なのかがよく分からないですよね。よく脱ぎますけど、セクシー系とは言い切れない顔のような感じですし・・・。

そして、もう一人の主役のケビン・ベーコン。そもそも、私がこの映画を劇場で見ようという気になったのは、この人が目当てでしたからね。
ちなみに、クレジットでは“and扱い”なので、本来は助演という立場なんだと思います。それにしては出番が多かったですけどね。しかも、「脱ぎっぷりでシャーリズ・セロンに勝った」という、まさに快挙を成し遂げてました(笑)。もはや、名実共にハリウッド一の“脱ぎ魔”と言えそうです。
それにしても、この人は脱ぎ役と同様、悪役も多いですね。「珍しく主演だ」と思った『インビジブル』も「主人公なのに悪役」でしたからね。で、悪役がまた上手いんですよね。この映画でも、もう余裕で演じてるような感すらありましたし。
でも、個人的には主演作をもっと見たいんですけどねぇ。

この映画の宣伝で一番名前を大きく出されていたのが、『アイ・アム・サム』でお馴染みの名子役、ダコタ・ファニングです。ですが、この映画では出番もそんなに多くないですし、そこそこ演技の出来る子役なら誰でも務まりそうな役だったので、有り難みはほとんど無しです。
それにしても、シャーリズ・セロンとダコタ・ファニングの親子役は違和感まるで無しですね。同じ系統の顔なのか、それとも髪の色が同じだから似て見えるだけなのか・・・。



<プログラムについて>
定価600円。何の特徴も無い、ごく普通のプログラムでした。
一応、読み物としては、原作者の解説と1ページ分あるシャーリズ・セロンのインタビューがありました。



<画像の下より、ネタバレ有りの感想>

ベーコン  ファニング嬢  世論



見終わってみて一つ疑問が残ったのですが、ジョー一味は今回の誘拐は身代金目的だけではなく、復讐も目的だったわけですが、これまでの4回の誘拐はこの人達にとって、何なんだったんでしょうかね。どうして最初からこの一家を標的にしないで、その前に4件もの誘拐をやったんでしょう。まさか、練習じゃないですよね。
この辺に関する説明が無かったような気がするんですが、見落としでしょうか。
あと、土壇場でジョーが「アビーを養子にする」という計画に変更しますが、これも何か伏線とかほとんど無く、唐突に仕掛けてきましたよね。う〜ん、きっと、細かい心理描写とかは考えちゃいけない映画なんでしょうね。素直に「な、何ぃ〜!?」と驚いてやるのが正しい鑑賞方なんでしょう。
あと、シャーリズ・セロンがインタビューにおいて、「たいがいの映画の登場人物は利口過ぎてリアルじゃない。だからこの映画のカレンは大事な所でミスをしたりする」というような事を語っていましたが、どうもそれはカレンだけでなく、全ての登場人物に言える事のようです。そう思うと、犯人一味のリーダーが突然トチ狂った行動に出てしまう点も納得がいきますね。もちろん、素直に言うことを聞けばいいものを、無駄に反撃して話をややこしくするジェニングス夫妻の行動もしかり、です。



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